« aとtheの話 | トップページ | またまた米国債買いのお話 »

2004.03.01

ケンウッド(トリオ)で思い出す秋葉原

 社説からの話題は特にない。が、しょーもない事に心が引っかかったので、それで今日のブログはお茶を濁すことにする。ごめんな、また昔話だ。きっかけはフジテレビではなく、日経新聞社説「プロの経営者が流動化する時代が来た」だ。この社説もさして面白くもないが、ケンウッドという言葉が妙に気になった。


 ケンウッドの経営を立て直した河原春郎社長は東芝時代に米国で合弁事業を経営した経験がある。上席常務として東芝の事業構造改革を担った後、リップルウッド・ホールディングス日本法人のシニア・アドバイザーを経て、一昨年ケンウッドに招かれた。

 MP3が流行る前、私はケンウッドの6連奏のCDプレーヤーを買った。私は基本的にソニーな人なのだが、それでもケンウッドのオーディオを買うのがちょっと嬉しかった記憶がある。が、ケンウッドは経営が低迷しているとも聞いた。そのあたりは詳しくは知らない。
 私はオーディオマニアではないがケンウッドに親近感を覚える。理由は、単純で、ケンウッドは春日無線、つまりトリオだからだ。私が人生において親に買ってもらって一番嬉しかったのはトリオのJR-310(SSBで50MHzまでカバーした)だった。小学6年生のときだ。これは送信機TX-310と連動するはずで、局申請書も書き終えたまま、その頃、たまたま父が研修していたコンピューター技術のほうに、私もずるっと関心が移ってしまった。おかげで中学時代はコンピューター技術に夢中になったが、局も作れずに父にすまないような思いが今でもする。ちなみに、コンピューターはまだミニコンも出ていない時代だった。ミニコンでもあれば、ビル・ゲイツのような人生があっただろうか。ないな。
 中学時代だったが、ひょんなことで、学校のクラブでプラスチック製の米国のコンピューター教材を手に入れた。これがけっこう面白かった。がちゃがちゃとプラスチックを動かしていると、簡単な論理演算ができるのだ。コンピューター技術というのはエレクトロニクスとは原理的に関係のない技術だというのがよくわかった。後に、時たま、「4ビットくらいのCPUなら、公園にピラミッドを造って、上から石の玉を落とすことでもできるのだよ」と人に説明しても、理解してもらえなかった。実際にカイロで本物のピラミッドを見たときも上から玉を転がしてみたい気がした。
 トリオの由来は、とネットを探ると、いい記事「パピーの昔噺:TRIOブランド時代の送・受信機の変遷」(参照)がある。

日本も戦時中、乏しい資源の中から、浅虫海岸の砂鉄鉱床資源から報国製鉄が精錬したフェライトなどを北大研究室に持ち込んで平社(JA8BNの御尊父)・北川(曉)(後の日立中央研究所長)両教授のもとで、実用化研究されていたようでした。戦後これをいち早く工業化して実用品に活用する道を開いたのが、後のJA1KJ春日二郎氏他2名計3名の技術者、詰まり「トリオ」だったのでした。ブランドがトリオ、社名は春日無線工業でした。

 プロジェクトXかなんかで復古話になっているだろうか。
 話は逸れる。私は物心ついたときから秋葉原にいた。父と中央線に乗って、オリンピックで変わっていく東京の光景を見ていた。私の記憶間違いかもしれないが、秋葉原の総武線のあんパンとミルク(牛乳)のスタンドは、あのころからあるような気がするがどうだろう。
 秋葉原に着くと、ジャンク屋というか、汗くさいパーツ売りのあの長屋にしけ込む。コンデンサーだと抵抗だの買う。途中から抵抗がカラー識別になったなとか思い出す。最近、秋葉原に行ってみたがあそこだけは変わらないね。変わって欲しくもないなと思う。
 それとは別によくヤマギワにも行った。なぜかしらないが、父はヤマギワ電機がご贔屓だったようだ。なぜだろう。そういえば、今頃ふと思い出すのが、なぜ父は秋葉原が好きだったのだろう。そりゃ電気屋だから当たり前なのだが、案外職場が近いせいもあったのかもしれない。先日ヤマギワに火事があって、なにか心痛むものを感じた。
 秋葉原の思い出は、無線時代、マイコン時代、パソコン時代と続くがそこまでは書かない。それぞれの時代になにかを残してくれた。秋葉原という町は、なにか、自分の、戦後日本のコアのイメージになっている。

|

« aとtheの話 | トップページ | またまた米国債買いのお話 »

「歴史」カテゴリの記事

コメント

ども、です。
僕は関西在住なので、日本橋(大阪の)しかいったことないですが、やっぱり秋葉原はすごいんでしょうね。

中学生の時に日本橋に初めて行った時は感動しましたね。
なんでこんなに電気屋あるんだと軽いショックを受けた覚えがあります。

今でも、そのあたりに行くとちょっとワクワクします。そんなに電気機器マニアでもないんですが・・・。ワクワクしてきませんか?

投稿: らした | 2004.03.01 16:10

らしたさん、ども。今の秋葉はちょっと変わってきています。ラジ館とか、オタクの総本山のような。でも、ジャンク屋とかは、らしたさんの言われるように、ワクワクします。世代的なものもあるのかもしれませんが。

投稿: finalvent | 2004.03.01 17:05

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ケンウッド(トリオ)で思い出す秋葉原:

« aとtheの話 | トップページ | またまた米国債買いのお話 »