クルド人自治区自爆テロ、朝日新聞泡を吹くの巻
クルド人自治区自爆テロは陰惨な事件だが、不思議でも異常な事態でもない。朝日新聞社説「クルド襲撃――イラク再建の難しさ」が状況認識のとち狂いでおたおたと泡を吹いている様が滑稽である。
イラクのフセイン独裁政権崩壊から9カ月以上たった。フセイン元大統領は昨年末に米軍に拘束された。だが、治安は改善されず、旧政権の残党やイスラム過激派によるゲリラ攻撃やテロが続いている。占領軍に協力するイラクの警察官らも「裏切り者」として攻撃されるようになった。
しかし、今回の標的はクルド人政党だ。占領軍への反発とは種類の違う政治的な背景があったと見ることができる。
フセイン残党が反米で混乱を起こしている前提で書かれているが、左翼な朝日新聞がベトコンの再現の幻想を持っていたということにすぎない。こういうときは罵倒するのが正しい態度だと思う。朝日新聞って馬鹿だなぁである。
クルド襲撃については、朝日新聞のように別の文脈を取る必要はまるでない。極東ブログは当初からこの問題を基本構図として内乱としてきたが、それがより顕在化しただけにすぎない。
クルド人問題については、すでに極東ブログ「幻想のクルディスタン、クルド人」(参照)で触れておいた。ちょっとイヤミな言い方だが、ネットに溢れるクルド・シンパの議論に惑わされないようにしたい。朝日新聞社説もよく読めば、慎重にクルド・シンパとの距離を置いているあたり、実は朝日内部に普通の感覚と知識をもつ人間もいるのだろう。
社説としてみれば、結語は爆笑ものである。
多宗派・多民族のイラク社会で、どのような形で「民意」をまとめ、イラク国内の対立激化を防ぎながら、どうやって国造りを進めていくのか。そのためにも、国連をはじめ国際社会が一致してイラクの再建を支える態勢づくりが急がれる。
前半と後半の文章が論理的につながっていない。国連主義が解決だと思いこんでいる、その思い込みが現実認識に病巣を作っているか、あるいは、反米イデオロギーなのか。いずれにせよ、無前提な議論にすぎない。なにより、「国際社会が一致して」という日本的な発想はもうやめるべきではないか。国際問題に前提となる一致はない、結果としての一致があるだけだ。そのために国連を機能させなくてはいけない。朝日の考えはまるで逆だ。
社説として問われているのは、まさに「どうやって国造りを進めていくのか」と日本がどう関わるかを現実的に描くことだ。それを放棄してここで事態に泡吹いているようでは、朝日新聞の社説はブログの落書き以下の内容でしかない。
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コメント
チョウニチは汚らわしいもんだと決めたんでこの何年間目にしてないんですが、相変わらずですな。
でもこういう罵倒の仕方あるんだってな意味で、お勉強になりました。ハイ
投稿: shibu | 2004.02.03 22:43