セレブレクス制癌作用メモ
関連「アスピリンとCOX-2阻害薬」(参照)。
うかつに書くべき話題でもないのだが、ネットのどっかにインフォはあったほうがいい話題でもあるだろう。誰か書いているだろうかとぐぐってみると、ないわけではないのだが、胡麻臭い感じがする。ので、私は私なりに書いておく。リファラを見ると、この問題に関心をもっている人はそう少ないわけでもないようだ。話は、セレブレクス(Celebrex)つまり、セレコキシブ(celecoxib)の制癌作用である。以前にもぼかしてふれたが、少しぼかしを取ってもいい段階かなと思える。
ネタの出所はBMJ系のGutである。
Chemoprevention of gastric cancer by celecoxib in rats (Gut 2004;53:195-200)(参照)。
ごらんとおり、まだラットの段階であるが、日本人に多い胃癌に関連する話題だ。日本では癌の代替医療が伝統的に茸系のアジュバントを使うことが多いのだが、私の知る限り、この療法は胃癌にはあまり有効ではない。もっとも、アジュバントなどせせら笑う向きも多いのであろうが。
Gutの概要は手短なものなので関心のあるかたはリンクを辿って読んで頂きたい。一般的には、ロイター系のニュースのほうがわかりやすい。各所に配信されているが、一例を挙げておく。
In Rats Celebrex Suppresses Stomach Cancer (参照)。
NEW YORK FEB 13, 2004 (Reuters Health) - Treatment with celecoxib -- also known as Celebrex -- suppresses chemically induced gastric tumors in rats, scientists report. "This finding lends further support to the use of COX-2 inhibitors in the (prevention) of gastric cancer," they write.
意訳しておく。
セレブレックス(セレコシキブ)の処方によって、胃の腫瘍を化学的に抑制することができた。この発見は、胃癌予防にセレブレックスのようなCOX-2抑制薬の利用の支援になるだろう。
当然ながら、以下のような限定は付く。
Whether this result can be translated into clinical benefit in humans deserves investigating, he added.(意訳:この結果を人間の臨床に応用できるかについては研究が必要になる)
確かに、この「予防」がどのような意味を持つのか、解釈は難しいところだ。サプリメントのように飲んでいいものではないだろう。
同記事には、もう少し詳しい説明があるので、関心のあるかたは読んで頂きたい。ここでこれ以上言及するのは危険性が高い。
繰り返すが、この示唆は日本でももう少し研究されてもいいのではないか。なお、申し訳ないが、この話題はコメントではフォローしない。
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