イラク人質事件の政治面は日本政府の勝ち
私は昨日の夕方あたりから、この事件の真相は狂言ではないかという心証を強くした。ええいとそちらのほうに思いの軸足を寄せてみると、各種の疑問が解きやすいという感じがした。そして、なにより、ニュース報道の見方ががらっと変わることに驚いた。小泉、福田、川口の腹が透けて見える感じもした。さて、自分の心証がそうなら、どれだけ批判を喰らっても、正直これを極東ブログに書くかというところで逡巡した。一晩考えてみるかなと。そして、一晩経ち、「人質事件は狂言だよ」というのは、ぜんぜん主張にはならんなと思った。というか、そう言うことの無責任さを思った。
だから、この事件は狂言だと主張したいわけではない。が、ブログなんだし、心証としてなら、語ってもいいだろう。この事件の私の心証は狂言だという点は変わらない。そう書きながら、矛盾するようだが、くどいが狂言だよと主張したいわけではない。なぜなら、狂言だとする決定的な理由はないこと、それを将来にであれ証明することも難しいこと、そしてなにより、狂言だとしても依然人命の危険性の点では変わらないことだ。
ただ、言った手前、ちょっと補足する。最初から狂言だったかとまで思ってはいないのだが、この点で私の最大の疑問は映像がCDだったことだ。私はCDに映像を焼き込む技術にそう詳しくない、わけではない、と笑いを取ってどうするだが、いずれDVには圧縮をかけなくてはいけないし、パソコンの環境も問われる。まず端的にMacintoshかWindowsか。Macintoshなら、あの状況ではiBookか。おいiBookってジャーナリストの御用達だぞ。映像のほうはナイトショットじゃねーのか、と、それだけで犯人側のかなりの情報になるのだが、そうした情報はマニア側の推測ではあるものの、なぜか公的には情報がないのが変だなと思う。CD媒体からですら足がつくはずだし。
狂言かなという心証は、気取るわけではないが、2ch的な考察ではない(もっとも、2chというのはそうバカにしたものでもないぞと今回は認識を変えたが)。昨日のファルージャの記事を書きながら、これは人間の盾ではないかと思ったことだ。モデレートに見ても、現状の人質はファルージャで人間の盾にされているな、と思ったとき、あっと思った。日本人は、willinglyに人間の盾になりたいものなのだ。と、willinglyって英語まぜるなだよだが、私が思ったタームはそれだ。訳すと「喜んで」か。ちょっとニュアンスが違うが。
以上で、狂言かなの心証の話は区切りをつける。
現状を冷ややかに見ると、彼らが主体的(willingly)に人間の盾となっているかはわからない。だが、現状の推測としては、ファルージャの状況からは、人質の意志がどうであれ人間の盾と見ることは最も妥当だとは思う。すると、彼らの意志であれ、強制であれ、人命の危機という点では変わらない。私は、「プロ市民は氏んでください」とはまるで思わない。依然、彼らの人命救助は大きな課題だと思う。そして、それは、どうやら現状の政府側の裏の認識と同じなのではないか。
事態を政治的に見ると、自分としては、奇妙なことに気が付く。端的に言うとまるで陰謀論めくが陰謀論ではなく、単に政治的に見るということなのだが、日本政府は体よく「自衛隊撤退論」をつぶしてしまったということだ。
これは、テロ事件の原則を守ったが故というより、テログループから届いたとされる二報で、人質解放が先行したため、人質と天秤にされる自衛隊撤退要求が事実上雲散霧消したこともある。狂言説を取るならこの声明は最大の失敗でもあろうが、狂言説はもういい。いずれにせよ、この二報をこれ幸いと政府側はメディアで大々的にばらまいため、日本国民の大半の脳裡からは当面の自衛隊撤退問題が消え、人命問題だけになってしまった。
国内左翼にとっては、苦虫を噛むといったところだろう。その後、福田が言うところの情報が錯綜しているということになったので、仮に犯人グループ側から声明が出ていたとしても、事実上、錯綜した情報ですね、で終わることになる。
関連してアルジャジーラの対応も、不思議なほど、日本政府に好意的だった。もともと、アルジャジーラもテロリズムは好まないということかもしれない(テロは倫理的に恥ずかしいのだろうと思う)。一つ気になったのは、イスラム聖職者からのスポークスマンの発言というのを、たまたま私はTVで見たのだが、彼の訴えかけの大半は、人質を約束通り解放しなさいより、米軍のファルージャ包囲を解きなさいだったことだ。なるほどなと思った。イラク人の本音は、米軍のファルージャ包囲を解くことにあるので、日本人人質や自衛隊撤退という問題が念頭にあるわけもないのだ。
結果として見れば、スンニ派のイスラム聖職者は、テログループの今回の事態を好ましく見ていないし、日本政府への理解を示している、と見ていいだろう。むしろ、こうした彼らの行動の表れこそ日本人は大切にしなくてはいけないのだと私は思う。
日本政府がうまくやっていやがるなと思いつつ、今朝のニュースをぼうっとラジオで聞きながら苦笑した。小泉はチェイニー副大統領に、人質事件の解決を協力を要請したのとことだ。
別に苦笑するほどじゃないというなら、サヨクなんかと縁のないいいセンスをしているということで、自分が嫌になる。サヨクは、この事態にさらに苦虫を噛んでいるはずだ、と私はピンとくる。結果として、構図が自衛隊撤退どころか米軍協力になっているからだ。
メディアでも私が雑見したブログなどでも、指摘がないようなので不思議に思うのだが、ファルージャ掃討戦において、ほぼ確実な鉄則がある。それは、米軍は絶対に米民間人焼殺犯人をとっ捕まえるということだ。もちろん、それは、米国国内世論向けなので、それに等しい心理インパクトを与えるだけでもいい。報復感を米国民に伝える必要があるというわけだ。こんなの9.11以降の阿呆な米国政策を見て、日本人もすぐに分かれよと思う。と、書くとまたおまえさんだけ偉そうにであるな、すまん。少し冷ややかに考えると、現状では、以前のような目立った掃討戦はできない。しかし、報復のための掃討戦は絶対にやる、とすれば、どうやるのかというだけが課題になる。
現状の停戦を見ると、これは、豊臣秀吉城攻めかなという感じはする。せめて水を止めるという愚行はしないで欲しい。私の推測では夜間しらみつぶしかなという感じもする。で、この文脈でチェイニーの協力というのが実際上の意味を持つわけだ。つまり、小泉が期待しているのは、ファルージャ掃討戦で、焼殺犯と一緒に人質めっけてくださいね、と。そしてこれが成功すれば、日本国雪崩打って、米軍ありがとうになる。
おい、そんなストーリーでいいのかよと私は思う。
今回の話は、陰謀論だの電波だのと言われるかもしれないなと思う。ある程度仕方ないなと思うが、繰り返して言う。まどろこしいが、狂言説はあくまで私の心証というか印象であって、そんなものは主張にすらならない。主張としての意味がないからだ。それよりこのブログから、どの立場の人であれ、全体構図を考えるヒントがあれば受け取ってほしい。
あ、ついでに、イラクで外国人狙いの人質事件が多発しているが、それがするっと解放されているというのは、つまり、人質ビジネスの市場が拡大しただけだなと私は思う。もちろん、米人人質は別格だろうが。
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コメント
この事件は、冷静に考えるひとほど狂言説に思えてくるという、ある意味特殊な事件ですね。
私も、イスラムを理解したいと思うが「イスラムってそんな要求もしてくるんだ」「結構日本の内情に詳しいじゃん」「へぇ~、イスラム指導者の言うことを聞かない人たちもいるんだ」
と素直に思えるほどバカにはなれません。
投稿: Cyberbob:-) | 2004.04.13 08:37
各々の思惑は違うが薄い「思ひ」だけは共通の日本人たちが、鴨葱になっただけのような気がします。不味いw出稼ぎ農民ら7名様は、丁重に即日お引取り願ってるようですし。
ところで北朝鮮は、「民兵」連中を有料で訓練したことはなかったんでしょうか?
北海道では、紛らわしい「救う会」と称するものを立ち上げて、集金し出したようですが。
「人質」「救う会」で混乱しますが、品位の点ではっきり区別できますから、仰るように大いなる逆効果で、「苦虫を噛む」という結果になってますですね。
投稿: shibu | 2004.04.13 09:01
いやあ、今回の件は、今イラクで流行っている「人質ビジネス」に巻き込まれたって可能性もあって、それなら金払えばすんじゃうようなことであるにもかかわらず、小泉総理がチェイニー副大統領に「協力要請」したってことは、「じゃあそっちも俺らに死ぬまでつきあえよ」ってアメリカ側から言われているだろうから、今まで以上に日本はアメリカに頭上がらなくなりますね。これで日本のアメリカへの属国化決定確実になりました。また、アメリカの「援助」で人質が救出されれば、この「借り」はデカい。未来永劫日本はアメリカに従属し続けることになりますよね。
北朝鮮問題を抱えた日本の現状を考えれば、イラクで拘束された人質の家族に直接電話し、解放実現のため「できることは何でもする」と約束したカナダのマーティン首相と同じことはできませんもんね。小泉首相にそんなこと期待する方が間違っています。
でもこれってすごく大きいですよね。アメリカにこれからも守ってもらえるなら、日本はまた軍需面から「経済大国」になれます。僕ら日本人は、その恩恵を今まで以上に受けられるようになれば、中国がいくら経済発展しても怖くはないでしょう。日本国憲法なんてやっかいなものは入りません。アメリカに全て判断してもらえばいい。小泉総理は、日本に多少の犠牲が出ても、アメリカに尽くすべきです。アメリカに見放されないように。
アカルイミライが開けてきましたね!
投稿: a-ji | 2004.04.13 09:56
a-jiさんども(shibuさんほかどもです)。この「アカルイミライ」が非常に問題だと思いますね。単なる反米意識ではないのですが。
投稿: finalvent | 2004.04.13 11:10
私もこの事件を始めてテレビのニュースで見たときに、狂言ぽいなと思いました。日本政府というよりは、何だか狂言と言う感じを受けました。ただの直感ですが。同じようなご意見を拝聴して何となく共感できました。
投稿: maida01 | 2004.04.13 13:29
なんかひっかかっていたものがわかった気がしました。
狂言とは思っていなかったものの、ファルージャファルージャ連呼されているのを聞くうちに「?」ばかりが頭に浮かぶようになっていたので・・・
最初から自衛隊撤退はなしと考えて、かなり冷静に考えていたからひっかかっていたのかもですね。
投稿: saji | 2004.04.13 13:49
こんにちは。
自作自演にしては、他の国の人たちが拉致されるタイミングと合いすぎていませんか? この不安定な情勢下で偶然に同時発生したという見方もできますが、それなら未だに帰ってこない理由がありません(引っ込みがつかなくなっちゃったのかもしれませんが・・・)。
僕は、事件の1幕は自作自演か現地の跳ねっ返りの暴走で、2幕は現地の他の勢力の介入で、3幕(現在)は米軍との取引材料にされている・・・という流れなんじゃないかと想像しています。停戦が成立しているのがあまりにもタイミングが良すぎです。
投稿: たまごん | 2004.04.13 18:09
お邪魔します(^-^)
たまごんさん
>自作自演にしては、他の国の人たちが拉致されるタイミングと合いすぎていませんか?
いや、今まで邦人がターゲットにならなかっただけで、日常茶飯事で誘拐は起きているんですよ。なので人質ビジネスって言われることもあります。日本人は基本的に日本のメディアが取り上げない限りは自分から調べたり耳を傾けるという事を忘れてしまったので、今回の件に合わせての付随情報だけがやけにクローズアップされているという感じです。
それ以前の事件はどうでもいいのか?と思いますけど(苦笑)
ちなみに、イラクに限らず、世界中で邦人ターゲットの人質ビジネスは展開されています。ただ、それがどこかの輸入会社の常務だったりすると、自分には関係ないと忘却されてしまう事になり、逆に江崎グリコの社長だったりすると騒ぎになったりする感じです。マスコミが提供するネタの「話題度」次第で実に分かりやすい踊り方(騒ぎ方)をするのが日本人ですので(^_^;
投稿: バカぽん | 2004.04.13 20:28
>バカぽんさん
なるほど。マスコミは、今になってクローズアップして、いかにも関連性があるような話の展開をしているんですね。
これはとんだ失礼を。上の発言は先週のNHKのニュースが頭の中にあって書いたものだったのですが、イラクのキッドナップビジネスの実情は実際には調べていませんでした・・・。
ああ、いかんですね。もう少し勉強してきます。
投稿: たまごん | 2004.04.13 20:53
はじめまして。
自サイトの方で取り上げさせて頂きました。
本日、ジャーナリスト(国内報道オンリーの方ですが…)
の方とも話したんですが、
自作自演説は、ジャーナリズムの世界でも、かなり主流の
考えになりつつあるようですね。
深層の真相(洒落ではないです(^^;)
は闇に葬られるかもしれませんが、アメリカの関与で
かなりのレベルの証明で自作自演が明かされる可能性もある
というというようなことを話していたのですが、
もし明かされることになった時、日本の世論は
果たしてどう動くのか、煽りたてたマスコミは
どう責任を取るのか、非常に興味深いですね…。
投稿: kagami | 2004.04.13 22:01
トラックバック先間違えました。ごめんなさい。
投稿: あんぽんたん | 2004.04.13 23:00
http://www.sankei.co.jp/news/morning/13iti002.htm
この記事によると、そもそも三人組がヨルダンを出国したことすら確認されていない、
とのこと。
オイオイなんだいそれは、という感じです
投稿: goka | 2004.04.14 00:13
kagamiさん、こんにちは。イタリア人人質も出てきてちょっと状況は変わった風でもありますね。
田中宇はここではいつも道化回しにしていてごめんねなのですが、気になってHPを覗きました。狂言説ではないようですね。米民間人焼殺は米軍の陰謀だとしているあたりは、クリスチャン・サイエンスモニターのシャレをマジ受けしているので、ちょっと苦笑しました。
ブログではいろいろな意見がでるので、受け取れる部分があれば意見の多様性でいいのかなと思います。
投稿: finalvent | 2004.04.14 13:23
>クリスチャン・サイエンスモニターのシャレをマジ受けしている
人を小ばかにするときは、その判断理由をキボン。
投稿: (anonymous) | 2004.04.14 13:41
便宜上anonymousとしました。
>人を小ばかにするときは、その判断理由をキボン。
ですよね。で、質問があるときは、投稿名をギボンヌではだめでしょうか、って、いえ、冗談です。たしかに、ご意見どおりです。というわけで、以下をご参考にしてください。
■愉快な田中宇的世界
http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20040414#p2
投稿: finalvent | 2004.04.14 13:56
はじめまして。貴殿の見解見ていて勉強になります。
自作自演説もだいぶ落ち着いてきましたが、日本人がまともでよかったなと思います。(もちろんいたずらなどする人は論外ですが)あの家族の会に騙されないで。私も自分の日記で書いておりますが、どうしてまたあの家族の会は先に「国民の皆様ご迷惑をおかけして申し訳ありません。」といわなかったんでしょうか?少なくともこのようにたたかれることはなかったのでは?と思います。
ミラーマン(テカガミスト)の考察は見ていて楽しかったです。
つきましては、貴殿のこの「極東ブログ」をアンテナに加えさせていただいてよろしいでしょうか?
投稿: YS11大好き | 2004.04.14 16:36
YS11大好きさん、こんにちは。アンテナは「はてな」でしょうか。どうぞ、お気軽に。
あまり人気が高くなるとある種の気軽さが抜けますね。たかがブログというのと、思い入れと、でも、当方も気軽にやっています。
投稿: finalvent | 2004.04.14 16:55
YS11大好きさん
>あの家族の会に騙されないで
騙すって何? 家族の会の人が何を騙すんすか? 騙してどんなこと企んでいるとお考えなわけ??
>どうしてまたあの家族の会は先に「国民の皆様ご迷惑をおかけして申し訳ありません。」といわなかったんでしょうか?
何回も謝ってんじゃん。
投稿: ぐっちょん | 2004.04.14 17:07
>管理人様。
そうです。はてなです。結構難しいんですよね。書く事。
>ぐっちょん様
補足させていただきます。マスコミのかわいそう理論に騙されないで、と書こうとしたつもりなのですが、すみません。要は国民が冷静に判断していることを協調したかったのです。
>>どうしてまたあの家族の会は”先に”「国民の皆様ご迷惑をおかけして申し訳ありません。」といわなかったんでしょうか?
何度も謝罪しているのはいろいろ批判が相次いでからのあとのこと。なによりもまず「助けてください」と依頼するより先に「三人の無謀な言動で迷惑をかけていること」を国民に謝罪をする方が先ではと申し上げているのです。
投稿: YS11大好き | 2004.04.14 18:16
>YS11大好きさん
かわいそう報道に騙されるな、っていうのは同意ですけど、
>なによりもまず「助けてください」と依頼するより先に
>「三人の無謀な言動で迷惑をかけていること」
>を国民に謝罪をする方が先ではと申し上げているのです。
こりゃ非情もいいとこでしょ。はっきりいって部外者の傲慢以外の何物でもない。
自分の可愛い可愛い子供がこわーいテロリストに捕まってるんですよ?
そこで「家族に向かって」冷静に成れというのは、ちょっと礼を知らないばかりか、
「国の為に私情を殺せ」的な言葉の最悪な意味での右翼的(あ、これが革命の為なら左翼ですかw
な態度が見え隠れしていて気分が悪いです。家族があういう行動を取るのはある意味「健全」だと僕は思いますよ。
もし家族が周りの「お国の為世論」に押し潰されて、本音を発言できないとしたらそっちの方が異常です。
問題はその家族を利用した、情緒丸出し報道に対して僕らが冷静に対処するべきことであって、
その家族自体の「訴え」は余り問題ではないでしょう。僕らが本当に冷静ならば
家族の痛み自体はそのレベルで受け止め、人質解放の条件という政治問題は別レベルで考えられる筈だと思いますが。
投稿: いわん | 2004.04.14 19:39
いやこういうことなんですよ。
最初の対応による一般市民の反応の違い(いたずらはよくないけど)
今井 高遠両家
http://www.asahi.com/national/update/0413/012.html
郡山家
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040414-00000001-maip-soci
要は第一印象によって違うんですよ。反応がこんなに。きちんと謝罪した上でのお願いをされた郡山家。ただひたすら訴える事に終始した両家。
投稿: YS11大好き | 2004.04.14 21:46
要するに戦略っていうか、もっと巧くやれよ的な話ですか。
その点に関しては客観的に見れば同意なんですが、
一応上二つも被害者なんだから大目に見てやれよって感じですね。
上二つの家族の言葉に政府&国民が踊らされてテロの要求をまんま飲んだりしないかぎり、
はっきり言って実害はゼロだし、この手の事件の被害者からしてそう珍しくもないケースでしょう。
つまり、わざわざ65の婆ちゃんとか追い詰められてる家族を叩いても、それって何の利益も無い単なる
ストレス発散的な「弱いものイジメ」にしか見えないんです。
(その「弱いもの」を殊更強調する報道姿勢は批判されてしかるべきだとおもいますが)
そりゃ確かに上二つの家族の態度には、多少問題が有りますが、
それよりその些細な点を強調して結果として「悪戯は良くないがこの態度では仕方ない」
みたいな論調に成ってしまう方が僕は問題だと思います。
投稿: いわん | 2004.04.14 23:48
厄介なのは家族が弱者でもあり強者でもあるところだと思います。
いわんさんの言う通り、精神的にはメロメロの弱者だと思いますが、マスコミ的には絶対攻撃不可能な強者に祭り上げられてしまう。
投稿: (anonymous) | 2004.04.15 00:03
上のような冷静な議論がほかの場所ではあまり見られないのが残念ですね。
finalventさんも触れているように、戦後日本人の平均的な心情(社会党的「平和主義」と関連する「サヨク思想」)がmajorityをほぼ失っている、という事実を明確すぎる形で示したという意味で、この事件は大きな分水嶺になるでしょう。
この辺で立ち位置を見直さなきゃいけないなあと思う一方で、この家族をめぐる反応を見ていると、「サヨ」的な思考停止を否定して上書きするものが、回顧主義という別の思考停止になってしまうような気がしてやーな感じがします。
彼らのやり方が戦略としてまずかったのは結果から見れば明らかなんですが、それにしても「身内の自業自得なんだからとりあえず謝ってもらわないと」って、そこまで身内の責任って重いものなんですかねえ。
参考情報:
http://news.goo.ne.jp/news/asahi/shakai/20040414/K0014201911094.html
やっぱり外国人の記者は聞くことが違いますね。
投稿: yuno | 2004.04.15 01:11
しつこくてすみません。
この間の選挙で自衛隊は国民の信任を得て、イラクに行ったのです。私たちがお願いして行ってもらったのです。反対派は行かせたくないといったではないか!と反論があろうかと思いますが、議会制民主主義のルールに従うと信任されたということになります。
彼等は自分の責任において行ったのです。我々国民がお願いしたわけではないのです。しかも政府は何度も退避勧告を出していました。「行くな!」といっているのに勝手に行ったのです。彼等はもうその時点で政府の責任の範疇から離れたのです。その時点で政府の落ち度はありません。
捕まるか捕まらないかは運の問題ですが、少なくともテロリストは一番弱いところを狙ってくるはずです。そこを狙われたわけです。運と言う観点からすれば台風が来ているので避難してくださいと勧告が出ているのにサーフィンをやっておぼれてしまったのと一緒ではないでしょうか?
もし本当に自分の息子娘の命が大切なら「私を殺してから行きなさい。」くらいの勢いで止めたのではないでしょうか?私はある親御さんの会見のインタビューを聞いて驚きました。「もし私の元に息子が返ってきて、また行きたいといったらやってることは正しく尊いことなのでまた行かせます。」といっていたのです。このインタビューを聞いて応援する気を無くしてしまいました。
責任論からすると今回の件は、政府に落ち度がない以上自己責任と言ってもいいと思います。そして未成年をお持ちの親御さんにはもちろん未成年ではないにしろ少なくとも責任が及んでくるのではないかと思います。
なんせこの3人+2人(?)救出のために巨額の税金が使われているのですから、納税している国民としては怒りの声が上がっても仕方のないことだと思います。
投稿: YS11大好き | 2004.04.15 19:35
もうひとつの可能性。裏の裏をかいて、裏だけちらつかせる。
日本政府がバックで仕組んでたら・・・と考えたり。
結果として、一国家の決定により派遣された自衛隊の意義、一度行ったなら職務を全うすべきだという考え、また小泉総理の毅然とした態度というものがクローズアップされた格好になっている。もちろん人質事件と自衛隊派遣論は別次元の問題ですが、何となく自衛隊OKという印象を与えてはいないかと。結果として誰が得したのか?勘ぐりすぎでしょうかね。やはり、ただの暴走プロパガンダかな。
国は国民の代表として3人に損害賠償を請求するのが筋だと思います。狂言云々に限らず。肉親の責任?当然あります。事前に危険と知らされているイラクへ行くことを止めもせず、捕まったら助けてください、では話になりません。また行かせるとか言ってるふざけた方もいるそうで。自己責任のかけらもありません。
チャーター機で帰る?随分手厚い保護だな・・・と勘ぐってみたり。
投稿: いちげんさん | 2004.04.16 15:19
>国は国民の代表として3人に損害賠償を請求するのが筋だと思います。
どんな筋っすかそれ。憲法読んで勉強したら?
>なんせこの3人+2人(?)救出のために巨額の税金が使われているのですから
その前に公共事業で政府が出してる兆単位の無駄金、脱税政治家、国民からの税金の取りこぼしをなくす努力をしろっつーの。
投稿: ジュンちゃん | 2004.04.16 15:41
人質の家族が、誘拐されたことがわかった時点で
「自己責任で行ったのだから、殺されても仕方ない。
日本政府は、テロリストに屈することなく粛々と自衛隊の活動をすすめてほしい。」
とでもいっておけば、費用を負担させるだとか、紛争地域への渡航禁止の法律をつくるだとか
政府は今になって言い出せなかったのにね
国内にこの問題をアピールするという、彼らの感情的な記者会見は戦術的に成功しましたが
政府に対して優位に立つという、戦略的目標は達成できなかったのですね
やっぱり家族の連携が足りなかったのでしょう
もっと作戦を練るべきでした
投稿: ルネ | 2004.04.16 16:10
>戦略的目標は達成できなかったのですね
武装勢力に身内が人質にされてるごくごく普通の一般人が、どうやって政府や世界のマスコミ相手に政治戦略やメディア戦略を立てれるんだよ。
投稿: もわ~ん | 2004.04.16 16:17
家族はどうしてイラクに行くのをとめなかったのでしょう?
投稿: (anonymous) | 2004.04.16 17:13
外国特派員協会の記者会見で、似た趣旨の質問に答えてましたよ。
投稿: かん | 2004.04.16 17:22
初めまして。
自己責任論にコメントしようと思ったのですが、稚拙な私の意見よりもパウエル国務長官がいいことを言っているので、そちらを転載しますね。
>日本の一部で、人質になった民間人に対して、「軽率だ、自己責任をわきまえろ」などという批判が出ていることに対して、「全ての人は危険地域に入るリスクを理解しなければなりません。しかし、危険地域に入るリスクを誰も引き受けなくなれば、世界は前に進まなくなってしまう。彼らは自ら危険を引き受けているのです。ですから、私は日本の国民が進んで、良い目的のために身を呈したことをうれしく思います。日本人は自ら行動した国民がいることを誇りに思うべきです。また、イラクに自衛隊を派遣したことも誇りに思うべきです。彼らは自ら危険を引き受けているのです。たとえ彼らが危険を冒したために人質になっても、それを責めてよいわけではありません。私たちには安全回復のため、全力を尽くし、それに深い配慮を払う義務があるのです。彼らは私たちの友人であり、隣人であり、仲間なのです。」と述べています。
http://news.tbs.co.jp/headline/tbs_headline944100.html
投稿: エフ | 2004.04.17 01:04
>>国は国民の代表として3人に損害賠償を請求するのが筋だと思います。
>どんな筋っすかそれ。憲法読んで勉強したら?
憲法? あなたは基本的な法体系から勉強することが必要です。六法ってご存知ですか?中学校ぐらいで習っているはずです。それとは別に道義ってのもありますけどね。
筋って言葉はどっちかというと道義的な表現かな?そういう意味で私の表現は適切ではないかもしれません。 ま、ここで法的要件を満たすかどうかなんて書く気もありませんけど。
それぐらいのことはした、と少なくとも言えます。
投稿: (anonymous) | 2004.04.17 05:09
>>なんせこの3人+2人(?)救出のために巨額の税金が使われているのですから
>その前に公共事業で政府が出してる兆単位の無駄金、脱税政治家、国民からの税金の取りこぼしをなくす努力をしろっつーの。
問題をすりかえないでください。公共事業、税金に関する掲示板は別にあるのでは?
投稿: いちげんさん | 2004.04.17 05:12
エフさん、こんにちは。パウエルの話は以下に原文があります。TBS訳は誤訳ではありませんが、トーンが少し違うかなという印象は持ちました。
http://www.scoop.co.nz/mason/stories/WO0404/S00167.htm
投稿: finalvent | 2004.04.17 08:41
どうも政府の回し者がそうとうネット上のあらゆるところで書き込みをしているようですね。今の「押し付け自己責任論」は、自衛隊派遣支持者によるプロパガンダでしょう。だってそういうことにしなければ、自分たちの支持した政策によって民間人が危険にさらされたっていう非難を受けかねないですもんねえ。
そしたらですね、現日本国憲法下の法体系の中で、どういう法律に基づいて人質被害者に費用請求するのか、ぜひその論拠を明確に述べてください。
「道義」なんて道徳論や、一国民の「感情論」なんかでそんなことが勝手に決められたんじゃあ、「法の支配」のもと、同じく一国民の私は納得できないですよ。
投稿: バッコン | 2004.04.17 09:16
政府の回し者と来ましたか。疑心暗鬼という言葉があります。
考えるに、「回し者」をしているのは誰かと言うことですね。
ちょっと上記のコメントの「立場」を変えてみましょう。
「どうも反政府の回し者がそうとうネットのあらゆるところで書き込みをしているようですね。今の「人質絶対擁護論」は、自衛隊派遣反対者によるプロパガンダでしょう。だってそういうことにしなければ、自分たちの支持した活動によって国民が損害を受けたっていう非難を受けかねないですもんねえ。」
何故に、こういうことになるのかと言うと、
論理的な積み重ねをせずに、ただ書き連ねているだけの
文章では名詞を変えただけで立場が180度変化してしまう
脆弱な「あおり」に過ぎないからです。
脊髄反射的なコメントをするよりは、まずは自分の思考と
対話してみてはいかがでしょう。
ああ、挑発的なコメントをしてしまいました。
荒れたらfinalventさんと誠実なコメントをしていた
皆さん、ごめんなさい。
投稿: 角 | 2004.04.17 10:41
>角さん
ご指摘はお受けしますので、ぜひ「現日本国憲法下の法体系の中で、どういう法律に基づいて人質被害者に費用請求するのか」について、その論拠を明確に述べていただけますか? 私はただ、どういう論拠に基づいて「押し付け自己責任論」を支持されているのかに興味があるのです。
投稿: バッコン | 2004.04.17 10:46
2003年12月4日付けの小泉内閣メールマガジン第119号にある「小泉総理のメッセージ」の中で小泉総理は、自衛隊員や政府職員と共に、民間人にも出来る役割を果たしてもらうという基本方針を貫く考えを示しておられます。それがなぜ今「海外渡航禁止を検討」という憲法無視なお話になってしまうのでしょうね?
投稿: くまちゃん | 2004.04.17 10:58
冬柴氏が家族負担を視野に入れたような意見を述べてましたが、多分こういうケースで家族が負担すべしという法律はないのでは。じゃあ家族が「そんな法律はないので払う義務はない」(と言うかは別にしてとにかく払わないと)発言したした場合、反発があると思います。戦略として払っとくべき。ただ政府側はそんな請求できないので静観でしょう。議員はいろいろ言うわな。
この問題は法律論ではなく「時の気分やそれにともない発生する社会的状況」の話なのかもしれません。プロ市民が持つべき最も大切な要素は「世間知」なのではないかと思った今回の出来事でした。
それとは別に今回の政府の動きがどうだったかをはっきり知りたいです。こっちもダメダメぽいし。
投稿: メンチカツ | 2004.04.17 13:06
finalventさん。コメントに返信してくださってありがとうございます。
英文のニュアンスの問題は難しいですね。私のように語学力に自信のないものにとっては、意味はおえるものの微妙なトーンとなると判断が付きません。
原文の
"Japanese people should be very proud that they have citizens like this willing to do that,"の前後を読むと、内容は日本語訳と同じようなことだと言うのは分かりますが・・。
それにしても原文を紹介して頂きありがとうございます。この翻訳記事は一度、asahi.comに紹介されたのにすぐに消えてしまって、ソースを追えなかったので助かりました。あと、すこし本題からはずれますが元の英文の記事で翻訳されてない部分の話も興味深いですね。
投稿: エフ | 2004.04.17 13:18
この自己責任論が怖いのは、それが何の原則も持たない超恣意的な所ですね。何処までが自己責任なのか? 例えば「民間人凡て」がそれに当たるというなら、それはそれで一貫しているのですが、これを持ち出す人には「ビジネスマンなら兎も角」とか、「自己満足なボランティアで捕まったんだから」とか、大抵あるグループのみを指して言う。
これがイラクの戦後復興を担うであろう、日本の民間のビジネスマンだったらどうなんでしょう?それも「自己責任だ。救出費用を家族は出すべきだ」と言うなら、論理的には問題ないのですが。
投稿: いわん | 2004.04.17 23:38
あ、あと「自己責任論」を唱えている方の質問なのですが、
当然それを唱えるという事は、もし今回騒動に成った「自作自演説」が完全にデマだった場合には、そのデマを支持した人達の「自己責任」も問うべきだとお考えですよね。
まぁ、この手の「陰謀論」は落合信彦やら広瀬隆やら宇野なんとかの本を見れば解かりますけど、「○○の実力者の手で真実は握りつぶされた」といくらでも逃げを打てますから、責任は取りづらいですけどね。それでも、前述した作家さん達と同列の目で見られるという栄誉が与えられてしまうので、それはそれで責任を取ったと言えなくも無いですが。
投稿: いわん | 2004.04.17 23:55
「自己責任論」にちょっと私のコメントですが、本文に書いたように私は「覚悟」という以上には関心がありません。パウエルが言うように国家というのはいかなる状況であれ同胞を救出する責務はあります。ただ、変な言い方ですが、私はある意味、積極的にこの問題に関心がないんです。というのは、議論自体が嘘くさいなと思うからです。今回の事件は政治絡みもあったので外務省が動いてくれました(予想もしていたでしょう)が、これは特例です。普通どっかの国で邦人がなんとなく消えても、なんとなく消えた、で、終わりです。特例から一般論は出てこないと考えています。
投稿: finalvent | 2004.04.18 08:38
いまの風潮が進んで全ての民間人の救援費用の一部は自己負担とする、ということになった場合、日本から覚悟と使命感を持って危険地域に行く人(フリージャーナリストなど)の数は、今よりずっと少なくなるでしょう。
そうすると危険地域の情報を外国人から調達するしかなくなるわけですが、日本国としてはそれでいいのかもしれないけれど、日本人としてそれでいいの?と思いますね。それこそ平和ボケじゃないですか。
なんだかんだいいつつ、比較的安全な地域にいる我々の生活の一部は彼らの活動によっても支えられている、ということを多分みんな感じてないんでしょうね。
まあ今回はそんなことを吹っ飛ばすくらい彼らが不快だった、ということなんでしょうが、反応があまりにも安直じゃないでしょうか。たしかにこの件は特例でしかないんでしょうが、万が一これを機に一般化されてしまうと困ったことになると思います。
投稿: yuno | 2004.04.18 12:14
少し話題が変わりますが、ブログでもinalventさんが取り上げた狂言説で興味深いページを見つけたのでコメントします。
これまでネットなどでは、2chなどのフレーム化した書き込みに引きずられた感じもあって、狂言説を肯定する検証が目に付きましたが、それを否定する検証です。
http://www.geocities.jp/iraq_peace_maker/index.html
こうしてみると、否定する根拠も十分説得力があります。
ただ、今回の事件はすでに政治的な目的でいろんな立場の人が利用してしまっているので、きっと最後まで真相は明らかにならないでしょう。
個人的にはこうした政争に巻き込まれてしまった3人を気の毒に思います。
投稿: エフ | 2004.04.18 14:06
最後に。
もうめちゃくちゃですね。
政府を信頼していない市民団体。結構だと思います。
TVで政府に救出をお願いしていたのはどなただったんだろう。それとも自衛隊撤退をお願いしていたのか?
この件に関して自己責任を問うことが、社会通念上そんなに間違っていることか?
しかも政府を信用せず独自の行動をとるならば、一成人として自己完結すべきでしょう?
誘拐グループ側が、自衛隊とは「違う人たちだから」三人を釈放したというなら、そもそもなぜ「違う人たち」を誘拐する必要があったんだろうか?
ものすごい矛盾を感じているのは私だけでしょうか?
>上の方
自己責任とは自らの行いによって、自らに生じた損害に自らをもって補償する、という意味です。狂言説を唱えて、自己責任が問われるというのは意味が通じません。(私は狂言説は唱えていません)自己責任論をめちゃくちゃな話にしないでください。それは別の問題です。
>危険地域の情報
具体的にどういう類の情報のことを言っているのでしょうか?それは一般国民の利益になるものなのですか?軍事情報というならお門違いです。
投稿: いちげんさん | 2004.04.18 15:59
これは私へのコメントでしょうか?
書き方が悪かったならお詫びしますが、別に私は自己責任論をすり替えるつもりで狂言説の検証の話を振ったつもりではないのです。
いちげんさんが書かれているようにこれは別の問題です。そのつもりで書いたのですが、先の自己責任論の後に書いたのはまずかったですね。
今回の事件のやっかいな点は、いろんな問題をごっちゃに論じている点だと思います。人質の家族が気に入らないのを政治的な話題にすり替えたり、逆に家族側も最初に政治的な主張に取られかねない意見を表明したりして、人質を救出するにはどうすべきかと言う問題が、イラクの自衛隊派遣をどうすべきか、といった話になってしまっています。
個々のテーマで話をしたくても、一段落するまではちょっと難しそうですね。
投稿: エフ | 2004.04.18 18:32
たびたびすいません。
フレーム化するといけないのであまりコメントを続けるつもりはありませんが、紹介した先の内容をすべて私が支持していると思われると心外なので書いておきます 。
私は狂言説はどちらの立場を取るにしても十分に検証すべきだと思っています。そのためには賛否両論の両方の情報があるなら両方とも目を通すべきだと思うのです。
投稿: エフ | 2004.04.18 22:49
いや、多分僕宛のレスでしょう。>エフさん
揚げ足鳥っぽかったので無視する方向だったのですが、
一応レス返しておきます>いちげんさん
>自己責任とは自らの行いによって、自らに生じた損害に自らをも
>って補償する、という意味です。狂言説を唱えて、自己責任が問わ>れるというのは意味が通じません。
じゃあ訂正します。「自己責任が問われる可能性がある」そして、
自己責任説を唱える人は、狂言説を唱えた人が責任を問われた場合、その責任を否定することは出来ない。
狂言説という悪質なデマを流したことによって(自らの行い)、
そのデマからの被害者から賠償金や謝罪を要求されて(自らに生じた損害)、それを払う(自らをもって補償)上の文章で言いたかったのはこの事です。
因みに、これは今回の人質には当て嵌めることは出来ません。
finalventさんの言う通り国家に自国民を救出する責任があるからであり、そのような業務を国民と国家が契約しているからですね。
その救出の政治的問題(どこまでやるか?)という問題はあるものの、国家にその責務があるのは自明の理でしょう。
勿論こんなのは高校生ぐらいでも解かる常識ですから、自己責任論を唱える人はそれを知った上で唱えている。つまり、このような近代的社会契約論を破棄せよと主張していると判断するのが妥当なので、その社会契約論を出しても無駄かなと思うのですが。
投稿: いわん | 2004.04.18 23:10
>いわんさん
ちょっと喧嘩売り口調で申し訳なかった。
狂言説を説いている人が訴えられた場合は、他人から訴えれるという意味においては、本人の責任に対する自覚は関係なく、被害者となる家族に訴えられて、たとえば裁判になるというだけのことです。
もちろん、少なくとも民主国家というものは国民の生命と財産を守るという機能を大前提としてもっています。だから今回も政府は動いています。ちなみにこちらでは「救出を放棄しろ」と言ってる方はいないと思います。
めちゃくちゃ極端な例を出すと、1万人の成人が、バラバラに、政府が勧告を出している危険地域に入り込んで、それぞれ別件で人質になった場合、いったい救出にどれだけの費用がかかるでしょうか?この支出負担を全額税金で賄うことに過半数の国民があっさり納得するとは思いがたい。近代的社会契約にもとづき救出はするから、一部お金払ってよ、って言ってもそんな変な話じゃないと思います。ポイントは、度重なる勧告があった、というところです。
だから、今回の外相の自己責任発言はそうはずれた話ではないと思うわけです。捕らえられれば助けなければならないので。さらに、相手の仲介役が反米急先鋒の派であったりするとたまったもんじゃないのです。これは今の政府にとってはの話ですけどね。
エフさんのおっしゃるとおり、今の段階で個々の話をあまりつきつめても限度があると思うので、もう少し大きな流れに目を向けるようにしようと思います。
失礼しました。
投稿: いちげんさん | 2004.04.19 14:17
>いちげんさん
ポイントを絞って返答します。
>危険地域の情報
>具体的にどういう類の情報のことを言っているのでしょうか?それは一般国民の利益になるものなのですか?
安田さん(開戦前「人間を盾」をやっていたことについて、個人的にはあまり評価したくないですが)が言っていたとおり、市民の生の声を伝えるということや、その他の現地情報一般です。
信頼性の高低はあっても、政府セクションの外からこういう情報を得ることが現代の民主社会にとっては必須です。その意味で一般国民の利益になります。
戦略のない人々がたくさん危険地域に行って捕まって国民に迷惑を与える可能性があるから、日本人としてはそんな活動は奨励しない、救出費用の一部自己負担というルールであらかじめ障壁を設ける、という判断はあり得るかもしれません。
いずれにしても自己負担分は事前に規定しておくべきでしょう。覚悟と戦略を持って危険地域に行く人をdiscourageしすぎない程度になれば良いですが。
投稿: yuno | 2004.04.20 08:35