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2004.03.15

浅田農産事件で隠蔽されている日に何があったのか?

 新聞休刊日でもあるので、社説関連のネタはない。このところなんとなく気になっていた鳥インフルエンザ関連の話を書く。
 極東ブログでの扱いでもご覧の通り。私は浅田農産を巡る鳥インフルエンザの話題にあまり関心を持ってこなかった。先行した韓国の例から考えて、日本がこの問題でヒステリックになるだろうなとは、なんとなく思っていたが、先んじて国家対応を取っていたシンガポールの状況について知っていながら、なんと大げさなという印象を持っていた。「現段階では人に感染する危険性はかなり低いから、それより、鳥インフルエンザとは関係ないが生卵を食う習慣を日本人はやめたらどうか」などと呑気なことなども思っていた。今現在でも、そうした感覚は変わらない。
 だが、この事件をまさに事件として見たとき、何が起こっていたのだろうと気になって、ネットでわかる範囲で調べてみようと思った。少し調べてみると、少し変だ。そのあたりを簡単に書いてみたい。
 ある事件が勃発したとき、私は最初の報道がとても気になる。最初の報道は間違いも多いのだが、後から消されない奇妙な情報が残ることも多いからだ。その点で、浅田農産関連の事件を追ってみる。
 この件については、地元の京都新聞にわかりやすく報道がまとめられていて興味深い。時系列に書いたほうがいいのかもしれないが、あれ?と思ったあたりから書く。
 まず、浅田肇会長(67)とその妻でもある知佐子監査役(64)の自殺についてだ。確か、切込隊長こと山本一郎のブログでは、他殺じゃねーのみたいな一言があった。彼はその件でその後のフォローはないようだ。私はといえば、あまりそういう線は考えていなかったので、ふーんと思ったくらいだ。血なまぐさい場所にいることの多い彼の感覚ではそう思うものなのだろうかと呑気な私は思ったくらいだ。が、どうもそうとばかりでもなさそうだ。いや、今でも、他殺だと疑っているわけでもないのだが、初報を読むと意外な印象を受ける。「浅田農産の会長夫婦が自殺  兵庫 迷惑かけたと遺書」(参照)から。


 調べによると、2人は鶏舎の外の空き地で、高さ約8メートルの木にロープをかけ背中合わせで首をつっていた。死因は窒息死だった。浅田会長は作業着に白い長靴姿、知佐子さんはグレーのジャケットにズボン、黒い靴をはいていた。
 浅田会長の長男で浅田農産の浅田秀明社長(41)が7日午後10時から11時ごろにかけ、浅田会長が本社にいるのを確認しており、その後、自殺したらしい。死後数時間経過していたとみられる。
 現場近くの自宅1階のダイニングキッチンにあるテーブルの上にボールペンで「大変御めいわくをおかけしました。申しわけございません。弁護士と従業員によろしく」と書かれた縦横約10センチの白い紙1枚が置かれていた。あて名は書かれておらず、末尾には「浅田」とだけ記され、浅田会長と妻のいずれが書いたのかは不明という。

 変だなと思ったのは、特に最後の文のところだ。それが遺書かぁ?である。また、「浅田会長と妻のいずれが書いたのかは不明という」なんていうことがありうるのだろうか。
 他殺、つまり、誰かが吊したという可能性くらいは警察の調査でわかるはずだ(わからない可能性も高いのだが)。直接的な他殺という線は低いのではないか。が、それにしても、この状況は、私などがそれまでニュースを通してイメージしていた状況とはかなり違う。自殺現場やその関連についての続報なども聞かない。全体の印象としては、「これでヤバイこと言いそうな口を封じたな」である。もしそうなら、そのヤバイことは何だろうか? とりあえず、これはわからないし、仮定に仮定を重ねているので推理は注意深くしたほうがいい。
 浅田農産事件の最初の報道に移ろう。京都新聞での最初の報道を見る。2月27日のものだ。これがなかなか面白い。「『どうすればいいのか』 丹波で鳥インフルエンザ」(参照)である。なお、匿名電話があったのは26日である。

 「1000羽以上の鶏が毎日死んでいる」。京都府丹波町で27日、匿名の電話をきっかけに鳥インフルエンザの陽性反応が判明した。現場の養鶏場周辺は物々しい雰囲気に包まれ、関係者も慌ただしく対応に追われた。
 「飼育している20万羽すべてを処分しなければいけないのだろうか。どうすればいいのか」。養鶏場を経営する男性(41)は、同日早朝から詰め掛けた大勢の報道陣を前に、戸惑いをみせた。
 民家もまばらな山間部。鶏舎から元気な鶏の鳴き声が響く。

 なにが面白いかというと、「養鶏場を経営する男性(41)」という表現や養鶏場の場所を特定しないことだ。この時点で、京都新聞の記者はなにを考えていたのだろうか?
 私の印象は、というと、この記者はそんな大それた問題になるとは思ってなかったのではないか。このあたり、浅田農産側も、それほど社会的な事件という印象は持ってなかったのではないだろうか。というか、いったいこの事件の社会的な意味は何なのだろう。もちろん、日本社会の集団ヒステリーに近い。
 同日の次報も面白い。「『通報遅れは残念』と批判  丹波の鳥インフルエンザで農水相 」(参照)より。

 また、鶏の大量死亡について養鶏業者からの連絡が遅れたことについては、「19日にも立入検査をしたと聞いている。都道府県には防疫マニュアルに従い、再三、周知を徹底している。通報が遅れたのは残念」と、対応の遅れを批判した。

 発言部分は亀井善之農水相だが、この言い分を単純に理解すると、19日の時点では問題なかったということになる。が、そうでもない。「丹波の農場、鶏1万羽死ぬ  鳥インフルエンザ、5羽から陽性」(参照)にはこうある。

 府は2月17日に、全国2例目の鳥インフルエンザ感染が大分県で確認されたのを受け、府内の養鶏場を立ち入り検査。府畜産課によると、2月19日、同農場の聞き取り調査では「異状は認められなかった」という。鶏舎への立ち入り検査はしていなかった。

 つまり、19日には立ち入り検査はしていない。亀井善之農水相は実態を知らなかったのだろうか。私の印象では、常識的な判断だと思うが、「バックレていやがるなコイツ」だ。亀井善之農水相及びその配下は何かを知っているなと疑う。19日に立ち入り検査をしなかったポカの言い訳とは考えづらい。それは墓穴になるからだ。何をコイツらは知っているのだろう。これも、仮定に仮定を重ねるの感があるので、ひとまず置く。が、17日には立ち入り検査があったのだろうか。いずれにせよ、その時点では、鶏は死んでなかったと考えてもいいだろう。
 先の報道でもう一点、重要な事実がある。

 府によると、26日夜、府南丹家畜保健衛生所などに「丹波町の養鶏場で1000羽以上のニワトリが毎日死んでいる」との匿名の電話があった。同所員が浅田社長らに聞き取り調査を行ったところ、飼育している約20万羽のうち、「20日ごろから毎日1000羽、計1万羽が死んだ」と話したという。

 浅田社長の言葉をそのまま信じるなら、20日から鶏は死に始めたことになる。
 ところで、鳥インフルエンザの潜伏期間はどのくらいだろうか? 京都新聞の記事に答えがあった。「鶏肉や卵、毎日でも心配ない  京都市立病院感染症科部長に聞く」(参照)では、清水恒広・京都市立病院感染症科部長の説明が掲載されている。

 鳥インフルエンザはH5型もH7型も、人のインフルエンザA型と同じタイプだ。病気の鳥と濃厚な接触歴があり、迅速診断キットでA型と分かれば、疑ってみる必要がある。ただし、人のインフルエンザの潜伏期間は1-3日間に対して、鳥インフルエンザは3-4日間といわれる。少し長く経過を見なければならない。

 つまり、鳥インフルエンザの潜伏期間は3、4日ということだ。
 とりあえず辻褄は合う。つまり、17日時点では異常がないが、その日から3、4日で鳥が死に始めたということだ。
 とすれば、浅田農産に鳥インフルエンザが潜入したのは、少しスパンを取ったとして2月15日から17日ではないのか。この疑問の意味が理解してもらえるだろうか? そう、私は鳥インフルエンザは人的に持ち込まれたのではないかと疑っている。とはいえ、まったくの陰謀論を考えたいわけではない。わざわざ悪人が鳥インフルエンザに感染した鶏を浅田農産に混入させた、などとは考えない。ただ、人的に鳥インフルエンザが浅田農産に持ち込まれたのだろうと思うのだ。そう思う理由は、先にも引いた「丹波の農場、鶏1万羽死ぬ  鳥インフルエンザ、5羽から陽性」の記事にある。

  伊藤寿啓鳥取大教授の話 京都のケースが鳥インフルエンザだとすると、状況からみて山口、大分両県で鶏に感染したウイルスが来たとは考えにくい。地理的に朝鮮半島に近い両県と比べ、野鳥が運んだ可能性も低いかもしれない。海外から散発的に来たウイルスが感染を引き起こしているのだろう。さまざまな仮説を立て、考え得る感染ルートを遮断すべきだ。

 記者が伝言をたらっと書いているのだが、ここで伊藤寿啓鳥取大教授は、浅田農産での鳥インフルエンザ感染について、こう指摘している。

  • 山口、大分両県で鶏に感染したウイルスが感染したものではない
  • 野鳥が運んだ可能性も低い
  • 何らかの経路で海外からウイルスが持ち込まれた

 この指摘は、人的な介入を示唆していると考えていいのではないか。
 ここで、ごく基本に戻るために、「週刊こどもニュース」の「鳥インフルエンザってなに? (04/1/17放送)」(参照)を引く。 なお、この説明事態は、山口県での鳥インフルエンザを想定していたが参考になる。

韓国でインフルエンザにかかったニワトリの近くにいたカモにウイルスが入り、このカモが日本に飛んできて、山口県の養鶏場の近くに来て、ウイルスが、この養鶏場のニワトリに感染したのではないか、という可能性が考えられるというわけです。
 また、養鶏場に出入りしている人やトラックに付いていたり、ニワトリのエサについていたりした可能性がある、という専門家もいます。

 まどろこしいようだが、浅田農産のケースでは野鳥説が消えているので、次の2つが残る。

  • 養鶏場に出入りしている人やトラックに付いていた
  • ニワトリのエサについていた

 つまり、今回の事件で、もっとも真相を解明しなければいけないのは、2月15日から17日の浅田農産養鶏場の人とトラックの出入りと餌の状況だ。
 だが、それが報道されているだろうか?
 いないと思う。なぜなのだろう。
 そう考えると、先に仮定の仮定として残した部分がすべてここに集約するようにも見える。この先は言うまでもないが、あえて言うなら、「殺害と決めつけるわけではないが、浅田農産の老夫妻の口を封じ、カラスに社会ヒステリーを向けさせているやつは誰か? 2月15日から17日に浅田農産に何があったのか?」となるだろう。
 極東ブログとして、浅田農産事件について指摘したいことは以上。
 が、最近騒がれているカラスについても一言。
 同じく京都新聞の記事だが、「死んだ野生カラス2羽からウイルス  船井農場と園部町」(参照)をひく。

 国内の鳥インフルエンザをめぐっては、大陸から渡り鳥がウイルスを持ち込んだ“野鳥犯人説”もささやかれているが、専門家は「船井農場には大量のウイルスが蓄積しており、今回は(養鶏場に出入りした)カラスが被害者となった可能性が高い」とみている。
 環境省と共同で各地の発生地周辺の野鳥調査を続けている大槻公一鳥取大教授(獣医微生物学)は「船井農場で鶏の大量死がピークだったのは1週間以上前。もしカラスがウイルスを持ち込んだとしたら、もっと早くに死んでいるのが見つかったはず」と指摘。
 約5キロ離れた丹波町内の高田養鶏場でも2次感染とみられる鶏の被害が起きたが、鶏舎は野鳥が侵入できない構造で、カラスがウイルスを媒介したとは考えにくいという。

 現在となっては、カラスが感染を広める危険性は十分ある。だが、浅田農産へウイルスを持ち込んだのはカラスじゃない。

追記3.23
 新しい事実から、大量死発生の時期は20日ではなく、17日より数日遡ることがわかった。それに合わせて、疑惑の日々をマイナス3日補正する必要がある。

残るなぞ、真実どこに 連載「何が起きた(6)」


 鶏の大量死が始まったのは2月20日とされる。その3日前の17日、浅田農産の幹部から愛知県の飼料会社の研究所に電話があったと研究所の獣医は証言した。「ちょっとようけ鶏が死んでるんや」との電話。「鶏を解剖したら、腸がソーセージのように腫れている」。症状を聞いた獣医は「腸炎かもしれない。しばらく様子をみてほしい」と伝えた。
 獣医は、のちに鳥インフルエンザで鶏が大量死したことを知り、悔やんだ。「どうしてもう1度連絡してくれなかったのか。1000羽も腸炎で死ぬなんてありえない」

 なお、この間の関連ニュースを見ていても、私の考えでは、依然、人的な感染が最も疑わしい。

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コメント

特に賛同とかではないんですが、自殺の報を初めて聞いた時の「嫌な感じ」を覚えています。さあ自殺するぞ自殺するぞ、そら自殺した、みたいな段取りのようなものを感じました。

山本美保さんの件といい、警察発表も信用できませんし。

投稿: a watcher | 2004.03.15 18:14

なんとなく、新井将敬代議士の自殺を思い出しました。あれも不透明な幕引きが行われましたね。

投稿: 高橋章 | 2004.03.15 18:52

電波ブログ?

投稿: (anonymous) | 2004.03.15 21:20

自分の思い込みを満たすのに都合のよい記事をつなげていい気になってるだけの糞エントリーだね。

投稿: (anonymous) | 2004.03.15 21:32

電波ブログ?さんとお呼びしていいのでしょうか。匿名でいただいたコメントですが、個人ブログなんてそんなものじゃあないでしょうか。「糞エントリーだね」なんて、言わないのが、お約束。

投稿: finalvent | 2004.03.15 22:35

なんか、ああいう脊髄反射系厨房書き込みを見ると、finalvent氏の陰謀論的推論はかなり正しいところを穿っているのではないか、なんて思えてしまいます。

バカにバカというとろくなことはない、というのはご存知のはずなので、ご自愛ください。

投稿: teddy | 2004.03.15 22:44

teddyさん、どうも。私自身が脊髄反射系ですね。示唆、ありがとう。

投稿: finalvent | 2004.03.15 22:54

う〜ん。自殺の不自然さの方ばかりに目がいっていた私の反応が代表的なものだとすると、この切り口の可能性は高いような気がする。人里離れた所ならばウイルス散布でも直接注射でも目撃者無しでできますね。人為的だとすると目的を持った行動でしょうから、餌系からは何も出ない可能性もありますね。裏側にどんなストーリーがあるのやら・・。

投稿: いし | 2004.03.16 03:08

立ち入り検査した役人が持ち込んだ可能性もありますね。
テレビや新聞では疑いを持ってもそこまでは出せません。
わからないものはわからないとしといたほうが無難ですから。
ただ、指摘したあたりを調べてはいると思いますよ。

投稿: (anonymous) | 2004.03.16 07:21

a watcherさん、高橋さん、ども。戦後の犯罪史を見ると、自殺はどうも奇妙なものが多いですね。ただ、それこそ立ち入ると面倒かなと。

投稿: finalvent | 2004.03.16 08:39

いしさん、ども。人為的といっても、私は浅田農産を意図的に狙ったとまでは思っていません。ただ、浅田農産側の裏話はありそうな気はします(その後の社長の経緯を見ていると)。

それと、慣例でanonymousとしましたが、ご指摘の件、「指摘したあたりを調べてはいると思いますよ」に期待したいです。

ふと連想ですが、貝割れ大根の際の国の対応も結果的にみると変でしたね。

投稿: finalvent | 2004.03.16 08:42

知り合いに阪○畜産と取引しているゴルフ場、
浅田農産と取引していた生○の従業員がいるんですが、
この世界はかなりダークなようです。
釧路でBSE牛を発見した調査員の女性も自殺しましたよね。
「電波」とか言ってる人は警告のつもりだと思います。

投稿: (anonymous) | 2004.03.17 01:07

慣例でanonymousとしました。ご示唆、なるほどと思いました。ありがとう。自分としては、そんな「電波」とは思ってないのですが、こういう意見は困る人もいるのでしょうね。

投稿: finalvent | 2004.03.17 08:37

鳥インフルエンザという言葉が一人歩きしていたように思えた事件でした。
マスコミがここぞとばかりにヒステリックに報道していたのが気になりました。
もちろん連絡が後手になったのは問題であるけれども、卵や肉から人への感染はないのだと報道するべきだった気がします。
それこそが浅田農産以外の養鶏業者への配慮だと思いました。

投稿: (anonymous) | 2004.03.19 21:23

慣例でanonymousとしました。ご指摘の感じはよくわかります。この問題は一足先に韓国で問題になり、まさにご指摘のとおりの展開でした。幸い、日本では鶏肉パニックまではなっていません。

投稿: finalvent | 2004.03.20 09:41

今週の週刊新潮に「『鳥インフルエンザ』はバラまかれた「陰謀ウイルス」が原因だった!」と出ましたね。

投稿: | 2006.02.03 11:48

◆鳥インフルエンザ問題の今後
http://www2u.biglobe.ne.jp/~tamago/ai.htm

2005-11-10 マイクル・クライトン 『恐怖の存在』
http://d.hatena.ne.jp/schazzie/20051110
>こうした噂こそが新たな神話を生み、新たな疑似科学を支え、しかも真偽よりも「恐怖」のほうを撒き散らしかねないという、高度情報化社会の構図である。
>現代において支配的な<政治・法曹・メディア>複合体が、たとえ根拠がなくとも何らかの恐怖を広め大衆を操作してしまう構図を「恐怖の極相(ステイトオブフィア)」と呼ぶ

投稿: kokko | 2006.03.20 23:08

「週刊新潮」への抗議文の提出について
http://www.jpa.or.jp/news/item/2006/03/08/
11月8日(火)放送
鳥インフルエンザ  闇ワクチンを追う
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku2005/0511-2.html

新潮もNHKも「ガセねた」に踊らされてしまいました。
元はここの認識不足から始まっています。
http://www.medissue.co.jp/virus/journal/54_1_contens_jpdf.htm
(座談会 高病原性鳥インフルエンザをめぐって)

投稿: kokko | 2006.03.20 23:13

シゲタ動物薬品工業と人獣研のQ熱コクシエラ騒ぎで養鶏業界は酷い目にあった。騒動の最中に亡くなった故浅田肇氏に捧ぐ。

投稿: シゲタ動物薬品工業被害者の会 | 2006.10.07 14:09

鳥インフルエンザ事件の背後に見え隠れする未承認ワクチン

2005年に日本で発生した高病原性鳥インフルエンザの感染経路について、農林水産省が発表した「第7回高病原性鳥インフルエンザ感染経路究明チーム検討会の概要について 平成18年9月28日」には次のように書いてある。

イ 感染源・感染経路
[1] 原因として…未承認ワクチン又はウイルスそのものが持ち込まれて不法に使用された可能性は否定できない( http://www.maff.go.jp/www/press/2006/20060928press_8.html )。

つまり農林水産省は未承認ワクチンに含まれていたウイルスが原因となった可能性を示唆しているが、不可解なのはこの文章の後半部分にある「ウイルスそのものが持ち込まれて不法に使用された」という部分である。この部分は「誰かがウイルスを持ち込んで、鶏舎に散布した(バイオテロ説)」とも読める。ところで、既に公知の事実であるが、当時、シゲタ動物薬品工業(西尾義行社長)が新聞やインターネットにて未承認ワクチンを宣伝していた。しかし、養鶏業界は未承認ワクチンの使用を全面的に否定しており、そうすると誰かがウイルスを持ち込んで、鶏舎に散布したという可能性が残る。一連の鳥インフルエンザ事件で最大の打撃を受けたのが浅田農産(日本養鶏協会理事、副会長)、イセ食品、愛鶏園だという事実も不可解である。当時彼らは、シゲタ動物薬品工業(西尾義行氏)による「鶏卵のQ熱汚染キャンペーン」を激しく非難していたのだ。シゲタ動物薬品工業(西尾義行氏)が行った「鶏卵のQ熱汚染キャンペーン」は週刊東洋経済で詳しく報告されたが、養鶏協会のホームページにも掲載されている( www.jpa.or.jp/news/q_netu/i_tamago16_2.html )。

シゲタ動物薬品工業の西尾義行社長が「鶏卵のQ熱汚染キャンペーン」を始めた経緯は毎日新聞(1997/05/30)で報道されていた。西尾義行氏は、1997年に倒産したブルー十字の社長で、生きた犬猫から血液を抜いて動物病院に販売していたが、1997年に有印私文書偽造にて逮捕拘留され、会社は約70億円の負債を抱えて倒産。金沢地裁で開かれた初公判で有印私文書偽造の起訴事実を全面的に認めた。倒産後、会社再建計画について福井銀行などの債権者と協議し、西尾義行社長は、「Q熱判定検査による再建を目指す」と発表した。そして、社名を「ブルー十字」から「シゲタ動物薬品工業」へ改め、Q熱判定検査の営業のため「鶏卵のQ熱汚染キャンペーン」をはじめた( www.jpa.or.jp/news/q_netu/i_tamago16_2.html )。

シゲタ動物薬品工業(西尾義行氏)は「鶏卵のQ熱汚染キャンペーン」を実施するにあたり、人獣研(人獣共通感染予防医学研究所 巽典之所長)という関係組織を設置して「鶏卵からQ熱菌が検出された」とする検査結果報告書を作成し、フリージャーナリストの伽藍を雇い「鶏卵からQ熱菌が検出された。鶏卵とマヨネーズを食べると危険だ」と主張する記事を週刊文春に繰り返し掲載して消費者の不安を煽り、鶏卵とマヨネーズを購入しないよう呼びかけた。金沢大学の山口和男氏も週刊文春にて「マヨネーズからQ熱菌が検出された。マヨネーズを食べると危険だ」と発表し、消費者不安を煽った。西尾義行社長は「人獣研」(巽典之)の他に「食の安全を守る会」(熊谷美恵)、「食の安全協会」(渡辺恵子、福田武志)などの関係消費者団体を作り、「鶏卵を食べると危険だ。鶏卵を販売する業者は告発する」などと主張する怪文書を全国のスーパーや小売店など百数十箇所に執拗に配布し、鶏卵とマヨネーズの販売中止を要求した。この事件に対し、養鶏関係者は西尾義行氏に怪文書配布の中止を懇願したが、西尾義行社長は「今後も人獣研と食の安全協会は、あっちにもこっちにも怪文書をどんどん配布し、みんなに知らせる」と豪語し、「養鶏業界は人獣研のQ熱検査を義務付け、シゲタ動物薬品工業が農水省申請中のQ熱ワクチンを使用しなさい」と話した。これに対しイセ食品、浅田農産(日本養鶏協会理事、副会長)、愛鶏園などは「北里研究所など他所の検査ではQ熱菌は検出されず、西尾義行氏らによる中傷キャンペーンは事実無根である」と激しく抗議していた。これについて人獣研の巽典之氏と金沢大の山口和男氏は「Q熱菌は人獣研の検査でしか検出できない。他所の検査では出ない。検査方法は秘密だ。詳細な検査データも秘密だ」などと苦しい弁明に始終しており、騒動の渦中に亡くなられた浅田農産社長は「人獣研(巽典之)と山口和男氏のQ熱検査はインチキだ」と確信していた。

シゲタ動物薬品工業による執拗な「鶏卵のQ熱汚染キャンペーン」に抗議していた故 浅田肇氏(日本養鶏協会理事、副会長)は、浅田氏が経営する浅田農産で突如発生した不可解な鳥インフルエンザ事件を苦に御夫婦で自殺された。浅田氏は鳥インフルエンザの発生に気づいておらず、事件は謎の匿名通報によって発覚したという。浅田御夫妻の自殺にも経緯や遺書の筆跡を含め不可解な点が多く、浅田氏は口を封じられたとする説もある。浅田氏の自殺から数日後、シゲタ動物薬品工業は都内の報道機関に「浅田農産で発生した鳥インフルエンザH5N1型に効果のある鶏用鳥インフルエンザワクチンを開発した」というFAXを送付しているが、彼らはH5N1型鳥インフルエンザの発生を、どうして予想できたのだろうか? また、彼らは浅田御夫妻の自殺後にワクチン開発発表のFAXを送付するよう予定していたのであろうか?

ところで、西尾義行氏は「人獣研の秘密の検査法により東京都の卵から菌が検出された」という怪文書を配って騒いでおり、東京都から国に調査が上申され、国による検証が行われた。その結果、金沢大学の山口和男氏は西尾義行氏から多額の研究費をもらっていたことが判明し、週刊東洋経済は、西尾義行氏が過去に有印私文書偽造にて逮捕拘留されており、彼らの検査結果は信用に値しないとする記事を発表した( www.toyokeizai.co.jp/ )。そして国立感染症研究所や第三者機関による検証の結果、鶏卵が原因となるQ熱患者は発見されず、鶏卵やマヨネーズからQ熱菌は分離されず、シゲタ動物薬品工業と人獣研によるQ熱騒動は科学的に否定された( http://www.fsc.go.jp/sonota/factsheets-qnetu.pdf )。

さて、2005年に日本で発生した高病原性鳥インフルエンザの舞台となったのも鶏界最大手のイセ食品と愛鶏園である。Q熱騒動により鶏卵価格の低下と鶏卵消費の低迷という二重の大打撃を受けたイセ食品と愛鶏園は、今回の鳥インフルエンザ騒動でも壊滅的な大打撃を受け、数百万羽の鶏が殺処分され、さらに、通報が遅れたという理由で獣医師が逮捕されるという事態に発展し、無用な社会的制裁をも受けた。その直後、シゲタ動物薬品工業は再び記者会見を開き、鶏用鳥インフルエンザワクチン(未承認ワクチン)を開発したと発表した。一方、農林水産省担当官と調査委員は「現場から検出されたウイルスはワクチン株であり、バイオテロや未承認ワクチンが原因の可能性がある」と発表した。浅田農産を襲った鳥インフルエンザ騒動と浅田夫妻の自殺がシゲタ動物薬品工業の未承認ワクチン開発発表と時期が同じであり、現場から検出されたウイルスがシゲタの未承認ワクチンと同じH5N1型であったことは不可解だったが、イセ食品と愛鶏園を襲ったウイルスが鶏に親和性が高いワクチン株ウイルスというのも不自然である。

被害に遭ったイセ食品の証言もバイオテロ説を裏付けている。週刊新潮2月9日号42~45頁によると、イセ食品では「鶏舎に病鶏を投げ込まれる事件があり、その後、鳥インフルエンザが発生した」という証言が掲載されている。農水省関係者の言葉として、「感染源の可能性は二つある。ワクチンを認可させたい人たちが、養鶏業者に“危険だ”と煽ってワクチンを裏で買わせ、鶏に打たせて被害を広げた。あるいは“ライバル業者を潰したいがために、誰かがウイルスをバラまいたか。いずれにせよ、被害が広がればワクチン必要論が高まるかもしれない」を引用し、今回の鳥インフルエンザ発生は人為的な「陰謀ウイルス」が原因としか考えられないと結論している。

そもそも渡り鳥原因説には無理がある。中南米由来の謎の渡り鳥が、突如、内陸部にある愛鶏園上空に飛来し、複数の系列養鶏場にウイルスを散布し、次に、謎の渡り鳥はイセ食品傘下の複数の養鶏場へ移動して再度ウイルスを散布し、関東圏外や日本海沿岸には立ち寄らず、太平洋側から中南米へ飛び去ったことになる。しかし、渡り鳥が中南米まで飛行するには赤道付近の高温地帯を長時間飛行せねばならず、飛行距離は往復約3万キロにも及ぶ。そもそも、鶏に親和性の高い中南米系ワクチン株の流行地などない。仮に謎の渡り鳥が中国大陸から飛来したとすれば、関東圏外や日本海沿岸部を含む多地域で発生したはずである。「鶏用ワクチンを販売するために誰かが鶏舎に病鶏を投げ込んだ」というワクチン業者による自作自演説は事件の全容を単純明快に説明できる。
(転載自由)

投稿: ベンジャミン・AI | 2006.10.29 13:25

 
ぼくのお父さん浅田農産ではたらいてた

投稿: ゆうき | 2012.03.19 13:40

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