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2004.04.28

今日は沖縄デー

 読売新聞社説「主権回復の日 『戦後』はこの日から始まった」があまりに馬鹿なことを言っているので、書くのはやめようと思っていたが、少し書く。


 きょうは何の日か。こう問われて、すぐにピンと来る人はそう多くはないだろう。
 一九五二年四月二十八日に、サンフランシスコ講和条約が発効し、日本は、六年八か月にわたる占領統治から解放された。
 講和条約の第一条を読めば明らかなように、日本と連合国との戦争状態は、この日にようやく終了した。本当の意味での「終戦の日」、あるいは「主権回復の日」と位置付けることもできよう。

 今朝の朝日新聞に「『反日』とは何ですか」というくだらない社説があったが、読売新聞のこの社説こそ「反日」と言っていいだろう。日本という国のありかたに真っ向から反対しているのだから。
 きょうは何の日か、そう問われれば、すぐにピンと来る。沖縄デーだ。それ以外にあるのか。
 1952年4月28日に、サンフランシスコ講和条約が発効し、日本は国土を分断された。沖縄は日本ではなくなったのだ。「占領統治から解放」されただの「主権回復」だのいう意見は沖縄を日本だとは思っていないのだ。
 講和条約を読めば明らかなように、日本と連合国との戦争状態は、この日から新たな問題の次元に突入し、戦争は終わったとはとうてい言えない歴史が始まった。
 日本国の主権を理解していない読売は、当然ながら領土も勘違いしている。

 サンフランシスコ講和条約は、日本の領土についても規定している。
 中国や台湾が尖閣諸島、韓国が竹島の領有権をそれぞれ主張しているが、講和条約を素直に読めば、日本が主権を放棄していないことは明らかである。

 この話は、最近では、極東ブログ「尖閣諸島、領土と施政権」(参照)、「領有権=財産権、施政権=信託」(参照)にも書いたので繰り返さない。
 読売のこうした主張は、日本国民として恥ずかしいと思う。

四月二十八日は、昭和史の大きな節目となる記念すべき日であるはずだった。だが、この日の意義は、日本の占領体験と同様に忘れ去られようとしている。

 そのとおりだ。でも、忘れているのは、読売新聞だ。
 しかし、当の沖縄でも、「沖縄デー」は風化してきている。だが、その日が残した米軍基地がある限り、風化しきることはできない。
 沖縄デーについては、「やがて「壁」は崩れる 4・28の運動に学ぼう」(参照)がよく書けているので参照して欲しい。

楽観も悲観もせず、ひたすら兵力削減と基地返還を求め続ける。4・28は、その愚直とも思える運動がやがて厚い壁を突き崩すことを教えている。

 それがこの日の意義だ。

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