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2004.05.01

人質会見に私は落胆した

 昨日のイラク邦人人質事件被害者の会見を見るためにテレビを付けた。見て、落胆した。この人たちは、テロリストのシンパなのだと思ったからだ。テロという人間の尊厳に対するもっとも卑劣な行為を憎むことができないのだ。それが心的障害による譫言だと信じたい。が、たぶん、そうでもないのだろう。他にも報道番組を見たが、私のように落胆している人の姿はなかった。むしろ、この会見を好ましくみているかのようだった。こうしたテロリストのシンパが私の同胞であり、このテロリストのお友達とともに、日本国はテロとの戦いというこれからの世界に向かうことになる。内憂外患というにはすまされないものを感じた。
 会見ではこうあった(参照)。


 --彼らについて
 レジスタンスだと思う。ファルージャの町を自分たちで守ろうという自警団。彼らは外国人を拘束しメッセージをああいう形で発信することしかできない不器用な人たちだった。まとまりはなかった。よくけんかしてましたから。

 人質だった人だった三人も日本に帰国して日が経つのだから、この間、同じような状況で殺害されたイタリア人のこと知っているはずだ。どう思うのだろうか。イタリア人人質を捕らえたグループはテロリストだが、日本人人質を捕らえたグループはレジスタンスということなのだろうか。そこまで詭弁はできないだろう。日本政府が尽力したから、日本人の命が守られたとのだと私は思う。
 いや、これには反論があるのか、曰く、自衛隊撤退のデモ行進が彼らの命を救ったのだ、と。それは、詭弁でも冗談ではない。それは、テロに屈するということだ。
 北朝鮮は、日本人を数多く誘拐した。下校途中の13歳の少女も誘拐した。テロである。これに「彼らは外国人を拘束しメッセージをああいう形で発信することしかできない不器用な人たちだった」と言うのだろうか。そんなふうにテロに屈していいのだろうか。冗談ではないと思う。テロリストは擁護することはできない。人間の尊厳に対するもっとも卑劣な行為だからだ。
 テロリストの認識が難しというなら、近代戦では、民間人を巻き込んではいけないという原則くらいは知っておくべきだ。
 事件の真相は会見からではわからなかった。人質たちの知らない真相というのもあるかもしれない。狭義に見れば、部分的には、狂言であることは明らかになった。日本国民は、人質の命を心配していた。が、会見からわかった事件の様相では、最初から人命は保護されいた。これが狂言でなくしてなんだというのだ。広辞苑を引くに、狂言の意味はこうだ。「うそのことを仕組んで人をだます行為」。用例に「狂言強盗」。

 --自作自演とか演出ともいわれているが
 あのビデオは、演出というより命令。あのような状況で否定できますか、みなさん。命の保証はされてましたが、いうこときくしかない。

 そう問われたら、私とても、「イタリア人の死に様を見せてやる」というほど腹が据わっているわけではない。なるほど、演出してくれと言えば、そうしたかもしれない、とは思う。が、私はこれは不自然な言い訳だと思う。私なら、「あの状況ではしかたがなかったし、映像が日本に報道されているとも知らなかったが、あの演出で日本国に心配をかけることになったのは恥ずかしい」と言うだろう。ついでに私の感想だが、撮影の前には饗応があったようだが、それも不自然だと思う。演出などせず、そのまま脅して撮影し、それが終わってから、実はこういうことだった、すまない(ソーリーソーリー)というのなら、わかる。
 ただ、演出して作ったものだから、日本国政府側は見破りやすかったのだろう。テロリストの要求である自衛隊撤退を早々に拒絶したのは、原則を貫いたというより、テロリスト側より日本国政府のほうが一枚上手という知恵比べだったわけだ。しかし、今後はそんな呑気な事態ではすまくなるだろう。
 警察側としては、ある程度満足のいく事情聴取はすでに完了しているだろう。そう見れば、認定された事件としてはすでに終了している。だから、事件の真相を自作自演とするのは、無理がある。私の言い方では、事件の全貌を狂言だというには無理がある。が、私は依然疑いを持つ。
 事件の全貌が、「自作自演」かどうかはわからない。が、今回の事件で、とくに2ちゃんねる系の意見は「自作自演」という言葉に自縄自縛になっていたように思う。その言葉を踏み絵にすれば、「自作自演」という説を押し通すのは難しくなるだろう。
 言葉による自縄自縛といえば、「自己責任」も似たような始末となったように思えた。「死ぬ覚悟でイラクに行きましたか」と問えば済むだけのことにしか私には思えない。彼らがまたイラクに行くというなら、日本国と日本人に迷惑のかからない計画を立てて貰いたい。

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「社会」カテゴリの記事

コメント

彼等はまだ自分らがどこの立場にいるか「しょう握」できていないのではないかと。
ボランティアが正しい。という段階ではなく、とりあえず心配掛けたこと、税金が多額に投入されたこと、そのことに関しての責任はなんたるか?ボランティアの目的云々より先に「しょう握」すべきなのに・・・。

投稿: 名無しより愛を込めて | 2004.05.01 10:01

こんにちは。

なんか違和感があったので、ちょっとコメントです
(批判とかそういうのじゃないです)


最初に・・
ぼくがこのひとたちの立場だったら、たぶん「レジスタンス」的言明をしたように思います

というのも、
以前に安全保障とかテロの研究をしていた友人がいまして・・
そのときに「テロってのが構造的矛盾から生じる」ってことについて聞かされてて、“テロリスト”(敵)という視点からだけでは彼らのことを見れなくなってしまっていたからなんですが..

(なので、こういうレジスタンス的視点、については彼らよりも先にもってました)


で、
そういう見方自体が「甘い」ということは承知しております。
ただ・・・個人的に根本的に甘いところがあるので...どうしてもそうなってしまうのか、と思いますが...

もちろん、国際的な常識として「テロの要求は飲んではならない」ということは分かっている(つもりな)のですが..


やっぱ割り切れない面があって・・


人質になった彼ら・・というか、特に今井さんの場合は、そういう「レジスタンス」的事情というものを初めて知ったので、感情移入しやすかったのではないか、と思っています

なのでストックホルム症候群ともちょっと違うのかなぁ、と..
(いや、こういうのをして、ストックホルム症候群というのかな?)


まぁ、要するに「甘い」ってことですが・・

・・・・そんなもんなんじゃないでしょうか?

(ってそれじゃ国民(一部)の怒りは収まらないのでしょうが・・(^^;))

投稿: m_um_u | 2004.05.01 10:34

あ・もちろんテロにもいろいろあるから...
「全部のテロを救え」、とかいうわけにもいかないのだろうけど...


そして・・
テロってのはルール違反ですからね(どうやっても)


彼らの場合、その辺りの認識はゆるいな、とは思います


投稿: m_um_u | 2004.05.01 10:36

m_um_uさん、ども。事態の評価ではなく、m_um_uさんの率直な感性は評価したいと思います。また、国民の怒りもどうでもいいかなとは思うのです。それはそれとして、

>以前に安全保障とかテロの研究をしていた友人がいまして・・
>そのときに「テロってのが構造的矛盾から生じる」ってことについて
>聞かされてて、“テロリスト”(敵)という視点からだけでは彼らの
>ことを見れなくなってしまっていたからなんですが..

なのですが、それは、私も少しわかる気がするのです。ただ、そこがすでに現代社会の分析からズッコケているかなと思うのですよ。コメント欄なので端的にいうのですが、その「テロ」っていうのは、センデロルミノソみたいなイメージだと思うのですね。でも、9.11はどうやらそういうモデルはないと私は考えをシフトしています。

また、テロとの戦いというのを、私はどっちかというと、警察力の範疇に見ていたのですが、これもそういうことでもないかもしれないと考えています。

ちなみに、「テロリスト」と「構造的矛盾」でぐぐると、こういうのが出てきた。
http://www004.upp.so-net.ne.jp/tsutsui/lecture/criminal/cr09.html
--------------------
民族:たいていは多数派民主主義による少数民族の不当な抑圧が基底にあるが、オクラホマ連邦ビル爆破事件の犯人はミリシアと呼ばれる人種差別的な組織の一員であり、人種平等への反感を抱いていた。
宗教:オウム、アルカイダなどは、様々な宗教原理主義を標榜している。
経済:国際的な貧富の格差がほとんどあらゆるテロの温床となっている。
環境:1996年に逮捕された通称「ユナボマー」(本名テオドア・カジンスキー)は山中で孤独な生活を送りながら18年間にわたって郵便爆弾を送り続け、3人を死に追いやっている。彼がよって立ったのは、反テクノロジーという思想であった。
企業:南米コロンビアなどでのテロは、北米の大企業による搾取を糾弾するものであった。また、悪質なクラッカーによるサイバーテロはコンピュータやインターネットの世界をビジネス化しようとする企業に対する攻撃という側面を持っている。
--------------------
 これが典型かどうかわからないし、非難めくのですが、端的に言って、これって「構造」なのでしょうか。
 構造の一番の基底は、経済だと見ていいかと思うのですが、それは何か? つい、貧困って考えたくなりますよね。この例でもそうですが。しかし、イスラム原理主義的なテロは貧困がベースではありません。ファルージャのテロリストについても、貧困というには、無理があります。
 ちょっと話を端折るのですが、「貧困」から「構造」が規定できないなら、その「構造」って何でしょう?

 私が答えを知っているというわけではないのですが、率直に言って、テロの理由を「構造的矛盾」というのは、10年くらい前の左翼理論の残骸のように思えます。

投稿: finalvent | 2004.05.01 10:50

ご意見興味深く拝見しました。しかし、なおよくわからないところがあります。

>テロの理由を「構造的矛盾」というのは、10年くらい前の左翼理論の残骸のように思えます。

それはよくわかりましたが、しかしだからといって今イラクでテロ、誘拐などが行なわれているのを、単なる「吹き上がり」ってことで、何の構造的原因もないと断定してしまっていいのかどうか? ここが証明できないのなら、一方的非難は控えるべきでしょう。

ところで今こういう問題が出てきてますね。

http://www.antiwar.com/news/?articleid=2444

まだ日本のメディアでは大きく取り上げられてないようですが、「イラク問題」としてはやはり同列に扱っていただきたいですね。

投稿: maop | 2004.05.01 11:08

イタリアでのテロ犯要求による「デモ」は無言だったそうです。
人質命乞いと全く卑怯野蛮に対する抵抗のギリギリの妥協点かと、その苦悩が察せられます。今回はイタリアを見直しましたです。同じ半島根性ですぐコケルかなとか勘違いしてましたもので。

戦闘員と民間人との区別ができなくなるテロとかゲリラ戦法は、民間人を盾にする卑怯卑劣かつ違法なものです。「妄信する目的のためには手段を選ばぬ」という点では、彼らとその家族及び応援団と、同じ類の方々でしょうね。

投稿: shibu | 2004.05.01 11:18

shibuさん

>戦闘員と民間人との区別ができなくなるテロとかゲリラ戦法は、
>民間人を盾にする卑怯卑劣かつ違法なものです。
>「妄信する目的のためには手段を選ばぬ」という点では、
>彼らとその家族及び応援団と、同じ類の方々でしょうね。

これは今回人質に取られた方及びそのご家族を「テロリスト」と同様に扱う発言ですね。これはかなり問題のある書き込みであると思われます。管理人様に適切な処置をお願いしたいと思います。

投稿: (anonymous) | 2004.05.01 11:27

moapさん、こんにちは。少し誤解があるかと思って、コメントします。

>何の構造的原因もないと断定してしまっていいのかどうか?
> ここが証明できないのなら、一方的非難は控えるべきでしょう。

構造がない、とも思ってません。構造を規定するのは一義的に経済だろうと考えていますがその基軸が「貧困」ではないだろう。というだけです。また、「構造がない証明」は原理的に無理なように思えます、というのは、構造とは説明モデルなので、説明に従属するだけです。

もう一点、Abuse of Iraqi Prisoners について、実はこの映像をここまで見る気はなかったのですが、リンクを辿ってスチルをいくつか見ました。まず、印象を言うと、これって米人がよくやるギャグというか、大学のイニシエーションとかでもやるアレだなという感じです(やったことないですか?)。

もちろん、この映像がギャグだと考えているわけではありません。というのもブッシュが正式に動いているからです。

Bush Denounces Abuse of Iraqi Prisoners by US Soldiers
http://www.voanews.com/article.cfm?objectID=BE282360-DBBA-446E-A839076660C659E5&title=Bush%20Denounces%20Abuse%20of%20Iraqi%20Prisoners%20by%20US%20Soldiers
 “I share a deep disgust that those prisoners were treated the way they were treated. Their treatment does not reflect the nature of the American people. That is not the way we do things in America and so I didn't like it one bit,” Mr. Bush said.
 President Bush said any U.S. soldiers involved do not reflect the character of the men and women sent to Iraq.
 “That is not the way the people are. It is not their character that are serving our nation and the cause of freedom. There will be an investigation and it will be taken care of.”

米軍もすでにこれが軍規に違反していることを認識しており、取り締まるはずです。

詳細はわからないのですが、正規軍がこれをやるかなという疑問はありますね。米勢力側には傭兵が2万人加わっています。これが傭兵なら、イラク問題として扱う意義があると思います。

投稿: finalvent | 2004.05.01 11:42

たまたま来ました。
レベルの高い文章を堪能させてもらい楽しい時間を過ごさせてもらいました。
さてさて「テロが構造矛盾から起こる」という話ですが
「構造」を明確に定義することは不可能なのでは?ケースバイケースなのではないでしょうか?
あえて言うならマジョリティーに対するマイノリティーの反逆ってところでしょうか?どうしようもない力の差に弱者がやけくそになって反発をするのがテロなのではないですか?

今回はアメリカの軍事力に対抗したいが、どう考えても出来ないイラクの人がやけくそでやったこと。結局怪我一つなく帰ってこれたし、動機になんとなく同情できた(イラク人の手で新しいイラクを作りたいという若者の気持ち)ことから、テロではなくレジスタンスというやや肯定めいた言葉を用いて擁護したのでは?と思うのですが。
ベトナム戦争でアメリカ軍に対してゲリラ戦法で対抗したベトナム人と同じようなものと私は考えております。
戦争のルールを守らずゲリラ(テロ)なんてズルイ、正々堂々と戦えって言っても、正々堂々と戦える相手でもないわけですし。ルールにのっとってる方が正しいとも限らないわけですから。
私はテロを行った信念の部分に共感できるなら、なんか許せてしまうのです。
古臭い左翼思想なのかもしれませんが。

投稿: morris | 2004.05.01 11:49

慣例上、匿名コメントはanonymousとします。

>管理人様に適切な処置をお願いしたいと思います。

という件、ブログの運営という点での回答です。これまで、「死ね糞きちがい」というのコメントをいただいたこともあるのですが、SPAMを整理するという以外は削除していません。中傷されたのが私ですので、私の度量の範囲で対処を考えます。この件については、shibuさんから削除依頼なり訂正依頼がなりがあれば、受けます。

明白な中傷に当たる場合は、運営の対処が必要です。

が、「同じ類の方々」の「類」は、私のブログでの「シンパ」の同義に思えます。つまり、直接、「テロリストだ」と断定したわけではないとりますので、直接的な中傷とは判断しません。

投稿: finalvent | 2004.05.01 11:50

思ったことを率直に書かせていただきます。

テロリストという言葉の範疇が難しいと思うのですが、例えば9.11に遡って考えると、私も彼らの行動がテロという言葉が最も適切だったのかというのは本当に微妙なところだと思わざるを得ません。

無論、民間人を巻き込んだこと(というよりは民間人のみを狙ったこと)、は許すべきではない行為であることは疑いがなく、そのあり方はテロ以外の何者でもありません。

しかし、あの映像を見るたび、あそこまで彼らを仕向けたものというのは一体なんだったのか、考えざるを得ないこともまた事実です。個人的には彼らの行動はテロではなく、あれはゲリラ戦法を用いたアメリカへの「反撃」だったのではないかと思うこともあります。

多くの日本人が、例えば麻原彰晃のテロとアルカイダのテロを同列に扱ってると思うのですが、それは言葉こそ同じであれ、その本質は根本的に異なるものだと思います。

そこまで彼らを追いつめているものは一体何なのか、それを考えずに用いられるテロ及びテロリストという言葉は余りにも曖昧で、一方的ななものだと思うのです。

こんなことを言えるのは平和ボケしてるからかもしれませんが、しかし、この戦争の先に何が待つのか、それを考えると恐ろしくてなりません。

乱文、失礼いたしました。

>名無し様

Shibu様の発言には事実関係の確認が取れていない以上、私も賛成もしませんが、発言自体は言論の自由の範囲で問題はないのでしょうか。

投稿: placode | 2004.05.01 11:59

placodeさんの意見に賛成。
テロ=絶対悪
とは言い切れないようになってしまっている。
だから今回のテロ的行為をやや擁護することはテロ行為全てを容認することにはつながらないだろう。
だから今井君がレジスタンスとやや肯定的な言葉を用いたことに対しても理解できてしまえるんです。

投稿: morris | 2004.05.01 12:13

それから、傭兵なのか、正規兵なのか真偽の程は確かではありませんが、米兵による拷問について海外ではこちらのサイトの写真が話題になっています。

http://www.albasrah.net/images/iraqi-pow/iraqi-pow

投稿: placode | 2004.05.01 12:14

あ・placodeさんの意見に賛同しつつ、今回の会見に対する感想みたいなもの・・

ってか、ちょっとひとの書いたもの借りちゃうんですが..(いや、みつちゃったので..)

ぼく的にはこんな感じです(↓のコメント欄のとこ)
http://www.janjan.jp/government/0404/0404303843/2.php


つまり、
「何であの時機に行ったの?」ってとこが一番気になってたんですが、それは誰も突っ込まなかったみたいで...

(その代わり、今井さんが立ち去るときにくだらない罵倒が飛んでいたみたいですが..)


んで、自分的なまとめとしては
「テロをやるやむにやめられぬ事情はやっぱ気になるけど、法は法だしなぁ・・」
って感じです

(でも、それ言っちゃうと、「法のことなんか気にしてられないほど切羽詰ってるんだよ!」、って意見がくるんだろうけど、それは置いといて・・)


あと、<テロの要因としての構造的矛盾>、に関してですが..

これは・・さすがにちょっと一言では表せないので...控えさせてもらいます m(_ _)m

(※やっぱ経済を機軸とした複層的要因だと思うのですが..心理とか環境とかいろいろ絡むし、フィールドワーク的なことやるにしてもキツイし......ああ、ムズイ..)

投稿: m_um_u | 2004.05.01 12:58

匿名で申し訳ありません。

この事件が終わった(と思える)今、私には2つの疑問点があります。

1)この事件で「損」をしたのは誰(どの存在)か。
2)事件前の1週間、某外相が頻繁にイラク入りしていたのはなぜか。

果たして一般認識上の「テロリスト」が存在するかも疑問に思えるのは私だけでしょうか。政治に使用されるフェイクを、テロリストと呼ぶことができるのでしょうか。

投稿: (anonymous) | 2004.05.01 13:16

>狭義に見れば、狂言であることは明らかになった。
>日本国民は、人質の命を心配していた。
>が、会見からわかった事件の様相では、
>最初から人命は保護されいた。
>これが狂言でなくしてなんだというのだ。

う~ん、ちょっといくらなんでもこれは拉致された彼らに酷なんではないでしょうか。今こう言い切ることが出来るのも、結果論でしかないような気が致しますが・・・。

投稿: わお | 2004.05.01 13:26

 テロリストはテロリストとなるべくしてなったわけではなく、構造的矛盾によるという点は、それはそれで非常に重要であり、中東和平というときには、根本的な問題だと思います。誰がそう追い込んだのか、何が長い間戦闘地域(厳密ではない)としているのか、その戦闘を影で支えてきたのは誰か、そもそも領土の区切りがおかしく、多民族が共存できないようになっているのではないか、etc. でもこの問題は別に扱うべきでしょう。便宜上じゃなくて、この人質会見に対する反応として扱う問題ではないはず。お門違いだと思います。
 仮に、3人の人質が殺されていたとしても、「彼らは外国人を拘束しメッセージをああいう形で発信することしかできない不器用な人たちだった」といえるのでしょうか?たまたま助かっただけなんでしょ?(広義狂言でなければ) イタリア人は現に殺されているのに冗談じゃない。良いテロリストと悪いテロリストを分別しろとでも言うのですか。めちゃくちゃな話です。外交官二人がうかばれません。

投稿: いちげんさん | 2004.05.01 13:32

>わおさん

「拉致された・・・」と言い切るのもおかしいと思います。

投稿: いちげんさん | 2004.05.01 13:40

この事件、犯人グループをテロととらえるかレジスタンスと思うかで当初から主張が分かれましたね。レジスタンスととらえる人は、自衛隊撤退=人質救出の図式に抵抗を感じることはなく、いやテロはテロだと思う人は自衛隊撤退と人質救出は切り離して考えなければならないと思った。マスコミは最初どちらかといえば後者だったんだけど、家族が自衛隊撤退を要求して家族へのバッシングが起こるとぶれ始めます。家族の気持ちは分かる、という言い方で筋論は棚上げされ、そもそも自衛隊を派遣した国が悪いのだとやりだした。しかし何をどう言ってもやることに変わりはないわけです。自衛隊は撤退せず、人質の救出に全力を尽くす。これしかないことは最初からわかっていた。つまり「テロには屈せず」。レジスタンス派は少数であり世論を形成するには至らなかった。
しかし当の被害者(とその家族及び支援者)がレジスタンス派であることはこれも早い段階から明らかだったので、自作自演説まで飛び出すわけですが、証拠があるわけじゃなし、たんに心情的に犯人グループと志を同じくするからといって助けなくていいって法はなく、やっぱりやることに変わりはないわけです。
で、この「やることの変わりなさ」をはっきり示すことが国としてはまず大事だったんで、本人たちがどう思うかはあまり重要ではない、というか、その「思い」は無効にした方がいいと思うんです。これは、家族の言に「思い」以上の価値とか効力を認めないというのと同じ理屈です。ちょっとわかりにくいかな。
私は、何より三人の将来のために「おまえたちの命を救うために国は国策を曲げたんだぞ」という事実を残してはならないと
思いましたし、そういう責任のすり替えは卑怯なので避けられてよかったと思いますが、温情一本やりってわけではない。自己責任なんて言葉が一人歩きしていますが、人質に取られたら土台責任担当能力なんてないわけで、たとえ「心は同じレジスタンス」でもただの囚われ人だってことです。なんの責任も生じないというのは、温情でもあり、厳父による有無を言わさぬ押さえ込みでもあるということ。言い換えれば、「レジスタンスへの親和性」を黙らせるために助けたとも言える。まあ厳父にしては情けない発言が目立ちましたが……。
実は父(国)もぼろぼろで、今回テロリストと裏で交渉しちゃったわけですし、死人が出ればうろたえるだろうし、子どもは相変わらずロマンチック・フール(「彼らは不器用」だそう)だしで頭が痛いわけですが、でも仕方ないじゃないですか。彼らにも彼らの意地ってもんがある。彼らがどうかより、国は今後どうするか、だと思います。

投稿: T | 2004.05.01 15:43

>狭義に見れば、狂言であることは明らかになった。
これって「広義」の間違いです?
「狭義にみれば」というなら「狂言以外の何者でもない」というニュアンスだと思うのですが…。

投稿: typo? | 2004.05.01 20:46

 拉致や誘拐などで人質になり、極度の緊張状態を強いられた人間が犯人に感情転移するのは比較的よくあるケースだと聞きます。今回に関してもそういう部分は想定してあげないと気の毒だろうと思います。
 たしかにあの記者会見に関しては「バカなんだこのひとたち」と思いましたが。

投稿: boxman | 2004.05.01 21:34

typo?さん、ご指摘ありがとうございます。不適切な表現だと思いました。履歴を残し修正しました。

投稿: finalvent | 2004.05.01 21:41

郡山総一郎さん・今井紀明さんは、誘拐犯人グループをレジスタンスととらえていますが、その見方に同意するか、反対するかで、郡山さん・今井さんに対する評価も分かれますね。このblogでは、両方の立場の人が意見を交換していて、おもしろいです。

「てるてる日記」の「郡山総一郎さんと今井紀明さんの記者会見」からこちらのblogをリンクしました。
http://terutell.at.webry.info/200405/article_1.html

投稿: てるてる | 2004.05.01 22:35

>昨日のイラク邦人人質事件被害者の会見…(中略)…見て、落胆した。この人たちは、テロリストのシンパなのだと思ったからだ。テロという人間の尊厳に対するもっとも卑劣な行為を憎むことができないのだ。それが心的障害による譫言だと信じたい。が、たぶん、そうでもないのだろう。

まず、テロ(テロル)とは何か。考えたことがおありですか?テロとは価値判断を含む言葉です。攻撃される側からみれば、相手の実力行使は無法な恐怖(テロル)以外の何物でもありませんが、攻撃する側にとっては正当な実力行使なのかもしれません。

自由のための戦いといわれたフランス革命も、王党派からみれば、単なる人殺し=テロです。アメリカ独立革命も、当時のイギリス本国から見れば、植民地の跳ね上がりによる暴力=テロです。現に、ロシアや中国は、チェチェンや東ウイグルの独立派や反政府勢力をテロリストと呼んで、弾圧しています。現在、米仏の革命をテロと言わないのは、革命が成功して政権を取ったからです。

このように、テロという言葉が価値判断を含んでいる以上、「テロという人間の尊厳に対するもっとも卑劣な行為」だとは、一般的には言えないのです。人質事件を起こした武装集団をテロリストと評価するか、しないかも、純粋に主観の問題であることを理解すべきです。例えば、ロイター通信社は、人質事件を起こしたイラクの武装集団を「テロリスト」とは表現しません。同社の記事では、社の方針により、価値判断を含む言葉を、徹底的に排除しているからです。同社は、あの米国への同時多発攻撃でさえ、「terror attack」(本来は「テロ的な攻撃」と訳すべきものらしいが、日本語として座りが悪いので、日本語記事では「テロ攻撃」としているらしい)という表現を用いて、直接的にテロと断定するのを避けているのです。

事実を客観的に認識することと、これを評価することは別問題です。そして、評価について相違点があるのであれば、その評価の根拠の有無について、議論をすべきであると思います。もちろん、他人の評価を批判する前に、自分の評価の根拠(例えば、イラクの反米武装勢力を「テロリスト」と呼んで断罪し、その抵抗に正当性を認めない根拠は何か、など)から明らかにすべきでしょう。そして、反対意見を述べる者を精神障害にたとえて、その人格を貶めるかのような言動は、厳に慎むべきでしょう。

最近の中東情勢に関する議論をみると、評価の問題を認識の問題にすりかえ、自分の評価の根拠を明らかにしないまま、「反対意見はアホだ」といわんばかりの論者が目立ちます。ネット上では、なおさらかもしれませんが。しかし、これは、議論の深化を封じかねない、危険なことだと思います。

投稿: (anonymous) | 2004.05.02 04:53

慣例上、匿名のコメントはanonymousとしています。現状、匿名のコメントを拒むものではありませんが、所定の見解を述べるのであれば、話者のアイデンティティを表明していただきたいと思います。

>まず、テロ(テロル)とは何か。考えたことがおありですか?

コメント欄なので要点だけを簡単に書きます。

●テロリズムとは
「公安調査庁 『国際テロリズム要覧』 1993」:
「テロリズムとは、国家の秘密工作員または国家以外の結社、グループがその政治目的の遂行上、当事者はもとより当事者以外の周囲の人間に対してもその影響力を及ぼすべく非戦闘員またはこれに準ずる目標(注)に対して計画的に行なった不法な暴力の行使をいう。」
(注)非戦闘員またはこれに準ずる目標とは、一般市民(一般民間人のほか丸腰または非番の警察、軍関孫者も含む)のほか、人間以外の資産、建造物等も含むものと解される。

●テロリズムとゲリラの違い
「公安調査庁 『国際テロリズム要覧』 1993」:
 テロとの違いとしてゲリラは、
1. 戦争のしきたりに従って戦うものであること
2. 軍事的な正規軍に対する補助的なものであること
3. 非戦闘員には手出ししないこと
が挙げられる。

●レジスタンス運動とは
Wikipedia:
resistance movement is a group dedicated to fighting an invader in an occupied country. Tactics of resistance movements range from passive resistance and industrial sabotage to what would today be regarded as guerrilla (or guerilla) warfare and terrorism. Contemporary acts of a group that considers itself a resistance movement are usually condemned as terrorism by the government they are directed against, even when such attacks are directed against military targets.

●レジスタンス運動とテロリズムの関係は
Wikipediaの説明に添うとすると、レジスタンス運動に広義にテロリズムが含まれる。しかし、この説明では、反政府運動や軍に対する攻撃さえも、政府側からテロリズムと呼ぶことがあることに非難の含みがあり、そこからは、正規軍への抵抗は、テロリズムではないとの考えが読める。

●今回の人質事件の犯人はテロリストか、レジスタンスか
以下の理由で明白にテロリズムである。
1 公安庁のテロリズムの定義に該当する
2 軍的な規律を持たない、非戦闘員をターゲットにしている点でゲリラではありえない。
3 今回の行為は、正規軍への抵抗ないし政府への抵抗ではないのでレジスタンスではない。

●卑劣な行為か
非戦闘員に抵抗の手段を与えず、自己の目的のために殺傷しようとすることは、人間の尊厳に対する恐るべき侮辱であり、卑劣極まる行為である。

投稿: finalvent | 2004.05.02 07:15

横からすみませんが、書き込みさせていただきます。

では、↑×2 anonymous さんの提言される「価値観」というものについてはどうですか?この辺まで含めて考えないと、言葉の使い方の問題に終始してしまうと思うのですが。

私自身は漏れ伝わってくる現地の状況を考慮すると、人質事件を起こした犯人グル−プをテロ=絶対悪のように捉えるのはいかがなものか?と思うのです。人命や生活を奪われた現地の一般イラク人にとっては「アメリカこそテロリスト」という言い方になるのでしょうし。それを一概に「同調する必要のない悪である」というようにしてしまうのは、いやー何と言うのか、高い所から物を言っているように感じてしまうのです(あ〜、なんか、エラそうですんませんー)。

もちろん民間人を誘拐するのは違法ですし、ましてや殺害するなど言語同断です。しかしながら、実際にとった行動だけを取り出して是非を問うのは、今回の場合は片手落ちののではないでしょうか。米軍の行為そのものが、違法性がある(あるいは現地の人から見た場合そのように写る)可能性もある訳ですし。

とは言っても、今井君の「不器用な人たち」発言はさすがの私もコケそうにはなりましたが。。。(^_^;)

投稿: 通りすがり | 2004.05.02 08:22

通りすがりさん、どもです。

>「価値観」というものについてはどうですか?

率直なところ、質問の意図が取りづらいな、という感じです。[↑×3 anonymous]さんは、テロリズムという言い方は価値観によるのではと疑問を投げられているのですが、そのことへの返答は済んでいるかと思うのです。(すべての定義も価値観によるみたいなちゃぶ台替えしはナシですよ。)

>人質事件を起こした犯人グループをテロ=絶対悪のように捉えるのはいかがなものか?

このあたりが、私が日本の精神風土というのがよくわからないところです。テロリズムは絶対的な悪です。私が実は西洋的な考えをする人間なのかもしれないのですが、人を殺すときには、まず、名乗り(匿名はあまり好ましくない)、そして相手に武器を渡す。そうしないと人間の尊厳が守れないというのは議論の余地がないように思えるのです。テロリズムは人間の尊厳に対する最大の侵害です。(余談ですが、今回の事件ではテロリストたちは名乗っているといわばそうですが、アイデンティティが取れるわけでもありません。)

言葉なく命を奪うことは人間の精神性に対する最大の冒涜です。殺されたイタリア人が最後にイタリア人の精神性の高さを見せたことは、テロリストへの最後の抵抗です。このイタリ人は崇高であり、テロリストは卑劣です。

ただ、テロリストを生み出したのは、米軍側の非もあるのではないか? という議論はわからないではありません。例えば、ファルージャの掃討は虐殺と呼べるものではないか?という問いはありうると思います。

この問題は、率直のところ、私がわからない、ということに尽きています。事実がよくわからない上に、テロリストを排出する説明に今のところ説得されません。

米軍を支持する意図はないのです。私が理解できないというだけです。

やられたらやりかえすのは当然だ、というレベルは論外です。それなら、ゲリラ戦をやるべきです。テロリズムをやるべきではありません。レジスタンス運動の原義ともいえる、フランスは(例外はあるのでしょうが)、ナチス対抗にテロリズムはやってません。

ちょっと気になるのは、日本ではあまり指摘されないようですが、ファルージャ掃討戦は実はかなり巧妙になされているのではないのかという疑問もあります。結果だけを見ると、圧倒的な軍事力というより、手際がよすぎるという印象があります。

投稿: finalvent | 2004.05.02 09:01

と、言うか上にfinalventさんが書かれた定義によると、自分たちの目標達成のために非戦闘員までおおいに巻き込むような大兵器を使いまくっているアメリカも、立派なテロリストになると思います。実際、非戦闘員を巻き込んだ数じゃあ、アメリカが一番じゃないかな。広島・長崎といいベトナムの枯葉剤といい、今回のイラク戦争といい。
テロリズムだとノーム・チョムスキーが「『ならず者国家』と新たな戦争」で行っていた定義が非常に興味深かったです。
アメリカが定義している「テロリズム」をアメリカ自身に当てはめて、アメリカこそが世界最大のテロ国家だと淡々と立証していく過程が凄かった。
ファルージャの戦闘も、実態は民間人を巻き込みまくった大虐殺のようです。

テロリストがテロリストを非難しても、あまり説得力はないですね。特に非難する側のテロリストが、非難の対象に百倍するテロ行為を行っている時とかは。

投稿: はっくん | 2004.05.02 09:01

間違えて二重投稿しちゃいました。すみません。

投稿: はっくん | 2004.05.02 09:03

はっくんさん、こんにちは。

この問題は私はこう整理します。

アメリカはテロリストであるかですが、これは公安の定義をよく読んでください。私は該当しないと判断します。

アメリカは非戦闘員を巻き込んでいるの件ですが、これを私は「虐殺」と考えます。

そして、広島・長崎は虐殺だと考えます。はっくんさんはご関心ないのかもしれませんが、私はこれに東京大空襲と沖縄戦を虐殺に追加します。

ベトナムの枯葉剤については、実態がよくわかりません。ファルージャ掃討戦も実態がまだわかりません。

ここで、非難する意味ではないのですが、はっくんさんは、アメリカを特定の普遍の実体だと措定していますが、その措定によれば、解決は、アメリカ撲滅以外の選択はなくなってしまいます。それは思索のあり方の点で間違っていると思います。

理由は、私たち日本人はこの虐殺を遂行してきたアメリカを撲滅せず、アメリカを変えなくてはならないからです。

そのためには、アメリカという実体を非難するのではなく、アメリカがなした個々の虐殺を丁寧に扱う必要があります。虐殺を丁寧に扱うということは、そこに殺された一人ひとりの命を大切に思うことでもあります。

次に、これは私も今回の戦争で知ったのですが、正規軍による戦闘行為に巻き込まれる非戦闘員殺戮については、所定の許容が設けられていることです。これはちょっと意外でした。

チョムスキーについては、私はベトナム戦争のころからその論を追っています。途中滑稽なこともありました。沖縄レイプ事件ときは、彼名義のメールももらっています(無くしましたが)。コソボ戦のときもそうでした。日本人が、9.11以降、急にチョムスキーを読むのがちょっと不思議な思いもします。

投稿: finalvent | 2004.05.02 09:19

今回のイラク人質では、結果的に国はうまくやったなぁ、と皮肉な意味で考えています。

渡航禁止を国が決定することは、法律上難しい。その前提があるかぎり、渡航し、被害にあった邦人をサポートするのは国の義務です。一方、テロリストとまともに交渉してはいけない、というのも国の責任として常識です。義務と責任を両方考えて筋をとおす、というのはとても難しい(特に今の政府には)。

そこで結局、裏取引で人質を解放させて、「自己責任論」で人質をバッシングする方向になびかせたのでしょう。意図していたかどうかは分かりませんが、そこらへんはうまいなぁと思います。

結局、この構図はセカンドレイプと同じです(レイプ被害者、特に女性について「襲われるようなかっこうをしていたから襲われたのだ、おまえの自己責任だ」というバッシングが行われること)。世論としては、その事件が起こる背景や、本当の問題を考えるよりも、目先の弱者を叩くほうがやりやすいですから、このような集団心理にうまく乗ったものだと思います。

この点は日本大衆の非常に「えげつない」点だと思いますが、私の知る限り、女性学者・社会学者をはじめ、誰も指摘していないのが不思議です。

結果的に、人質をバッシングして政府の体面は保たれたわけですが、残念ながら政府にはテロに対する明確な姿勢が取れない、つまり、うろたえて結局は裏取引に頼らなければいけなかったという主体性のなさを、またしても露呈してしまったことになります。今更の感はありますが、これは一つのデメリットですし、政府責任であることをもっと意識すべきでしょう。

結局小林よしのりの言うように、政府は人質に死んでくれと言い、人質は死んでもかまわない覚悟でお互い筋を通して赴くべきだったのでしょうね。彼の言い方には抵抗がありますが、結果的にいちばんマシな意見かと。少なくとも江川達也が言うように人質はヘタレすぎ。死地に赴いてボランティアをする意気のある人間としては、もっと息巻いても良いと思います。

橋本治流に言えば、自立出来ていない未熟な子供が悪所でヤクザに拉致られてしまった。結果的に父親は示談金を裏ルート経由で払って救出。しかし父親には子供に対する愛と理解がなく、子供をうまく育てることもできず、その意志もなかったので、その借金を子供に負わせようとしている。そのような構図でしょうか。

投稿: hikaru (nankado) | 2004.05.02 10:52

 広島、長崎→反米みたいな話をいつも持ち出されますが、そういうのは懲り懲りな感じです。アメリカが正義の味方で、イラクが悪の枢軸、またはアメリカが帝国傲慢主義でイラクがいいがかりを付けれれた被害者みないな二極論ではなくて、お互いのどろどろした利害、駆け引きとか、思想、歴史上の経緯とかがあって、そういうところを見ていくことが建設的というか、みんなが知りたいところだと思うんです。(幼稚な文章ですみません)。
 自作自演でなければ、民間日本人を殺傷しようとした行為はテロでしょう?定義を持ち出すまでもないと思います。そこでアメリカのファルージャ掃討を持ち出して、あれよりマシだとか、そんな議論ではない。finalventさんの意見に重なってしまいますが、ゲリラ戦とごっちゃになっているように感じます。日本の町にアルカイダが旅客機を何機もつっこまれても、彼らはテロではない、彼らにはそれなりの理由があるんだ、なんて言い続けるつもりなのでしょうか?
 上記のTさんの意見に基本的に賛成です。3人の拉致被害者のことはどうでもいいというか、あの論理にいちいちつきあってたらいつまでたっても無意味な極論合戦になりそうで、反論する価値がないというか、もっとクリティカルなファクターがあるはずで、そういうものを考えていかなきゃなぁと思うんですよ。だからこういう極東プログみたいなところがあって、TV報道のような安直な結論にとても満足できないような人が実は日本にも多くいて、こういうところを見にくるんじゃないんだろうか、と。

投稿: いちげんさん | 2004.05.02 12:19

finalvent さん こんにちは。

私の質問の仕方がよくなかったようでスミマセン。
ただ、お返事いただいた内容を読ませていただく限り、十分意図は理解いただいていると思います。

>ただ、テロリストを生み出したのは、米軍側の非もあるのではないか? という議論はわからないではありません。例えば、ファルージャの掃討は虐殺と呼べるものではないか?という問いはありうると思います。
>この問題は、率直のところ、私がわからない、ということに尽きています。事実がよくわからない上に、テロリストを排出する説明に今のところ説得されません。

私もわかりません。本当にわかりません。
ただ、だからこそ「テロリスト=悪」というのはどうかな、というのが私の見解です。この辺は出発点の違いというか、何というか。。。
これ以上言うと、水掛論になっちゃいそうですね(^^;)

>米軍を支持する意図はないのです。私が理解できないというだけです。

同じくです。
恐らく本当に考えていかないといけないのは、この辺なんじゃないでしょうか。

>そのためには、アメリカという実体を非難するのではなく、アメリカがなした個々の虐殺を丁寧に扱う必要があります。虐殺を丁寧に扱うということは、そこに殺された一人ひとりの命を大切に思うことでもあります。

「虐殺を丁寧に扱う」というのは、「アメリカ=悪」と単純に図式化することではなく、実際に起こった出来事を客観的に検証し、現実的な批判を行うべき、ということなのでしょうか。

確かに何となく事態が総体としてしか見えない印象はありますよね。
「虐殺」が行われているのはほぼ間違いないのでしょうが、だからと言ってアメリカを糾弾すれば済む話なのかと言えば、その辺も私にはわかりません。

ただ、飽くまでも印象での話ですが、ナジャフでしたっけ、モスクに空爆を行っていましたよね。これはもう愚行もしくは意図された悪意としか思えないのですよ。安定的な統治を放棄したとしか思えない。。。
finalvent さんご指摘のファルージャの件もしかりです。

今後、統治が国連主導になると言われています。
これもどこまで額面どおり受取っていいのやら分からないところなのですが、とりあえずは状況を見守りたいところです。

何だか「わからない」だらけの物足りない書き込みですみません。これからも勉強を兼ねて極東ブログ、拝見させていたこうと思っております。

投稿: 通りすがり | 2004.05.02 12:21

私も落胆というより、何故か腹が立ちました。

はっきり言って私アメリカ大好きです(TVドラマや映画、主にショウビス関係、私服で音楽聴きながらの工場労働、アメリカンドリーム)などとたわいない事に関してです。

ブッシュ大統領の中絶問題については、当選した時から懸念していたし、もし自分が市民権持てるなら民主党だと思います。(それも特に深い意味はありません)

イラク攻撃がどうの、戦争反対などとは思ってないから平和主義者でもありません。

これを踏まえて頂いて、今回の騒動についてですが、郡山くんに関しては口をつむっていたらよかったのにというのが、正直な感想。
間違っても自信と信念を持ったジャーナリストなどと言って欲しくなかったです。

殺害されたイタリア人の人質に関しては、ご家族にはお気の毒としかいえませんが、あっぱれと思ったし、誇りと尊厳を感じました。

ちょっと前ですが、アメリカ人兵士(補給部隊)が4人くらい捕虜になった映像が流されて、女性兵士もいましたがその中の一人、?・ハドソンさんだったと記憶してるのですが、こちらに毅然と頭をあげて、挑戦するかのごとくカメラをにらみつけていたのが頭に残ってます。  補給部隊の兵士にもこんな根性のある人いるんだー、と。

もちろん私もそういう状況で反抗できるとは思いません(でも殺されるとわかっていたら、屈しないでいたいと言うのが理想です)

でも戦争というのが、究極の自分がでるものだということは想像できます。

特に今回の3人(後のおまけの2人も含めて)が戦争反対、自衛隊派遣反対、という立場にいたことがネックだと思うのですが、戦争、虐殺、ボランティアがどうのというのではなく、一人一人の道徳観、最低限の常識、それが欠如しているようにみえるから腹が立つのだと思います。

アメリカが悪いのどうのと言う人がいますが、100%素晴らしい国だなどとはいいませんが、今回こんな風に批判があがったのも、第一に報道が偏っていたし、米には政治家や時事問題を徹底的に茶化すコメディー系の番組(J・レノやコナン)やポリティカリー・インコレクト、ザ・デイリーショウがあるけど、日本には真面目な討論番組はあっても、ティーンを引きつける番組がない、間違いがあれば徹底的に叩かれる米に比べたら、今回の問題もうやむやになるのだと思うから腹が立つのだと思いました。

投稿: mockingbird | 2004.05.02 14:08

ども。初めまして。

 申し訳ありませんが、あんまり細かいところにこだわりすぎてませんか?

 テロルの語源は「粛清」です。自分と異なったものを暴力的に排除することです。

 ですから、主にテロルを使用するのは基本的には<権力側>であり昔はこれを<白テロル>と申しておりました。

 で昔は反体制=共産主義(はー古くさいですね。)なので反体制側の排除活動を<赤テロル>と申していたのです。

 戦争が軍隊をシビリアンコントロールし国の主権において行うテロルと考えてもらってもかまいません。


 レジスタンスっていうのは目的は解放だったり、追い出しだったりするわけです。粛清ではありませんね。自主政権運動とか独立運動ともいえる。

 あー。アメリカはテロ(独立戦争)で生まれた国なんですが、テロは絶対悪でしょうか?

 私はイラクでテロ(粛清)をしてるのはアメリカだと思いますが。どう見ても。

 ファルージャが正しいとは絶対言えないな。少なくとも。もっと方法あったもんな。

投稿: くまげん | 2004.05.02 17:54

いえ、東京大空襲も沖縄も追加すべきだと思います。それだけではなくニカラグアもハイチも付け加えるべきだし、何もアメリカだけではない。関東大震災での朝鮮人大虐殺、アフリカで独立運動が起こったときのヨーロッパの集団虐殺も。

これらをfinalventさんはテロではなく虐殺と言うようですが、それならなおさら悪いんじゃないでしょうか?

テロリストがテロリストを非難するのも説得力がないですが、虐殺者がテロリストを非難するんじゃ説得力云々を通り越して笑い話に近いと思います。

公安が定義したテロルではアメリカの行為はテロではないかもしれませんが、私はチョムスキーが採用している米軍マニュアルの定義や、何ヶ月か前の「世界」でダグラス・ラミスが使用していたテロルの定義の方を使いたいと思います。

けど最終的には、こういったことは言葉遊びに終始するもので、アメリカのやり口がとうてい認められるものではないという私の意見に変わりはありません(上でくまげんさんがおっしゃっていることに基本的に同意しています)。

だからと言って9.11のやり口も認められませんが、もし攻撃がホワイトハウスに行われていて、ブッシュやチェイニーなどの政府首脳だけが殺されていたら、私は拍手喝采したでしょう。「関係のない人間を巻き込む」という手口は私も嫌いなようです。

けど、上で他の方がおっしゃっていたように、「自分の身にテロが起きたとき、完全に無関係で罪がないと主張できるか」と言われると、それもちょっと自信がないです。
結局のところ私は世界でトップレベルの生活水準を享受しているわけで、それはかなり、いやほとんどの部分を途上国の人々の貧しい生活を踏み台として成立していると感じてるので(ウォーラーステインの受け売りですが)。
喜んで「テロ行為」の目的となることが出来るほど崇高でも自己犠牲精神に溢れてもいませんが、いざ被害にあったとき無条件でテロを全否定できるほど、自分が清廉潔白だとも思えない、といったところでしょうか。

あと、解決策としてアメリカを撲滅すべきだとは私は思ってません。日本人の方々はアメリカを変えられるなら、良い方向に変えるべきだと思います。だけど、選択肢としてアメリカの撲滅を選ぶ意外にないというまで事態がどん詰まりになったら(アメリカ人の全てがブッシュみたいになったら、ということですが)、その選択を取ることを真剣に考えるだろうと思います。ほとんど有り得ないですけど。

日本人の方々は、本当にもうちょっと自分に出来ることを考えた方がいいですよね。もっともっと色んなことが出来るはずなんだから。
あとは、日本人の方々がなんで最近チョムスキーを読み始めたか、でしたっけ。確かに考えてみると不思議ですね。流行好きなんでしょうか。西洋文明をいち早く取り入れたのも日本だし、福沢諭吉も西洋の風に早いとこ染まるがいいって言ってたなあ。

私自身は、ここ二、三年でこういった国際情勢に関心を持ち始めたに過ぎないし、チョムスキーやウォーラーステインなどをやっと読み始めたというだけなんですけど(^^;。

それに実は、私は日本人じゃないんですけどね。

投稿: はっくん | 2004.05.02 19:15

はっくんさん、どうも。後半に私ことfinalventの元文がついていて、はっくんさんのご意見と混同して見えるかもしれないので、その部分だけ、編集的に削除しました。ご了承ください。

内容については、私としては前回に加えるべきニュー・インフォメーションはありません。しいていうと、ウォーラステインの従属理論は、現代世界のシステム解析には古いなという気がします。同情的に言えば、古いわけでもないのですが、南米やアフリカといった第三世界はずっと悲惨な状態のままです(ブラジルは変わってきましたが)が、そこに世界のアキュートな問題が見えなくなっています、と、すると、話が長くなりますね。

投稿: finalvent | 2004.05.02 19:28

すいません、アキュートってどういう意味ですか?

投稿: はっくん | 2004.05.02 20:05

>はっくん
単語の意味ぐらい自分で調べれば?
アキュート
acute
[形]
1 (角の)鋭い, 先のとがった
2 <痛み・感情など>激しい
3 <感覚・才知など>鋭い
4 <事態が>重大な, 深刻な
5 <病気が>急性の
6 (比較なし)鋭アクセント(´)のついた, 鋭音の

投稿: 通りすがりの人 | 2004.05.02 21:04

はっくんさん、こんにちは。

>アキュートってどういう意味ですか?

acute problemやacute anomieのacuteです。

POD5thにある、coming sharply to crisis, not chronicとすると医学的ですので、sharp in effect, seriousですが、医学的な語感のほうが語感に近いでしょう。

投稿: finalvent | 2004.05.02 21:07

コメント欄でレス指定しちゃって恐縮なのですが…

>はっくんさん

>いえ、東京大空襲も沖縄も追加すべきだと思います。それだけではなくニカラグアもハイチも付け加えるべきだし、何もアメリカだけではない。関東大震災での朝鮮人大虐殺、アフリカで独立運動が起こったときのヨーロッパの集団虐殺も。

こう書かれると、つい反射的に
「じゃ共産中国のチベット併合時の虐殺や文革時代の虐殺、ソ連の30年代の大粛清や併合・占領した少数民族の圧殺も加えておきましょっか。ああそういえばポルポトの虐殺やらルワンダの虐殺やら第3世界のも色々とありましたな」
とフォローしてしまいたくなる私は意地悪なのでしょうか?

投稿: 申し訳ないですが匿名で。 | 2004.05.02 23:25

いえ、全然ありだと思います。別に先進諸国だけが悪逆非道なことをしてると言うつもりはないです。第三世界が連帯して先進諸国から一斉に独立するような(そして世界にいきなり平等と平和が満ちるというような)、スター・ウォーズ的に分かりやすい展開はないでしょう。だからと言って、今回のアメリカのようなやり口は認められないし、現在の世界の悲惨な状況は、歴史的に先進諸国が行ってきた帝国主義的政策(こんな言葉いまどき使わないな)にあると思います。

投稿: はっくん | 2004.05.03 04:04

「テロ」を否定したいなら、米英仏イスラエル等々の、列強とそれに準じる諸国家権力による虐殺だの拷問だのも否定しないと、二重基準ですわなあ。
そいつらに金を出したり後方支援だのをやらかす国だって、「一味」と見なされるでしょうよ。

投稿: ポポイ | 2015.01.21 19:12

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