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2004.06.07

米の研ぎ方・飯の炊き方

 身近な者が、「米はあまり研いではいけない」といった話をしているので、なんとなく聞いていると、どうにも馬鹿なことばかりいうので、つい「その馬鹿な話はどこから聞いてきたのか」と問うと「あるある大事典」らしい。この番組は私はまれにしか見ない。まだネットにサマリーは出てないので、馬鹿話がその番組どおりかわかからないが、米の研ぎ方・飯の炊き方について、以前ネットで試しに調べて唖然としたことがあったので、実践的な方法を書いておくのもいいのかもしれない。というわけで、書いておこう。
 と、人の方法を馬鹿だのぬかすわりに、以下の方法が正解というものでもない(この手のことはそんなものだ)が、私はこれで通していてなんら問題ない。私が食っている飯よりうまい飯にありつくこともあまりないので、これでいいのではないか。なお、米の話は今日はあえてしない。
 まず研ぎ方。研ぐには木桶がいいようだが、なければしかたない。いわゆるボウルでもいい。ザルは用意する。ザルも竹のがいいのだが、なければしかたがない。ボウルとセットのザルでもいい。
 ボウルに米を量って入れ、これに水をたっぷり入れて、さっとさっと手で米を回し、白濁した水を捨てる。表面的な汚れを落とすわけだ。この作業を素早く行う。20秒くらいか。そして水をしっかり切る。
 次に研ぐのだが、これはそう簡単ではない。が、ようするに、米粒と米粒を適度な力で摺り合わせることを念頭に置けばいい。米粒が刷り合うときに、余分なぬかが落ちるのだ。ある程度力を入れないと研げないが、腰を入れてみたいに押し付けて研ぐことはない。もむ感じでよいと思う。これが1分ほどか。米に水を吸わせないように素早く行う。この時、米粒が割れているなら、失敗。やりすぎ。
 そしてこの状態で水をたっぷり入れ、先ほどのように回して水を切る。先ほどより白濁した水が出る。これを捨てて、もう一度同じことを繰り返す。このとき、水が少し白濁するかなという程度ならよし。水が透けるまで研ぐことはない。そして、ザルで水をしっかり切る。
 そして20~30分置く。ザルがまがいものなら、下にべちゃっと水気が残らないように気を配ること。この間、料理の下ごしらえでもしろ。
 次に炊き方。用意するものとしてはキッチンタイマー。それとできれば、お櫃があるといい。というか、お櫃は是非薦めたい。最近は3合くらいので檜のいいお櫃がある。鍋は蓋ができれば取りあえずなんでもいいが、できれば、肉厚の鍋がいい。蓋も重みのあるほうがいい。
 さらっとした米を適当なサイズの鍋に入れ、水を入れる。米に加える水の量は1.2倍。というか、米と鍋がよければ同量くらいでいい。蓋をして、がーっと強火にかける。ここが勝負だ。難しいのはここだ。米の量や火力にもよるが5分ほどで、ぶほほっと吹き上がる。このぶほほっとくるのがポイントだ。多少吹きこぼれてもいい。米のほうでもやる気満々じゃねーかというのを見て、吹きこぼれない程度の中火にする。中火よりやや弱くてもいい。この中火を5分。タイマーを使え。
 そして、中火5分が経過したら、とろ火5分。これもタイマーを使え。とろ火タイムが終わったら、火を消して、蒸らし10分。なお、5分で二回に分けるのがメンドイなら、ぶほほぉから弱火10分でもなんとかなる。
 10分たったら、お櫃に入れる。終わり。だが、お櫃がなければ、しゃもじで米の天地をかき回す。火が強すぎると、少し焦げることがあるが、そのあたりの調節は、1週間もすれば慣れる。

cover
今さらながらの和食修業
 以上で終わり。言葉にすると難しいし、慣れないとコツが掴めない点もあるのだが、くどいがやっていればわかる。とにかくやること。これで、炊飯器とは一生おさらばである。慣れれば、意識を入れるのは、最初のぶほほっの瞬間だけだ。あとは、ほとんど手間でもない。
 と偉そうに書いたが、このやりかたは、「今さらながらの和食修業」に掲載されている手法をまねたもの。同書は私がお薦めする料理本のなかのベスト5に入る。っていうか、できたら、文庫じゃなくて写真の多い、「今さらながらの和食修業 Maple book」のほうがいい。この本の料理ができる女がいたら、阿川佐和子のように嫁にいく必要はないだろう。

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コメント

研ぎ方については、俗にいう『拝み洗い』が良いと料亭に丁稚に行っている友人から聞きました。確かに力の加減は具合良くいくような気がします。

投稿: Mk | 2004.06.07 15:32

飯の炊き方に関してかなりのポイントは、米に水を吸わせるのかしないのか、にあると思います。「あるある大事典」は無視するとして、米の素性、特に刈り取ってから脱穀精米し供用するまでの過程で替わってくると思います。

極端な話、湯から炊のが一番「ウマイ」結果になる場合もあるそうです。(これは未体験、伝聞です)

投稿: 久立珍重 | 2004.06.08 12:03

久立さん、こんにちは。湯炊きについても、ブログで紹介した本に解説があります。こちらは、寿司のシャリ向きです。実はやりかたはまったく同じです。うまさは、けっこう米の問題がありますね。

投稿: finalvent | 2004.06.08 18:17

お前の研ぎ方は「あまり研いではいけない」内に入らないのか、人まねを偉そうに語っている低レベルな頭でよく考えろや。

投稿: _ | 2006.02.20 14:41

ああ、凄くいいこと書いてありますね。
自分も20歳の砌に鍋の米炊きが常態化してました(ふつうにうまいし、下宿の電気使用量の問題もあって)。そのうち色んな鍋とか(中華鍋他)、炊く量もmin~maxまで試してみたり。
いつからこういうことやらなくなってきたか、自分でも分からないのですが、もしかしたら金ができて外食が増えてからかもしれません。
ちなみに沸騰して中火ないし弱火に移行する直前に、しゃもじで鍋の底を掻くようにかき混ぜると底に米がつかないとか色々よい効果がありました(趣旨はちょっと違うけど、この辺はパスタの最初の部分と同じ)。
あと、沸騰までの5分がもったいない、という拙速GUYSは熱湯から炊き始めるとよいです。それでもまあふつうに食えますよ(実証済み)。
あと、私も拝み洗いしてますがこれはアグネス・チャン氏から教わりました(CMで)。

投稿: かしわ | 2007.11.01 14:23

非常にわかりやすいですね。
方法はほぼ同じでしたが、自分にとって米の炊き方の良いまとめに成りました。
最近は無洗米も普及していますが、お米を研ぐ時・炊く時の楽しみも味わっていきたいと思います。

投稿: | 2012.02.28 23:29

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finalvent氏を真似て鍋でご飯を炊いてみる。結果、これで$20足らずの rice cooker とはおさらばです。多分。水がほんの少し多かったようにも思い... [続きを読む]

受信: 2004.08.04 10:48

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受信: 2008.03.23 19:17

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