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2004.02.27

多分、年金問題は問題じゃない(無責任)

 年金の雑談をさらに続ける。また、たるい話かよ、である。すまんな。問題は、年金という看板じゃなくて、その裏にある、若い人たちの国家イメージなんだろなと、昨日なんとなく痛感したという、団塊下のオヤジのボヤキのようなものを書く。
 今朝の新聞社社説としては毎日が「年金改革 先送りすれば信頼を失う」として扱っていた、が内容はない。先送りにしてはいけないというなら、どうしろという話も書くべきだが、そこがスコーンと抜けていた。午後のお茶にもならん。
 昨日の極東ブログ「多分、年金からは逃げられない(無根拠)」(参照)で、正直にいうと、わざとたるい話を書いた。問題の背景には、若い世代と対話しなくてはな、で、俺はどういうスタンスなんだ?という配慮の感覚は、もちろん、ある。46歳だしな。オヤジだしな。
 だが、同時に、そういう自分の側を折るようなスタンスが、この問題にとって重要なのではないかとも思えた。で、なにが重要なのか? という点で、年金より、ああ、国家というもののイメージなんだろうなと思えてきたのだ。
 話の順がよくないのだが、若い世代にしてみると私のような46歳と、それよっか10年くらい上の団塊・全共闘世代と何が違うんだよ、と思うだろう。あれ?宮台なんかも45歳くらいか。ま、彼なんか意図的には、逃げか若作りしたエリート・インテリか、ま、げなげなスタンスも取っているよーだが、いずれにせよ自身の世代的責任(つまり歴史を負う)という意味では、私なんかとはかなり違うのかもしれん。
 で、何が言いたいかというと、私は私で、団塊・全共闘世代が大嫌いなのだ。これは感性的にも徹底してしまっているので、ビートルズとか聞くと吐き気がする。Love&Peaceみたいなメッセージを見ると、STD感染で氏ね、とか思う。が、なにより嫌なのは、国家への従属的な立場と大衆への見捨てかただ。あの時代、ゲバ学生っていうのはエリートだった。で、大半はさっさと国家に組み込まれていった。企業は国家じゃない? 同じだね。しかもエリートらしく同世代の高卒の大衆を見捨てていった。団塊・全共闘世代といわれてもわからんなぁ、芋焼酎くれぇ!みたいなおっさんたちは、そういう世界に慣れていった。私は、こういう社会が反吐が出るなと思った。
 さらに言う。彼らは、国家とは暴力装置だとか、よくぬかすのだ。今なら馬鹿、で終わりだが、彼らのいいところは酒の力で本気になれるところだ。「暴力なんだよぉ」とかといって実際に暴力をふるってくださるところ、すてき。いや、ホントに。しかし、国家の本質は暴力ではない。
 国家は民族幻想(この幻想性はいわゆる幻想じゃない。非常に強固なものだ)による互助組織だし、市民を社会から守る装置だ。この市民を社会から守る装置というのが、どうにも理解されないような気がする。日本は、小社会を積み上げできるた大社会としての国家、というのではない、のだ。日本の社会はかなり陰湿なものだし、いまだにそうだ。フランスのような国家の原理の一つであるフラタニティ(fraternity)が無い。無いからこそ、日本近代は国家愛と国家宗教が必要になったのだろう。いずれにせよ、社会は市民をあっさりと圧殺する、これを、イカンぞ、殺してはいけないと命じるのが国家なのだ。が、日本はそういう国家ではない。社会向けに統制された国家の暴力であるはずの警察は機能しない。オウム真理教事件で批判されるべきは警察なのだが、そうもならない。日本には、市民を守る国家には未来永劫ならないのかもしれない。
 だが、名目上はそれでも国家は市民を守る。近代国家とはそういうものだから。と、このあたりで話を年金に戻そう。
 金銭のない日本人の老人がいたら、日本国家はこの老人を守らなくてならない。若者=社会が、俺は知らねーよ、と言っても、国家はこの社会(を排除して若者を蹴散らして)権力を介して、老人を守らなくてはならない。それが年金という形であらわれた国家の意思だ。
 つまり、私は、年金っていうのは、経済範疇の問題じゃねーよと言いたいのだ。そんなの回りくどく言うなよだが、私は若い世代を説得したいわけでもない。説得なり啓蒙なりは無理ではないか。そりゃ無理だな、と現状を認識するのが思想というもの立場ではないか。
 昨日、年金問題なんてテクニカルには税方式か所得比例方式だよ、と書いた。私は所得比例方式がいいとも書いた。しかし、考えてみると、官僚が国民皆税申告制にするわけもないのだから、この方式は頓挫する。
 だとすると、曖昧な形で国家の名目を取り繕うなら税方式化、あるいは部分的に税方式化するしかない。つまり、国民が音をあげない程度に増税するということだ。もっとも、そんなことするより、日本の景気を高めれば、経済面での年金問題がかなり解決するのだが、官僚連?はそうする気はないようだ。
 つまり、若い人が、年金なんか払いたくねー、ということが、システマティックに、増税となる。税金なんて払うのはヤダとか言えるのは、わずかな人なので、普通はぐうの音も出ない。このシステムなら若者をうだうだ言わせず絞りあげることができる(内税で価格に反映してもいいしな)。
 正確に言うと、若者を絞るのではなく、その親である団塊世代を絞るのだ。どうせ彼らを優遇しているのだから、少し絞ってもOKという読みである。
 こうしてみると、「若者ってのは馬鹿なものよのう」である。自分がかつて同じような馬鹿であったことを私は忘れてしまったので、そう言う(洒落だよ洒落)。
 で、結論。ようは、年金が大問題だとかいうけど、上のような落としどころ、ってのがすでにできているのだ。
 その意味で、極東ブログお得意の「どうでもええやん」になりそうだが、それだけ言うとおふざけすぎる。もっと積極的に年金問題なんて議論するだけ無駄よーんとは言ってみたい気がするが…が、まだ、ちょっとためらうな、国民年金未払の若者より、無責任な態度としての思想を表明すってのは、アリなのかと、まだためらう。

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コメント

どうにも引っかかっている点がちょっとまとまってきたので書かせてもらいます。

私自身は、「年金」というものの存在に関して言えば、それはそれでありだろうと思うのです。働けなくなった人間を相互扶助するというのは社会の理想的な働きのひとつだと思います。

ただ、「年金」が持つ本来の理想と、現行の年金制度との間に乖離がある、というところが引っかかるわけです。

坂口大臣とかが、年金の理想を述べてその必要性を説きながら非効率的(あるいは無駄な)資金の運用の方法を変えない(かえられない)というところに反感を感じるわけです。

ごくごく幼い手段かもしれませんが、若者が年金を払わないというのはそういう政府に対してNOと宣言する行為の表れではないかと思います。(私は最近払ってますが)

もちろん、損得勘定で払ってない人たちもいるだろうし、その人たちに関して何か言うつもりはありませんが。

投稿: らした | 2004.02.27 11:53

らしたさん、どもです。「若者が年金を払わないというのはそういう政府に対してNOと宣言する行為の表れではないか」は、たぶん、そうなんだと思います。ただ、この点は、国のほうが一枚上手かなという感じがします。

損得勘定でいうなら、払うほうが得なんですけどね。これは数学的にオッズ計算してもそうなると思うけど(保険も付くのだし)。

投稿: finalvent | 2004.02.27 12:57

 >もちろん、損得勘定で払ってない人たちもいるだろうし

「短期的な」損得勘定ってことです。言葉不足でした。

投稿: らした | 2004.02.28 11:40

損得勘定でいうのなら,25年満額払って月18万だか受け取るよりも,いっさい支払いを拒否して,生活保護13万を受け取る方が得だという考えも成り立ちます。この計算からは,事故で障碍者になるというリスクを除外してますが,今後国民年金の運営がますます悪化し,受給開始年齢の引き上げや支給額の引き下げが将来的に避けられないことを考えれば,あながち間違っていないと思いますね。

しかし,国民年金を納めていない人で,そこまで腹をくくっている若い人はほとんど居ないと思いますけどね。未納率が高いのは,20代,30代のフリーター率が高いからでしょう。派遣やパートなどの非正社員も非常に多い。彼らの月給はせいぜい10万~17万。そこから月に1万3千円の国民年金に割けないのですよ。

投稿: ミチナオ | 2004.02.29 03:16

ミチナオさん、こんにちは。貴重な示唆です。損得で払わないほうが得、という考えも成立するのかもしれませんね。それと、私は以前、別の記事で「年金を払うのは甲斐性だ、そのくらい払えなくてどうする」みたいに書いたのですが、たしかに、月給の十分の一に匹敵すると重税という感じもします。その意味で、現行ですら、国民年金は、制度的に破綻している、つまり、国が若者に職を与えてない、というのは成り立つように思います。

この問題は、ある意味、重要なので、また雑談的に展開したいかとも思います。

投稿: finalvent | 2004.02.29 07:25

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