« 異性化糖でデブになる? | トップページ | 日本の野球を変えてくれ »

2004.06.14

東京は今年も世界で一番生活コストの高い都市

 毎年吉例マーサー・ヒューマン・リソーシズ社による世界の都市の生活コスト・ランキング"Global Cost-of-Living Survey - 2004"(参照)が発表された。言うまでもなく東京は第一位である。生活していくのに一番金のかかる都市というわけだ。そして今回新しく二位に躍り出たのはロンドンだ。フィナンシャルタイムズ"Tokyo tops list of expensive expat postings"(参照)は、東京をdubious honourだと、おちょくっている。


Tokyo has retained its dubious honour as the most expensive city in the world for expatriates, with London leaping five places to clinch the number two spot.

 昔の大阪人なら、いらんこと言わんでもよろし、とか言うだろうか。かくいう大阪は昨年の三位から四位に落ちたが、大阪人の努力または脱力によるわけでもない。ようは、イギリスが変わったことだ。ポンド高なのだ。ロンドンが東京を笑う資格があるわけだ。ちなみに、50位までは次のようになる。けっこう含蓄深い。

04
03
city
04
03
1
1
Tokyo, Japan
130.7
126.1
2
7
London, UK
119
101.3
3
2
Moscow, Russia
117.4
114.5
4
3
Osaka, Japan
116.1
112.2
5
4
Hong Kong
109.5
111.6
6
6
Geneva, Switzerland
106.2
101.8
7
8
Seoul, South Korea
104.1
101
8
15
Copenhagen, Denmark
102.2
89.4
9
9
Zurich, Switzerland
101.6
100.3
10
12
St. Petersburg, Russia
101.4
97.3
11
5
Beijing, China
101.1
105.1
12
10
New York City, USA
100
100
13
17
Milan, Italy
98.7
87.2
14
21
Dublin, Ireland
96.9
86
15
13
Oslo, Norway
96.2
92.7
16
11
Shanghai, China
95.3
98.4
17
23
Paris, France
94.8
84.3
18
42
Istanbul, Turkey
93.5
78.8
19
34
Vienna, Austria
92.5
82.4
20
67
Sydney, Australia
91.8
73.7
21
41
Rome, Italy
90.5
79
22
48
Stockholm, Sweden
89.5
78.2
23
36
Helsinki, Finland
88.8
80.9
24
35
Abidjan, Ivory Coast
88.7
81.3
25
31
Douala, Cameroon
88.3
82.9
04
03
city
2004
2003
26
52
Amsterdam, Netherlands
88.1
76.8
27
22
Los Angeles, USA
86.6
85.6
28
58
Berlin, Germany
85.7
75.3
29
14
Hanoi, Vietnam
85.6
89.5
30
18
Shenzhen, China
85.6
86.7
31
29
Taipei, Taiwan
85.3
83.5
32
18
Guangzhou, China
84.9
86.7
33
40
Tel Aviv, Israel
84.8
79.1
34
37
Budapest, Hungary
84.5
80.2
35
25
Chicago, USA
84.5
83.9
36
16
Ho Chi Minh City, Vietnam
84.5
88.5
37
25
Beirut, Lebanon
84.3
83.9
38
30
San Francisco, USA
84.3
83
39
66
Luxembourg
84.3
74
40
63
Dusseldorf, Germany
84.3
74.2
41
74
Glasgow, UK
84.1
72.3
42
65
Frankfurt, Germany
84
74.1
43
62
Munich, Germany
84
74.4
44
56
Bratislava, Slovak Republic
83.9
75.7
45
38
Jakarta, Indonesia
83.9
80
46
32
Singapore
83.6
82.8
47
56
Dakar, Senegal
83.4
75.7
48
27
Riga, Latvia
83.3
83.7
49
49
Prague, Czech Republic
83.3
78.1
50
71
Athens, Greece
82.9
72.9

 今年の調査の特徴はマーサー・ヒューマン・リソーシズ社"Tokyo and London are world’s most expensive cities; Asuncion in Paraguay is cheapest"(参照)によれば次のようになる。


  • Tokyo and London are world’s most expensive cities; Asuncion in Paraguay is cheapest
  • Three of the five cheapest European cities are in countries that recently gained EU accession
  • Australian and New Zealand cities rise steeply in rankings due to appreciation of currencies against US dollar

 オーストラリアとニュージーランドが対ドルの関係で注目されているということは、皮肉に言うなら、こうした都市間の比較は、ある一定以上の水準を持つ都市なら、経済圏と通貨に依存しているだけのことなのだろう。先のフィナンシャルタイムズは、さらにもってまわった皮肉を言っているのかもしれないが、東京の暮らしだって給与が現地通貨ならさして問題ないと指摘している。

But foreigners living in Tokyo need not despair. Marie-Laurence Sepede of Mercer said that by custom executives posted overseas tended to be given full compensation by their employers for higher living costs.

She pointed out that they could take advantage of expat pay systems by buying local goods in places such as Tokyo, where what is produced at home is often considerably cheaper than what is imported.


 案外そうなのかもしれない。特に輸入品の扱いが気になる。というのも、今回の調査で、韓国ソウルは八位なのだが、現地に暮らす人から聞くに、家電品など工業製品は日本のほうが安いようだ。
 かくして東京はますます奇妙な都市になっていくのだろう。余談めくが、東京の特殊出生率は0.9987となり、1.0を割り込んだ(参照)。面白いといえば面白い。いずれ老人の都市になる。
 話を少し戻すと、問題は結局通貨じゃんかという考えを延長するなら、この調査は、調査方法が間違っているとは言わないまでもだ、あまりにフラット過ぎるというか、数値的なごにょごにょだけじゃんといった印象は受ける。
 むしろ、各高度化した都市におけるマルチカルチャラルなインフラというものからクオリティ・オブ・ライフを出してもいいように思える。それができれば、ロンドンなどはかなりカンファタブルな都市ということにもなり、一層手の込んだジョークが出来るかもしれない。ちなみに、現状のクオリティ・オブ・ライフで言うなら、東京は33位でロンドンは35位。ここでも仲間じゃないか。
 世界都市の動向について、アジアの側面も面白いと言えば面白い。先の調査をひく。

Asia
Four of the world’s ten costliest cities are in Asia, with Tokyo being the most expensive city globally. Osaka takes 4th position (116.1) followed by Hong Kong in 5th place (109.5) and Seoul, ranked 7th (104.1). Chinese cities, though still relatively expensive, have dropped in the rankings, as the Chinese currency is pegged to the US dollar and has therefore been affected by its depreciation. Beijing is at position 11 (score 101.1) followed by Shanghai in 16th place (95.3).

 つまり中国が躍り出てこないのは対ドルのせいという面がある。ここでも通貨がポイントのなのだが、常識的に社会インフラのリスクを算定すると、そうかなぁ?という感じもする。もっともそれを言うなら東京には震災リスクがあるが。
 生活コストは貧富にも関係する。この調査はニューヨークを基準としているが、北米の都市は概ね上位にはこない。単純に考えれば、チープに住めると言うことなのだが、多分に貧富差のセイフティネットなのではないかという気もする。EUにもそのような印象を受ける。北米もEUも別の側面で農業国の顔を持っているというのも、こうした国内の庶民生活のバックボーン(農産物が安ければ取りあえず食っていける)として影響があるようにも思われる。

|

« 異性化糖でデブになる? | トップページ | 日本の野球を変えてくれ »

「社会」カテゴリの記事

コメント

finalventさん、こんにちわ、

50位までの都市をみても、なんかあまりなぜこの順番か理解できないですね、確かに。経済的な反映というだけではないですし、人子密集というだけではないですし...何か違和感を感じます。

投稿: ひでき | 2004.06.15 11:46

finalventさん、こんにちは。
東京が果たして、老人だらけの都市になるかどうか。多摩ニュータウンなどで、もっとも初期に開発された貝取団地というところがありますが、ここなど、たしかに高齢単身者の割合が非常に高いです。5Fまで高齢者が昇り降り、という所帯がたくさんあるらしいです。ところが、公団も少しは賢くなっていて(?)、比較的新しいところは、賃貸領域も増やしているので、「高齢になる→家賃が払えなくなる→出ていかざるをえなくなる」という仕組みもある程度作ってあるようです。

高齢者を移動させるという比較的新しい仕組みもあるために、ニュータウンの区画ごとに、最終的な老人比率は変わってきそうな感じ。

投稿: miyakoda | 2004.06.16 07:01

miyakodaさん、ども。高齢者を移動させるっていう仕組みはちょっと怖いですね。いいヒントになります。ちょっと関心もって世相を見ていきたいと思います。

投稿: finalvent | 2004.06.17 18:28

これを伝えるCNNのサイトに、
上位三都市(東京、ロンドン、モスクワ)のいずれに住みたいかという、オンラインアンケートがありました。

愛国心があるので、日本に入れておきました。
中間結果では、ロンドンが8割弱、東京18%残りモスクワでした。

元々の発表だって、イギリス人の駐在員が、イギリスでやっていたレベルを落とすことなく暮らすためのコストをランク付けしたわけで、その国の人の生活がどうこうというわけではないはずです。

日本人が暮らすためのランキングを、発表して対抗してほしいものです。

投稿: Sao_Paulo | 2004.06.19 02:11

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 東京は今年も世界で一番生活コストの高い都市:

» べき乗の法則と首都圏経済白書 [HPO:個人的な意見 ココログ版]
つい先日、政府から平成15年度の「[続きを読む]

受信: 2004.06.15 11:28

» 縮み時代の始まり--歴史の変曲点にきた日本を考える [Think negative, act positive]
1.29という数字はあくまで平均値でしかありません。しかも、地方の状況やベッドタウンの状況をみると、出生率だけの問題ではないことが、はっきりとわかってきます。 ... [続きを読む]

受信: 2004.06.15 20:34

« 異性化糖でデブになる? | トップページ | 日本の野球を変えてくれ »