« 天皇制について | トップページ | 食用の鶏の話 »

2004.03.12

祝、日墨FTAなのかよ

 昨日書こうかと思ったのだが、どうせ今朝は各紙べた並びで日墨FTAの社説になるだろうと思ったが、概ねそのとおり。そして内容も予想どおり。こうした既視感漂うのが社説っていうものだろう。読売がシカトこいているのは、たぶん、アジアとの問題を論じたくないからだろうな。
 まず、ことの次第の重要点を簡単に日経社説「メキシコFTAの教訓、アジアに生かせ」から引く。


 国内の農業改革の遅れもあって、最後まで対立が続いた豚肉では関税の完全撤廃に至らず、2.2%の関税が残った。その分、日本が要求していた政府調達の開放などでメキシコ側の譲歩は限定的になった。

 というわけで、最後まで豚だった。メキシコの強気というのもあるが、それはメキシコだけの外交ということでもない。このどたばたは要するに日本の国内問題というわけだ。
 どの社説も触れていないし、私の知る限り他に語っている人を知らないのだが、私は「と」覚悟で言うのだが、今回のFTA交渉は、農水省と外務省の陰謀である。米国の狂牛病発症を大騒ぎに仕立て、国内の牛肉価格を統制し、それが他の肉の価格に影響するタイミングを見計らっていたのだ。こういうのを陰謀と言わずに、何を陰謀というのだ。
 この点、知っていてあえて毎日社説「日墨FTA合意 アジアとは人の移動も焦点」は書かないのかもしれないが、以下の指摘は、だから、重要だ。

 農業については、メキシコとの実質合意で一つの見本が示されたが、国内的にはなお監視が必要だ。01年のコメ輸入の関税化に向けて6兆円の不透明な農業対策予算が組まれた苦い記憶がある。アジア諸国とのFTA交渉では、農業面で譲歩する代償に、不透明な対策費が組まれるようなことがあってはならない。

 だが、実際には、このFTAは見本にもならない。このあたりは、日経社説がフォローしていて、大変によろしい。

 メキシコの農業団体は豚肉やオレンジ果汁などの市場開放を求めて交渉担当者に背後から圧力をかけ、日本への譲歩を許さなかった。だが同国の農業がGDPに占める比率は4.4%にすぎない。これがタイでは11.2%、フィリピンは17.4%と高く、メキシコ以上に手ごわい交渉相手となるのは間違いない。
 マレーシアの主な関心分野は合板などの林産物。フィリピンは看護師、介護士の受け入れやバナナとパイナップルの関税撤廃を求めてくると予想される。タイとの交渉では人材受け入れのほか鶏肉、でんぷん、砂糖、そして日本農業の本丸であるコメが焦点になりそうだ。いずれも国内から激しい抵抗が予想される。

 というが、タイの件では、鶏肉はまた陰謀的手法でごまかせる。澱粉についてはわからないが、砂糖なんか異性化糖をがんがん使って国民の健康をへこませればいいのだから問題ない。コメが問題というのも手慣れた陰謀的手法でごまかせるだろう。というわけで、やる気になれば、弥縫策に次ぐ弥縫策でなんとかしのげる、というどたばたが見られるだろう。
 で、そんなことでいいのか。
 いいわけはない。が、あと5年から10年で日本社会の構成ががたがたになり、労働者や看護師を外部から入れるしかなくなる。しかたないよになって、なんとかすりゃいいじゃないか、知ったことか、というのが行政というものだ。
 と、ちょっとヤケになりそうだ。が、それでも、日墨FTAができてよかったことはよかった。

|

« 天皇制について | トップページ | 食用の鶏の話 »

「時事」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 祝、日墨FTAなのかよ:

« 天皇制について | トップページ | 食用の鶏の話 »