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2004.04.11

日本人人質解放雑感

 イラク人質事件について、2004年4月11日7時の時点で、自分が思うことを記しておきたい。つまり、人質解放が決定された後の感想ということだ。
 日本人の人質3名が解放されてよかったという思いと、私には、そうして自分の心が日本に閉じていく気持ちへの不快感がある。プロ市民なんか殺されてもいいといった阿呆な心情に誤解されないように気を使って言うのが難儀なことだと思うが、極東ブログも「保守」のラベルで済まそうとする人が読む時期になったのだからなと苦笑する。
 自分の不快感は、日本人の生命だけを喜ぶ自分の心性についてだ。日本国民として当たり前は当たり前だが、卑しいと思う。テロリストに捕まっている他国の民間人は解放されていない。日本人のありかたが良かったから釈放されたのだというのは、テロリストに同意しているに等しい。
 今回の日本人解放は極めて政治的な結末になった。政治的な影響という点で、テロリスト側は日本人人質を殺すことと、解放することを天秤で計り、損得を出したわけだ。リザルトは政治である。その政治の意味を日本の知識人は受け止めることができるのだろうか。
 後出しじゃんけんのようなことは言うべきではないが、私はこれは解放されるなという印象も持っていた。でも、大丈夫、解放されるよ、と書く気にはなれなかったのは、おい、日本人だけよければいいのかよ、なにが大丈夫だよという感じがしたからだ。
 私のこの感覚は、考えてみると沖縄での生活の影響なのかもしれない。私は沖縄では米兵や元米兵とも交流があった。会って話せば米兵とて同じ人間である。沖縄は米軍によって被害を被っているし、また、つい米国という政治の括りで考えてしまいがちだ。しかし、この沖縄の被害を構造差別としている主体は日本本土の政治である。
 ひとりひとりの人間という点で見るなら、私が沖縄への寄留民であるように米兵も同じだ。米兵も、イチャリバチョーデー(会えば兄弟)でしょとサヨに言ったら嫌がられたこともある。サヨさんは、米兵は短期の寄留であり余所者だと言いたいのだろう。それなら私も余所者であり、イチャリバチョーデーはなくなる。だが、米兵のうち、そう少なくない人間が沖縄とその民衆に強い思いを残し人生を変えていく。沖縄が彼らを変えるのだ。彼らは、沖縄を愛していると言っていいし、人生に深く関わる。沖縄に来ることで米兵にはその人生の別の次元の可能性が開ける。在沖米兵も潜在的なウチナーンチュではないのか。平和がありうるなら、沖縄はその独自な視点に立てるのではないかと思った。
 先日、沖縄からの派兵された米兵に初めて戦死者が確認された(参照)。シェーン・ゴールドマン上等兵(19)、ジェシー・サーティ伍長(23)、マシュー・セリオ上等兵(21)、クリストファー・ラモス一等兵(26)の4名。同時ではないが、ファルージャ戦闘で亡くなった。歳はごらんのとおり。今回の日本人人質と同じくらいの若者だ。なぜこの若者たちが兵士になったかは知らないが、私はある程度予想が付く。同じような経験者を数名知っているからだ。大筋では、そうする以外に道はなかったのだ。徴兵でもあるまいにと日本人は思うだろうが。
 日本人は、「今回の日本人人質は平和目的であり、イラクの復興のためだ。それに対して米兵は戦争目的であり、イラクを破壊しているのだ」と言うのだろうか。そして、その先は、言う言わないにせよ、「だから米兵は殺されてもいい」となるのだろう。今回の日本人人質は危険地域のジャーナリスト・人道支援ということで、殺される覚悟はあったはずだ。私には、その点では、米兵と変わりないように思う。しかし、それでも兵は兵だ。だが、現在人質となっている他国民は兵ではなく、テロリストの被害者というだけだ。そのテロリストを憎み続けるべきなのだ。
 もちろん、「戦争そのものがいけないのだ」と言うこともできる。殺されるのはイラク人だって同じだ。だが、その結論には今は触れない。それは最後の言葉であり、その言葉を最後に言うためにこのブログを書いているのだという思いがあるからだ。
 私のことなど、どうでもいいといえばいいのだが、極東ブログも短絡して読まれるようになった。私が「小泉支持であり、自衛隊派遣賛成派にして保守」だと思っている人もいるようだ。苦笑する。首をすくめる……が、過去の文章を読んでいだければ、違いはわかって貰えるはずだとも思う。フランスは嫌いだがフランスを理解してのことだしな。だから過去の文章も読んでくれ、と言いたいところだが、私のメディアの勘からすれば、無駄だ。繰り返そう。
 私は、前回の衆院選挙で民主党に票を投じた。小泉政権を倒すためにだ。第一の理由は、民主党が日米地位協定の改定を公約に盛り込んだからだ。もう一点は官僚体制をリセットするためだ。全ての改革は官僚体制をリセットしなくては進まない。
 民主党がイラク復興の派遣に反対していることも知っていた。それはそれでいいと考えていた。私はこのブログでも書いてきたが、自衛隊をイラクに派遣することはどうでもいいと考えてきた。明確に、どうでもいい。その理由はすでに書いた。日本の勢力は微々たるものだし、戦闘に関わるわけではない。
 そして、私の意にはそぐわないが、多数の国民が選挙を通して確立させた与党の内閣(行政)がイラク・サマワを非戦闘地域と認定したのだから、そこへの派遣もあり得ると考えた。そして同じ理屈で、内閣がサマワを戦闘地域と認定するなら、自衛隊の撤去はありうると考えている。だが、テロリストの要求では断じてない。
 今回の解放にいたる事態のディテールの部分で、気になったこともメモしておきたい。今回の事件で、小泉や外務省の対応を無策と見る向きが多かったようだ。また、今後もそう見られるようだ。が、私が冷ややかに見る限り、小泉(福田だなつまり)と外務省は、きちんと動いていた。前もってシフトがあったとしか思えない。えぐいディテールもありそうなので、外務省もしっかり秘密は守ってもらいたいものだ。
 今回の事態も、クロノロジカルにはかなり早期の時点で、スンニ派指導者とのコンタクトがあったように思える。昨晩にはすでに解放の打診は取れていたことだろう。全体の動向としては、テロリスト側とそれを統括するスンニ指導者側の政治誘導は、かなりうまくいった。スンニ側の勝利と言ってもいいのだろう。シーア派を盛り立てないと主権委譲がうまくいかないのだから、頭の痛い話だ。が、それが政治というものだ。
 余談ついでに言えば、今はキリスト教徒は復活際の時期である。本来ならこの時期は肉食も忌む。停戦にはキリスト教信者への配慮もあると思うのだが、日本でその指摘はない。宗教音痴という感じはする。

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「時事」カテゴリの記事

コメント

ちょっとブログやってるからってもうマスメディアの中心にでもいるつもりっすか。自分は国のやってることや政治の流れはすべてお見通しってか。

一個人のおナルな政治信条なんざどうでもいいすよ。まあこれからサヨは「やっぱ自衛隊のせいだったじゃねえか!」って吹き上がり、ホシュは「やっぱ政府の対応は正しかった!」って吹き上がる。

そうやって世界は回っていくってことっすよ。

投稿: ジンタン | 2004.04.11 12:11

ジンタンさん、こんにちは。
>ちょっとブログやってるからってもうマスメディアの中心
>にでもいるつもりっすか。自分は国のやってることや政治
>の流れはすべてお見通しってか。
そう言われる感じはわかりますね。
確かに、もう少し謙虚に書くべきだったなと反省します。ただ、どうも誤解が多いなぁという感じが先行してしまいました。

投稿: finalvent | 2004.04.11 12:21

finalventさん、はじめまして。
上記の投稿で、finalventさんのこのサイトに対する真摯な姿勢を誤解されたことが残念でなりません。
私は、この事件に関するリンクサイトから来た一見読者に過ぎませんが、このサイトの見識と考察は決して安易な批判を受ける謂れの無いものだと確信しています。
ネットはまぁ、そういうものだと言ってしまえばそこまでなのですが、短絡的な侮辱を目にしてしまい、短絡的に反応をしてしまいました。
人質事件に関しては、これから明らかになることもあると考えられるので言及は避けますが、finalvent さんの文章が本事件での新聞やテレビでは得られない視点を教えてくれたことにお礼をさせていただきます。

投稿: 角 | 2004.04.11 13:19

角さん、こんにちは。嬉しいですね、そう言われると舞い上がります。と、冗談はちょっとおいて、例えば、ジンタンさんが「そうやって世界は回っていくってことっすよ。」という感性はある意味で、ファイナルだと思うのです。理解はできます。

そのファイナルな部分というのをどう自分が受け止めていくのだろうかと自問します。

あと、自分への批判への許容性というか、できるだけ罵倒もきちんと受ける必要はあるのかなとも。うまくいかないのでドジりますが。意外に思想の課題というのはそんなところに潜んでいるのかもしれないという感じもします。

投稿: finalvent | 2004.04.11 13:39

 こちらの分析はバランス感覚が素晴しくいつも感心して読ませていただいているのですが、今回のトピックに関してはちょっと首を傾げました。「人質解放が決定された後」と書いておられますが、身柄の引き渡しがおこなわれていない以上、なにも決定的な事実はないはずです。個人的には、この問題に関する報道もネット上での言説もすべて違和感があるのですが、それはどう考えても「人質の保護」にとって自衛隊の動向も日本のイラク政策も無関係だとしか思えないのにそればかりが語られるためです。自分のこととして考えればよくわかるはずだと思うのですが、たとえば私が海外(イラクではなく、アメリカでかまいません)で営利誘拐されるなり、テロリストにとっつかまるなりしたとして、メディアに送り付けられた要求(政治犯の釈放とか指定口座への入金とか)を唯々諾々と飲むことを交渉窓口も存在しない状態で望むでしょうか? 少なくとも私だったら絶対にイヤです。その場合、要求が叶えられた時点で殺される可能性がきわめて高い。今回のケースにしても、窓口もない、交渉もゼロで自衛隊が撤退してくれたなら、自分たちの活動拠点やメンバーについての情報を多少なりとも把握しているアメリカの同盟国の国民をわざわざ解放するなんてバカな真似は私がテロリストなら絶対しません。事件が発覚してからの報道や家族の要求が変だとしか思えないのはこの点です。「自衛隊撤退/人質死亡」というまったく無関係なものがなぜか二托になっている。撤退して殺されるという可能性がハナから無視されている。はっきり言って今回の事件で政府が国民に対し責任を負い、義務を持つのは飽くまで海外での邦人保護の問題で、外交政策ではないはずなのです。その意味で今回の外務省の対応はきわめてまっとうだし、正しいものでしょう。そのことは異常としか言いようのないかつての拉致事件への対応と比較すればあきらかです。少なくとも私は日本の国民として、外交政策上の事情から事件の存在自体を無視されたり、考えなしに相手の要求を飲む政府より、保護のために交渉窓口確保に動いてくれる政府のほうがはるかに好ましいと思います。ついでにいえば私は危険地域に自由意志であえて行ったから「自己責任」だ、という議論もなんだかおかしいと思っています。「自己責任」で済まないから国際的な大事件になっているのだし、個人がそんな責任を負えると考えるほうが思い上がりでしょう。彼らがあそこに行った動機も覚悟も問題ではありません。これまで海外で営利誘拐にあって死亡したひとや事件に巻き込まれて、行方不明になったひとより彼らが立派だったり、かわいそうだったりする訳がないのです。彼らは海外でトラブルに巻き込まれた気の毒な日本人旅行者であって、それ以上でも以下でもない。まるで営利誘拐より今回の事件のほうが悲劇的であるかのような報道のされ方がじつは一番不快です。私には自由意志で渡航した今回の事件の人質のほうが、仕事で否応無く海外に出て誘拐ビジネスの対象にされ殺された商社マンのほうがはるかに悲惨に思えます。

投稿: boxman | 2004.04.11 14:27

また遊びに来ました~

「マスメディアの中心」というコメントを見て、やっぱりマスメディアってもののもたらす効果よりも、その存在自体が誤解されつつあるのだなぁと思いました。マスメディアで働く人達は今のメディアは本来のメディアではないという事を知ってますけれども、一般の人達はこれだけ露呈していても、知らないのかもしれません。

ちなみに、私は小泉政権を応援してますよ(笑)。というのも民主党が与党になったら、小沢と菅とで今まで得られなかった利権争いで泥沼になるだろうなという事が感じられますので。ただ、小泉政権に期待しているかと言われると、そういうわけでもなく…(笑)。究極の選択って事で考えれば、経済的問題や日本再生と考えると、毒はあってもある程度は一本やりでもいいので、ワンマン的であるべきだろうなと思ってます。国会でいつまでたってもグタグタと会議していて遅々として進まない状況よりもはいいと思って(笑)

で、今回、市民団体とか色々と人質問題で騒いでますが、既にイラクで日本人外交官2名が殺された事は忘れちゃってるんですよね。いくつかのBlogでは初の危機とか書かれているものを見ましたけれども、派遣前から危機的な状態にあるって事をメディアは伝えきってないのかも知れません。あの時は、一時的な話題にはなっても、現在進行形ではなく結果として、そこで終わりでしたから、興味もそこで終わってしまったのでしょう。マスメディアを信じきっている人達には「それが全て」なのだなぁと思いました。

あと、ちなみに、まだ人質は解放されてないです。
「開放する」と言っただけの状態ですので。
多分、高確率で開放されるでしょうけれども。
何しろ、中日新聞の記事で「高遠さんは事件前、本紙記者らに、自ら「ムハンマド軍」の名を挙げて、同軍のメンバーに極めて近い人物と接触したと語っていた。」と言ってますので、ちょっとキナ臭い匂いもします。また、今井さんのメールで「予想以上にまずい状況になっていることが伝わってきているので、非常に心配する面もありますが、安心する側面もありますので、あとは運次第ということになり、行くことに」とあって、そこまでヤバい状態でも強行して入る理由が良くわからず(劣化ウラン弾の調査なら後でも出来るから。発射している所を見るよりも、その効果の方が被害を訴えやすいだろうし)、そうなると「安心する側面」というのが、人質になって彼らの主張を伝えれば優遇される…という事なのかなとも勘ぐってしまいます。この3人、ほとんどつながりがないハズなのに、そういった線だけは、何故か繋がってしまうんですよね…。

本当だったら、自衛隊は撤退するどころか、政府方針として人質を取られた後にも「撤退はしない」と公言したので、テログループとして制裁を与えるだろう事は予測できるんだけれども、それで開放してしまうのだったら、何のための人質だったのか不明だし。ちょっと不可思議な事が一杯あるな~と(^_^;

投稿: バカぽん | 2004.04.11 16:06

> 一般の人達はこれだけ露呈していても、知らない

無知は罪、と誰かが言ってた。一個人のblogと報道の区別が付かない人は「一般」でなく「一部」であってほしいと思う今日この頃。

投稿: あんぽんたん | 2004.04.11 17:21

あ、上のは一番上のコメントへの嫌味です。

投稿: あんぽんたん | 2004.04.11 17:25

こんにちは。今回も楽しく読ませてもらいました。

finalventさんが「サヨ」でも「ホシュ」でも、ましてや「ウヨ」でもない、すごくニュートラルなポジショニングであるのは、その誠実なコメントからもよくわかるのに、ここにコメント書き込んでる他の人はほとんどホシュ系の人ばっかですねぇ。これって何でなんでしょう・・・。やっぱり世の中の割合として、日本では「ホシュ」が絶好調だからでしょうか(あとは政治に全く関心ナシな方々)。

さて、今後の展開ですが、やっぱり「サヨ」と「ホシュ」の対立が先鋭化するのではないでしょうか?? で、ニュートラルな方々(finalventさんのような方から多分ジンタンさんみたいな人まで含めて)は、自身の立場を理解してもらうのに非常に手間がかかるので、それこそ「メディア」にも取り上げられず、「サヨ」と「ホシュ」の両極端で議論が進んでいってしまう・・・。多分finalventさんもそのあたりを危惧されているのでは?(間違ってたらすみません!)。しかし、例えばギデンズの「第三の道」みたいな基本文献も読んだことのないような連中が議論の中心になっちゃうでしょうから、日本は末恐ろしい方向に進むことになるかもしれませんね。

投稿: ズッコケ野朗 | 2004.04.11 18:27

とても大事件扱いで報道されているというのを数日経ってから知ったので温度差があるかもしれませんが、瞬間に思ったのは
「受難週」+「過ぎ越しの祭りの後の祭期」を狙ってのアメリカへの嫌がらせかな
でした。
なお西方教会は現在はカトリックが四旬節の金曜日に肉断ち、聖金曜日は断食ですが、プロテスタントは何もしないようです。イラクのキリスト教徒は東方諸教会系が多いようですから、肉だけでなく魚等も断つのではないでしょうか。今日?解放というのは、復活祭にわざとぶつけているのではないかとも思いますが、深読みしすぎかしら。

投稿: | 2004.04.11 18:59

(ズッコケさんの発言を受けて)


やっぱメディアの影響力って強いなと思います。
ほとんどの人が、現在のマスメディアはすべてが真実ではない、ということに気づいているはずなのに・・いつの間にかそこでのギロンに絡みとられていくんですね..

(ぼくは最近メディア(新聞・TV)接触率が極端に低いので、むしろ世間とのズレのほうが心配ですが..)

で、そういうのはマスコミュニケーション効果における議題仮説で提示されていた流れと似ているような気がします

おおざっぱにいうと、<なんらかの議題が設定され視聴者にはYes, Noの選択肢が与えられる。でも、問題はYes, Noではなく、この議題設定自体がおかしいことなんだけどそれには気づかない>、って感じの..

もしくは表象の効果ですが・・
(くだらない言説や映像でも何回も繰り返されてると、ちょっと効いてくるのでは?・・と思ってます。実証はされてませんが..)

んで、思うのですが..
やっぱ「第三の道」なんかは読む人少ないから・・(一般的に考えて)
なので、問題はそれ以前のバランス感覚なんだと思いますが..

私見では、finalventさんもその辺は気にされていたように思います(<大衆がおりこうさんなほうについてってる>でしたかね?)


・・・・・いろいろ問題山積みですね...

投稿: m_um_u | 2004.04.11 19:00

初めまして、だいと申します。いつも興味深く読ませて頂いてます。

上の議論からも最近の風潮からも思うんですが、どうして日本人は「サヨ」vs「ウヨ」ないし「ホシュ」という非常に粗雑な枠組みに人の意見を括ってしまうんでしょうね。いつも違和感を感じて仕方ないです。finalventさんのように論理一貫した考えを持っていても一面だけを以ってサヨだのウヨだの的外れなレッテル貼りが行われる。知的貧困ないし怠慢の為せる業でしょうか。

投稿: だい | 2004.04.11 19:14

すみません、マトコメ(死語)代わりに、その後の状況などについて思うことを少し書きます。いくつか不確かな点もあるかもしれませんので、その辺は、ご判断ください。

19:30現在まだ人質は解放されていません。その意味で解放されたがごとく書いたのはよくなかったかという反省の思いはあります。しかし、書くべきでなかったとまでも思いません。

解放されるだろうと昨日時点で読んだのは、以前のイラク人の意識調査からイラク民衆の日本人への好感の層はかなり厚いので、テロリストが部族社会との整合を持つならそこから交渉の余地はあるだろうと思ったためです。また、ブログにも書きましたが、殺した場合と生かした場合の損得計算です。これを言うのは批判を受けるかもしれませんが、イラクではすでに誘拐がビジネス化しているので、日本外務省はこのあたりの状況を知っているだろうと推測しました。そして、今回外務省は手はず通り仕事をしているように思えました。

この間、私はTVニュースはほとんど見ません。人質の親御さんの映像は、ひどいことを言うことになりますが、問題解決の点、また、問題を考える上では雑音です。しかし、日本社会にはニーズのあることなのでしょう。

日本人人質解放には米軍がなんらかのかたちで噛んでいると考えて妥当だろうと思います。そのあたりの裏は気になります。今回の事件は、自作自演とまでは思いませんが、なにか裏がある感じは拭えません。帰国後になにか出てくるかもしれません。

この間の外側の状況に関心を払いました。まず、イラクで行方不明のドイツ人は殺害されていました。米人人質の期限は近づいています。こちらは米人殺害に至るのではないかと思われます。

日本の空気に、テロリストを憎む心情が少ないことに、私は違和感があります。しかし、それはまったく理解できないものでもありません。このあたりの心情のあり方は今後の課題かと思います。

ファルージャへの米軍包囲はきつくなっています。本気で武力に訴えれば掃討は可能でしょうが、国際世論などの配慮もあるのでしょう。むしろ、部族社会にれいの米人殺害の犯人引き渡し交渉をするというかたちで、真綿を締めるようにいじめている印象があります。私は、イラクが泥沼化しているのとは違う印象を持ちます。

さすがに私もむっときたのですが、米軍は、イラク人の軍組織を使ってファルージャで戦闘させようとていたようです。イラク人同士を戦わせるためです。これは、イラク軍組織側が拒否したようです。率直なところ、こうした発想をする西洋人が嫌になりますね。

サマワの駐在への砲弾犯人ではありませんが、サマワCPA砲撃の犯人は捕まりました。フセインに忠誠を誓う民兵組織「フェダイーン・サダム」でした。間抜け感が漂います。今回のテロリストグループにも、西暦の表記や修辞的な饒舌さに間抜け感はあります。黒幕なしということかなとは思います。

投稿: finalvent | 2004.04.11 20:01

はじめて書き込みします。

たまに読ませていただいているのですが、特に上のコメントで感じることが2つあります。

1.それぞれの情報のソースはどこか。「何をソースに判断しているのか」がわからないため、コメントの信憑性が失われています。

2.テロを掃討可能とお考えのようですが、それは甘くはないか。テロや犯罪の発生原因に対する分析がなく、再発防止の視点が欠如している。従って、私から見ると単に「テロと武力行使のマッチポンプ」を翼賛しているようにしか読めない。

個人的なブログでしょうから、それぞれのイデオロギーがあって当然ですが、それにしては妙に「突っ込んだ分析」をされているようにも見える。出来ましたらもう少し判断の根拠などを提示してもらえるとうれしいです。

投稿: chichi | 2004.04.11 21:33

こんにちは。

人質事件に関してのコメントではないので申し訳ないのですが、
ニュートラルなんてありえないのではないかと思ってしまいます。いや、もちろんニュートラルであろうとする姿勢は大切なことなのでしょうけど。ニュートラルなんてつまらないと思うのは僕が青いからなのでしょうか。

同じ流れで、finalventさんが上のほうで触れられていた、「ファイナル」ってこと、分かる気がします。人類、あるいは進化の歴史ってそうなのかもしれません。

ファイナルな部分をどう受けとめて行くか、についてですが、
週刊文春の阿川佐和子と浅草キッドの対談で、たけしは袋小路を突破している、みたいなことが書かれていて、なるほどなと思った記憶があります。

脱線失礼しました。

投稿: 22 | 2004.04.11 23:25

ニュートラル≒相対化(ネタ化)と考えればどうでしょう?

投稿: pikls | 2004.04.12 00:01

個々のコメントはすみません、省略させてください。補足的なコメントとして、chichiさんのご指摘「それぞれの情報のソースはどこか」ですが、今回のケースでは、
http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20040411
に私のメモがあります。十分なソースとはいえないまでも、個々のケースで気になる点がある場合はご参考としてください。なお、こちらのサイトは、私的なメモも含まれ、情報は十分には整理されていません。

投稿: finalvent | 2004.04.12 08:40

 一般市民が人質になるのと兵士が人質になるのとでは、全く違う点があります。兵士は武装しているのです。一般市民は自衛手段を持っていないが、兵士は自衛のための戦闘行為が可能です。戦闘訓練も受けていますし、武器も携帯しています。一般市民も兵士も命の価値は等しいですが、人質になった場合は意味が違ってきます。一方は犯人を傷つけることができず、他方は犯人に深刻な損害を与えることが可能だからです。一般市民と兵士とはそもそもイラクに滞在している意図が異なるわけです。ですから、彼らの命を等価と見ることは賛同できますが、人質としてまったく同じ意味があるとは思えません。
 18歳の男性は「取材で」イラクに滞在していたそうですが、いったい高校を卒業したばかりの18歳の男性が、戦場や危険地域での振る舞いについての特別な訓練も受けていないだろうし、知識も持ちあわせていないような身で、政府の勧告を無視してイラク入りし、報道に対する何らの素養もなさそうなのに劣化ウラン弾による被害を「取材」することが可能だったのでしょうか。親は止めなかったのか。この18歳の男性の親の管理責任を問うべきだと思う。
 他の2人については立派な成人なので自己責任を貫いていただきたいと思う。命を的にすれば、国民の合意による政権の政策を曲げることが可能なのだとすれば、日本の政治体制とは、重要な政府決議時には自殺者が出かねない体制ではないですか。

投稿: まぁく | 2004.04.17 11:28

はじめまして。
昨夜記事を拝見していて、いきなり沖縄の話が出てきてビックリしました。
私も元々北海道の人間ですが、沖縄に5年半くらい住んで「世界の見方が変わった」クチです。もう15年が過ぎて、身体の奥深くにまで引っ込んでしまいましたが、「決定的に変わった」と言っていいですね。
この感覚を理解してもらえる方にはなかなか出会わなかったもので、ついついコメントしてしまいました。

私は政治的なモノに関わりたくなくて技術の道を選んだ人間ですが、結局上に上り詰めるとコンサルとして行政が絡んでくるもので、最近は…これからもちょくちょく覗かせて頂きます。
それでは。

投稿: エスねこ | 2004.04.18 14:30

エスねこさん、こんにちは。沖縄は人生観変えますよね。そしてそのことがなかなか伝わらない。というわけで、ブログでも沖縄の話がときたま出てきます。

投稿: finalvent | 2004.04.19 11:30

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