多分、年金からは逃げられない(無根拠)
さらに年金。さらにたるい雑談。らしたさんから疑問を投げかけられ、それがなにか自分の心のぼんやりとした部分につきあたる。疑問はこうだ。
すごい単純な疑問なんですが、日本の年金制度がいろいろな側面から見て破綻しているというのは明らかだとおもうのですが、なぜ政府はその「制度」を維持しようと必死なのでしょうか?
なるほどなと思う。そりゃそうだと思う。以下、すまん、たるい話になる。
なるほど、年金制度が破綻しているというのはそのとおり、としていい。が、名目は破綻できない。国家というのはとりあえずそういうものだ。互助組織でもある。すると、このままだと弥縫策に次ぐ弥縫策ということになり、結局年金受給は今の40代だと70歳くらいになる。私は70歳まで生きられないだろうなとも思うので、そう思うと年金なんてものは空しい。今の30代、20代にしてみれば、70歳と言われても、関係ねーよ、だろう。
統計的かつ科学的に見るなら、ちょっと変な絵を描くことはできる。男性の平均寿命は80歳、女性は85歳くらい。すると、その破綻したような年金の受給から死ぬまで男で10年、女で15年、ある。その間、この老人をどうやって喰わせるか。想像しようにもまるでピンとこない。自分の80歳という像が見えない。想像力不足なのだと思う。
現在日本では少子化と晩婚化・未婚化がものすごい勢いで進んでいるので、例えば、現在30歳の人間が50年後どういう80歳になるのか。まるで想像がつかない。モデルもない(そういえば、モデル世帯について極東ブログで考察しようとして宿題のままだったが、この宿題もまた延期)。半数は生涯独身ではないだろうか。身寄りのない爺婆が日本に溢れるようになるが、日本はかなり縮退している。現状から推測するとその年代で、身体的に自立している日本人は少ない。膨大な介護が必要になる。
それ以前に60歳から70歳の支給まで、働くことができるか。現状の日本から類推するにその大半の人間に仕事はない。年金もなし。とはいえ文明は進歩しているから、実際には喰うに困らず、医療も現在の途上国よりはいいに違いない。そうばたばた死ぬわけでもない。
私はおふざけを書いているのか? そんなつもりは毛頭ない。どうしたらいいのか?というとそれは基本的には連帯の再構築しかない。まずは、家族の可能な形での再構築であり、友情だろう。しかし、その話は今は触れない。
話を戻して、なぜ国は年金を維持しようとしているのか。私はこの疑問に自動的に「それが国というものだから」と答えるのだが、なぜそう答えるのか、自分に再度問うてもよくわからない。そして気が付くのだが、いつからか、私は、日本という国から逃げなくなっているようだ。あれ?なぜだ?と自分に問いかけてしまった。
私事めくが、私は20代に比較的外人の多い環境に置かれた機会も多かったせいもあり、米国人になるとも思わないが、いつか日本人をやめてもいいなと思っていた。そういえば、周りに国籍選択で悩む者も少なからずいた。いつから、日本を逃げちゃえ、と思わなくなったのだろう?
いや、最近でも、晩年はオーストラリアに移民しようかなとか考えることがある。どうも自分が矛盾していることに気が付く。話も混乱してきた。
むしろ、若い世代、特に国民年金未払いの人に聞いてみたい。「年金から逃げられると思ってる?」である。そう思っているのではないか。
私自身、若い時、年金は面倒臭いし、家にもいつかないので、親に代わりさせていたような時期がある。が、逃げられると思っていたかというと、よくわからない。そう思うと、今の若い世代も、私の若いときと同じようなものだろう。私は国民年金不払いの若者を批判できる立場にまるでないと思う。
だが、国民年金は建前上は、国民年金法、督促及び滞納処分についての第96条を読むかぎり、義務としか理解できない。
つまらない結論でもあるのだが、若い世代で国民年金未払いというのは、「こんな制度すでに破綻しているじゃん、俺(私)の未払いなんていつか逃げられる」と考えているということだろう。
恥ずかしい話だが、その問題に、どうも私はうまく答えられない。らしたさんの疑問にもまるで答えになっていない。が、それでも、制度がいくら破綻して見えても国家があるかぎり名目的には年金は破綻しないし、逃げることはできないはずだ、と思う(全然説得力ないが)。
たぶん、「年金なんか払わなくていいXデー」とか、「結婚するXデー」とか、そういう「未来」を、若い世代は30代にまで持ち込んできている。それが、40代にまで持ち込めるものだろうか。あと5年もすれば、なにか世相が変わるだろう。ちなみに同質のXデーはまず皇室に象徴的に現れるだろうから、象徴的に社会問題になるに違いない。たぶん、世継ぎのオノコは生まれない。サーヤは現代版斎宮かな。非難しているわけではない。茶化しているわけでもない。日本が変わるのだ。
私はそういう若い人を含んだ日本の世相の変化を見物していようと思う。単純に興味がある。どうも、倫理的・道徳的にはなにも言えそうにないのだから。「いつまで子供でいられるかやりたきゃ、やっていてごらん」という感じもする(ちなみに私はそういう意味の子供をやめてしまった)。
余談だが、「作家」の日垣隆はたしか国民年金不払いを宣言していたと記憶しているが、逃げおおせるのだろうか。年金ではないが税関連で西原理恵子も笑いを取っている。経理が終われば脱税ではない。でもなぁ笑っていい問題かなとも思う。
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コメント
こんにちは。
ちょっとアンケート回答してみます(笑)
この問題・・
本来なら慎重に回答すべきなんでしょうが・・
率直に言って・・・ぼくは逃げますよ
前に答えたときの趣旨と反するようですが・・
やっぱり根本のところには矛盾意識がずっとあるので・・・
なんていうか・・
都会で金もなく孤独に液状化して死んでいかなければいけないような老人たちのことを考えると金を出す気にもなるんです・・
でも、やっぱボトルネック層のために金を出すのはイヤです
(率直に言ってね)
つまり、どっかの重役について、その後もそのあたりの会社の適当な役職渡り歩いて、働きもしないのに金をもらっているような連中・・
ぼくはこういう人たちはキライです
そういうの想像するだけでムカつきます
(でも、それが現実なんでしょうが・・)
・・たぶんこういうのはルサンチマンなんでしょうが..
でも、やっぱ根本にはあります
そして・・・年金払うってのはけっこう義務みたいですが・・
やっぱ海外・・かなぁ・・・
投稿: m_um_u | 2004.02.26 15:54
でも、それとは別問題として共同体(連帯)の必要性は感じていたり・・
投稿: m_um_u | 2004.02.26 16:09
m_um_uさん、ども。すでにブログに書いたように、この問題(年金)については、叱咤?するのはやめようと思っています。そういうものかなと。共同体の連帯は、まず最初に「負け犬」の課題になりそうな感じです。
投稿: finalvent | 2004.02.26 16:25