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2004.02.14

食料自給率を上げる意味があるのか?

 食料自給の問題をいきあたりばったりで書く。私は、日本の食料自給なんて気にすることはないんじゃないかと思っている。日本は先進諸国の中では食料自給率40%と最低であると言う。それがどうしたと思う。なにが問題なのだと思う。そういう意見はどのくらいあるのだろうと思って、ぐぐってみる。唖然とした。見つからん。それどころか、日本の食料自給率の低さが問題だというのである。ほぉと思う。読んでみた。まるでわからん。
 朝日新聞社説「食料自給――『保護』では高まらない」を読んでもまるでピンとこない。


 牛海綿状脳症(BSE)に感染した牛が見つかった米国からの牛肉輸入が止まり、外食チェーン店から牛丼が消えた。鳥インフルエンザで、タイ、中国産鶏肉の輸入も止まった。国内消費量のうち、牛肉の3割、鶏肉の2割が手に入らなくなるという異常事態が続いている。
 一連の出来事は、食料の多くを海外に頼っているこの国の危うさを、改めて浮き彫りにした。私たちは、米国が日本に輸出する牛肉にも日本国内と同等の検査を実施する必要があると思うが、その問題とは別に、騒ぎが長引けば、「自給率を高めるべきだ」という主張が頭をもたげるだろう。

 まずわかんないのは、牛肉と鶏肉の話でどうして「この国の危うさ」なのか理解できない。米国に日本と同様の全頭検査を要求する嘘については、すでに書いたので繰り返さない。せめて米国が日本の牛肉を解禁するくらい歩み寄るなら、私は輸入再開論者になってもいい。まぁ、そんなことはどうでもいい。
 輸入の牛肉と鶏肉の減少で連鎖で他の食品の価格が上がることが問題かというと、上がればいいじゃんと思う。それこそインタゲである。ふざけているみたいだが、それはそんな悪いことでもないだろう。むしろ、それでもそれほど、その市場に影響ないかもぉの状況に見える。食料が本当に問題なのか?
 朝日の主張に戻る。それほど農本サヨク臭があるわけでもない。そーゆー意見もあるかなくらいだ。

 日本の食料自給率はカロリー換算で40%と、先進国の中でも飛び抜けて低い。無理なく引き上げられるならそれに越したことはないが、何が何でも、手段を選ばず、というわけにはいかない。
 戦後の食糧難が遠い思い出になった豊かな日本で、「食料の安全保障」はもっぱら米作りを中心とした農業保護の口実に使われてきた。自給率を高めるために保護を強めるのでは、ただでさえ弱い農の足腰をますます弱めることになる。
 味の良さや安全さで国産の優位性を高めていく地道な努力こそが、自給率向上に結びつく。それが基本だろう。

 まず、農業保護はよくないというのは、最初に抑えておいていいだろう。どうも食料自給問題は利権が絡んでいる臭くてたまらん。次に自給率というのだが、カロリー換算なのだ。これがまたわからん。朝日は結語で次のようなトンマな教訓を述べている。

 もうひとつ、忘れてはならないのは、世界一の食料輸入国であるこの国で、食べられないまま捨てられる食品が日々、大量に出ていることだ。コンビニやデパ地下から「賞味期限切れ」で廃棄される弁当だけでも大変な量だろう。食生活がいまのままでいいか、考え直すときでもある。

 勝手にしろ阿呆臭という説教だが、先の文脈に戻り、そういう状況があるのに、カロリー換算で40%っていうのはなんの意味があるのだ? すでにWHOは肥満を疫病に認定している。カロリーは問題の指標かよと思う。
 さらに先の文脈なのだが、「味の良さや安全さで国産の優位性を高めていく」というのは、自給率の話じゃねーだろと思う。SKIP野菜のように、国産のほうがうまいから買うという、いわばブランド志向だ。ちなみに、SKIP野菜・果物は国産でもなく有機農法でもない。永田農法なら全世界ユニバーサルで、この発想はものすごいものがある。私個人は、できるだけ有機農法のものを好むのだが、それにこだわらない。
 食料自給の話は、現状では、安全と絡められている。しかし、それだって、別に輸入で問題となるわけでもない。米国小麦にはポストハーベスト農薬がかかっているがそれだってオンオフの話のわけがない。他に、他国から食料を止められたらという話もたまにあるが、阿呆臭い妄想につきあってられんと思う。将来中国が食料を輸出しなくなるだの、米国が遺伝子組み換え穀物を独占するだの、それで何が問題だというのか。輸出するかしないかは経済活動で決まる。遺伝子組み換え品がどうのというのは、それを除きたいなら、それを価値としてマーケットに問えばいいだけだ。
 少し古いが朝日新聞のニュース「自給率4割、9割超の国民が食料供給に不安 農水省調査」(参照)でこうあった。

 将来の食料供給については、農業従事者の58%、消費者の44%が「非常に不安を感じる」と回答。「ある程度不安を感じる」を加えると、農業従事者の94%、消費者の90%にのぼり、国民の9割以上が不安を抱いていることがわかった。「あまり不安を感じない」という農業従事者は5%、消費者は9%で、「全く不安を感じない」は、いずれも0.4%だった。

 そんなに不安なのか?
 私が気になるのは、食料自給っていときの食料ってなんだと思う。特にそれが現状カロリー換算なんだから、どうせ、それは穀物の問題じゃないのか。穀物だよ、つまりは。だけど、それはコメであるわけがない。余っているんだし。すると、小麦とコーンか。
 つまり、小麦とコーンを外国に依存しているのはよくなっていうことか? でも、そんなもの国内でまかなえるわけないじゃないか。と考えてみるに、食料受給の問題というのは、なんか「飢え」や「食の安全」とか「国産品ブランド」みたいなぼよーんとしたイメージを醸すだけの詐術ではないのか。
 ついでにいえば、そんなに小麦だのコーンだの食っている日本人の食生活っていうのが問題じゃないのか。というのは、栄養学のおばさまたちは偉そうなことこくけど、この少子化・パラサイト、かたやど田舎の日本の食の実態として、野菜たっぷり健康手作りの食事とか言っても無意味ではないか。コンビニ食、外食、中食が現状だろう。つまり、そういう流通の問題なら、やはり、食料自給とか言う以前にマーケットの問題に還元されるはずだ。
 と、以上、暴論。こりゃ、ほんとに暴論だなと自覚しているので、違うよ、食料自給率は大切だよと私を説得してほしいものだ。

追記
農水省「日本人の食卓の現実」(参照)というPDFファイルを発見して読む。面白いと言えば面白い。ブログの見解を大幅に変更する必要性はやはり感じない。ほほとおもったのは、「国民一人一日当たり供給熱量の構成の推移」だ。畜産物の比率はコメに次ぐ。その次が油脂類で小麦はされにそれに次ぐ。ざっと見た印象では、昭和50年時点から類推して、畜産によってサポートされるべきたんぱく質がなくても日本人はそれほど困らないと思えた。ポーランドの経済改革で推進側が気にしていたのは卵だというが、卵の生産・流通が可能なら大筋でたんぱく質の問題もないだろうと思う。

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コメント

言葉のイメージとして「食料自給率」は高いほうが良い、という感じがします。

「食」というのが人間が生きていくうえで、欠かせないものである以上それを自前で補うことができるのは、ある種の安心感があります。

しかし、単純に考えてみて、この国土のせまい日本で自給自足が成り立つわけがありません。

日本人でも、サラリーマンは食物を作ってるわけではないのに毎日、食生活を問題なく送ることができます。

世界をひとつの規模で見た場合、役割分担で言えば、日本は農業国に向いているわけでないというのは明らかだと思います。

しかし、食生活を営む上で最低限必要なもの(たぶん米なんでしょう)の自給率が0%になってしまった場合、外交上の弱みを持つことになりかねません。
だから、ある程度は自給率をキープする必要があるとは思います。

しかしながら、この現状で自給率をあげろ、というのはあんまり意味がないと思いますね。

なんだか、説得するつもりだったのに同意してしまいました。

べつに自給率を上げること事態は悪いことじゃないとは思うんですが、良い点を上げるとなると見つけにくいですね。

投稿: らした | 2004.02.14 15:20

自給率どうでも良いに一票!
石油と同じでマーケットを通じた調達可能性が問題なのであって、自給しているかどうか/産地がどこかはどうでも良い話だと思います。

外交なんてのは道具なわけで、自給率が気にならないようにどう立ち回るかを考えるのがそもそものスジだと思うんですが如何でしょうか。
だいたい自給率が低くて外交できんのなら、シンガポールはどうしてるんだと小一時間です。

何が何でも自給->満州へ、というのと発想が根本的に変ってない気がしますね。

投稿: svnseeds | 2004.02.14 17:01

鯨がいるでねぇっすか。あと海豚(イルカ)ですね。
IWC関係も論じていただけると有難いです。水産庁遠洋課捕鯨班でしたっけか、最近したびですが。
小麦とコーンって、牛豚の飼料じゃないっすか?あと鶏もそうですかしらん。四足の肉生産のために南米あたりの森林潰して小麦畑つくって、地球規模での環境破壊してるんじゃないでしたっけ?
別にアカヒの記事なんかどうでもいいんですけど、海洋民族ってか列島とか島住民の無理ない自然な食生活っての、あるんじゃないんですかね。都市国家レベルと1億超規模の比べるのもどうかと思うし...石化燃料は原子力に移行するんだろし。それよりもやっぱ祖国はバランスよく発展して欲しいですねぇ。方向としてですネ。それに満洲もあのまんまだったら、少なくとも今よりはよっぽどバランス良く発展してるでしょうし、そんな話もちらほら地元じゃ聞きますヨ、内緒ですけどねw
台湾だって見直してるし、朝鮮だってマトモになったらそうなるんじゃないですかネ。2000年11月日中取決めの「東亜共同体」構想って、どっかで聞いたことあるみたいですしw。そもそも北東・東南アジアGDPの60%日本ですし(残り20%がチャイナ)、日本が音頭とらんきゃならんのは分りきってるわけですもんね。雁行の先頭としていろんな面でも手本wにならにゃならんでしょうしね。またそんとき食べ物ダシに変な取引されても困るような気がしますし...。マトマリつきませんで失礼しました。ただちょいと違うんじゃないかな、とは思ってます。

投稿: shibu | 2004.02.14 18:40

カロリーの話がでていますが、実際問題、今の日本人が食べているものを半分に減らしたからと言って、誰が餓死するんでしょうか? 40%? 本当に国内だけで完結する食物生産で40%もできているのならば、まだまだ上等じゃん、っていう感じです。

カルタゴやら南イタリアの例もあるように、その土地で取れたものを一方的に輸出し、土地をやせさせるような農業は、輸出元の土地を疲弊させるということもあり、ある程度地理的に狭い範囲で食物が連鎖することが理想だとは思います。江戸時代の日本の都市のようにね。そういう論理はまだまだ現実性はないのでしょうが。

投稿: fanannan | 2004.02.14 20:01

らしたさん、ども。コメントの感じわかります。なんか、そーゆー感じしますよね。

併せてしまって申し訳ないのですが、筋で考えると、やっぱsvnseedsさんのご意見どおりだと思います。余談ですが、シンガポールは水でマレーシアに頭が上がらないようです。

投稿: finalvent | 2004.02.14 20:47

shibuさん、どうも。ご指摘のとおり、飼料問題みたいです。追記の文書に明記されてないのですが、そんな感じです。って、それってなんだよって思います。

日本が音頭というあたりは頭でわかるけど、現実的には、中国と距離起きたいですね。ってなこっちゃいけないなと思いつつも。中国人についてけないです(なにかと)。

投稿: finalvent | 2004.02.14 20:50

fanannanさん、ども。食物が連鎖・流通っていうのは現実の東京を見るとけっこう面白そうです。ただ、その面白いっていうのは、農業かぁ?みたいな。東京って独立国みたいで、回りに農地があるような感じです。どういうイメージ=モデルがあるべきなのでしょうね。むずかしいなと思います。

投稿: finalvent | 2004.02.14 20:54

なんかやっぱ変な違和感があるので確かめておこうと思います。
(失敗するかもしれないけど)

まず、第一に
ぼくは自給率問題というのはやっぱ・・「自分とこの食うものは自分でまかなったほうがいい」派です。

んでも、
今回、極東さんがおっしゃったような感じのことにも同意できます。

確かにあれも取引の一端なのでしょうし、自給率を闇雲にあげても一部の癒着関係みたいなのを超え太らすだけなのでしょう

・・でも

やっぱ気持ち悪いです

(ここからは妄想になりますがご勘弁 m(_ _)m))

やっぱ、気になるのは食い物が鐘の論理のためだけにムダに捨てられてるしてる現状です。

これは需給調整みたいな感じがあるのでしょうが・・

気持ち悪いです

んで、
「名目上の自給率を上げたとしてもこの現状は変わらない」・・ってことなんでしょうか?

だったら、「この需給調整の構造自体を変える」、という風にはできないのでしょうか?


(別に国粋主義者きどるわけじゃないんですが)
そういう風にすれば、農家の人も作り甲斐があるような気がして・・


・・青臭いですかね?

投稿: m_um_u | 2004.02.14 22:17

食料に限らず工業製品その他諸々を含めれば日本は様々な国に依存しまた依存されているわけですからむしろ長期的に見れば大きな意味での安全は買えているんじゃないでしょうか。それだけ色々食糧を輸入していれば良いお得意さんでもあるわけですからそうそう簡単に日本への輸出をとめたりするのは他国にとっても損をする事になるわけですから。値段の吊り上げや関税の引き下げへの体制を意識しているのかもしれませんが、それはsvnseedさんの仰るように外交の問題で、自給率を上げたところであまり意味はないでしょうし。多様な食事(まあ嫌味な言い方をすれば贅沢)が取りづらくなる事はありえても飢えに繋がるレベルでの食糧難はまずおきないと思います。そういったわけでfinalventに賛同いたします。

投稿: デンゴン | 2004.02.14 22:49

http://www20.tok2.com/home/kouji183/

このサイト、俺が作ってるんだけど、このネットラジオの1/1放送分を聞いて欲しい。
日本の自給率は低くてかまわない、ということをしゃべっています。

なかなか受け入れられにくい話ですが。

投稿: こーじ | 2004.02.15 03:52

テンゴンさん、コメントありがとうございます。この話書いてちょっとほっとしています。

こーじさん、ラジオのその部分、聞きました。HPには主張のアウトラインがあると便利かなとも思いました。それにしてもラジオとは面白い試みですね。m3uの使い方も正確です。

投稿: finalvent | 2004.02.15 07:42

m_um_uさん、ども。

  だったら、「この需給調整の構造自体を変える」、
  という風にはできないのでしょうか?

多分、それはできないんだろうと思います。というか、そういう前提で考えたほうがいいようには思いますね。食の問題だけではないのですが。農業の問題は難しいです。日本の農業って兼業だし、コメ作っているのとキャベツ作っているのと高糖度トマト作っているのとで、なんかすごく違うようにも思います。

投稿: finalvent | 2004.02.15 07:48

別に「ムリして」自給率をあげる必要はあまり感じていません。自給率が高い食糧にしても、結局は海外の石油資源や飼料に頼っているわけで。

というか、食料自給率をあげるためには

マズかろうがうまかろうが食う
安全保障のためのコストとして毎年捨てる
輸入を制限してそれしか食えないようにする

といった方法しかないような気がするのですが...どれもあまりうれしくありません....

で、問題となるのは

「日本人の好きな食料で海外から輸入するにしてもなかなか生産していないもの」
「日本人が好きな食料で新鮮さが命のもの」

でしょうね。米とかクジラとか、新鮮な魚とか、でしょうか。こうなってくると、どれもタバコのような嗜好品のような気も。まあ、需要があれば国内でも海外でも生産されるものだと思います。多少高くても食べたい人は買うでしょう。


例の牛丼にしてもリスクの分散という観点からすれば、米国以外の牛肉も使えるようにしておけばいいのでしょう。が、吉野家としてはコストの面から考えて、リスクの分散を考えずにこれからも米国産のみを使っていく方針とか(どうせ年内には解禁になると見込んでの発言でしょうか)。なんか自給率云々と言っているのがむなしくなりますが、日本人があの味と値段を好んでいる以上はしょうがないような気が。

投稿: jouji | 2004.02.15 11:00

joujiさん、どうも。牛丼について「日本人があの味と値段を好んでいる以上はしょうがないような気が。」というのは、けっこう本質的だと思います。市場が成立しているのですから。

でも、ネットを見渡したら、自給支持ばっかだったのですよね。

投稿: finalvent | 2004.02.15 13:29

たまごを生む鶏の飼料は大部分が輸入ではなかったでしたっけ?

投稿: ara? | 2005.05.25 15:47

自給率が低くなった場合の損失の計算が出来ず、
自給率どうでもいいよ派の説得力が無い。

同時に、自給率が高くなった場合の利益の計算も出来ず
自給率高めよう派の説得力も無い。

コスト計算を試みる例があるけれど、
近視眼的だったり、マクロすぎて具体的数字を挙げられなかったりで議論がかみ合わない。

そんな両派の議論だから有益な結論が出るわけも無い。
自給率の高低、どっちがいいかはその人のセブンセンシズに頼るほかは無いんじゃないかと思っています。

投稿: mo | 2006.05.23 03:40

 補助金を出して食料自給を高めているEU諸国が、余った食料をアフリカ諸国へ安価に輸出している。
この様な安易思考な食料政策がアフリカ諸国の自給率をどんどん下げている。アフリカ諸国民が働いて生産するよりも生産原価が安いなどは言語道断。
アフリカ諸国の農業基盤を完全に破壊してしまった現在、安易な食料政策を行っているEU諸国の責任は重い。
 畑は荒廃し家畜類の種畜もいなく農民が食料生産を放棄し、EU諸国から入ってくる安い食料を販売して生計を立てている。
 補助金を出して農産物を生産している国は、どんな理由を付けても他国へ輸出をしてはならぬという原則を守らないと、他国の食料生産システムを崩壊させ、二度とその国では再生産できなくなる。

投稿: 新しい国作り | 2007.02.09 08:23

ここにいるすべての人に聞きたいんですが、
毒入り餃子に代表されるような昨今の
輸入食材にたよる日本の食について
どうお考えですか?

ぜひご高説を賜りたいw

投稿: | 2008.02.02 23:12

馬鹿らしい。地球の資源が有限だっていうのに、いつまでも他国から安定供給できるって考えてるのがそもそも安易。

日本の食料自給率は年々低下。
世界各国の食料は人口増加に伴い、年々増加。

いつ供給がまわらなくなってもおかしくないでしょ。

ついでにいうと地球温暖化で砂漠化する土地にアメリカやオーストラリアが含まれるってことも当然しってるんですよね。

日本は亜熱帯が熱帯になる程度で砂漠化にまではいたりません。

ついでにいうと日本が豊富な財力で外国から仕入れたリンのおかげで土壌は非常に豊かです。
火山がちかくにあるおかげで、湧き出る水にも豊富にミネラルが含まれ、水を供給するだけでもある程度植物は育ちます。
 日本が農業に向いていない国というのは、あくまで大量生産、安価に大量輸出を前提とした話であり、土壌を中心に見たら、世界でも稀に見るくらい農業に適した国です。

日本が農業を犠牲にしながら生活が成り立っていたのは、工業輸出に収入を頼っていたからです。
 しかし現状、工業技術者も後継者がいなくなり、また収入の減少で工業は足元から崩れつつあります。

工業輸出でも他国に差を詰められるようになったら一体どのように国家をもたせるつもりでしょうか。

ちなみにもうひとつ、コンクリートを立てた土地などは、破壊して石をとっぱらったとしてもすぐに農地に変わるわけではないのですよ。土の排水性、団粒構造は耕して、肥料を与えてもすぐには戻らないのです。それは、耕作放棄された土地も同じ。

農業が国にとって重要だときづいても、すぐには元に戻らない。
それを念頭において、考えるべきではないでしょうか。

投稿:   | 2008.08.25 19:00

食料自給率の実態を知ってほしいと思います。農水省とマスコミに煽動されているだけです。
自給率39%はカロリーベースですが価格ベースでは70%近いわけで困る状況にないのは明らかです。このことだけでもたいして問題にすることでもないだろう、と思うのですが。ただ多くの今ある情報では誰もが「何とかしなくては...」と考えてしまうのはわかります。しかしそもそも農水省が出している39%の計算方法がでたらめだったらどうでしょう?「月刊農業経営者 10月号特集 インチキ食料自給率に騙されるな!」では的確な指摘がなされています。ニュースキャスターなどの食に関するコメントにはいい加減うんざりしていますが、自給率問題に関しては事の発端が農水省の意図だとしたら「うんざり」ではおさまりが付きません。誤解のないように付け加えますが自給率を上げること自体に反対しているわけではありません。食品会社経営者より

投稿: Goro.K | 2008.10.06 06:04

自給率40%というのは日本の人口を100人にしとき、40人が生きていけるカロリーベースでの意味ですね。
要するに輸入ストップ時には60割が栄養失調で飢え死にするという意味です。

そして急激な円安のなか、工業製品を輸出して農産物を買えば良いなどと言っている政治家の考え方は古いのです。

地球でまかなえる水の量は100億人が限界だといわれています。食料がそれより多いはずがないのです。水が基本なのですから。
現在の地球人口が63億人。減少するめどは立っていない。
進む環境破壊。耕作地の減少。
オーストラリアの大干ばつ。アメリカ中西部巨大農地の地下水使用=ホガララ大水帯の枯渇。
日本の食料はどこから輸入すれば良いのでしょうか?

食料は人類が誕生してから唯一変わっていない大切なものの一つです。1ヶ月食べ物を食べずに生きることができますか?

現在の状況から、食料輸入ストップにならない保証はどこにもないと思われます。食糧危機になった時点で各国が他国のために自国の国民を犠牲にしますか?外交さえ何とかしてれば…。は甘いです。江戸時代の飢饉では、家族を殺して食べるのです。そうしなければ生き延びられませんから。
ましてや資源の何もない日本で食料と交換できるものなど存在しないのです。

ではどうするか?外交は大切だと思います。
今の状況でどう自給率を上げても生き残れるのは6割までだそうです。今から江戸時代のような自給自足に戻れるほど人間はタフではありません。便利は手放せないものです。
しかし自国で食料をまかなえるようにするのは当たり前と言えば当たり前なのです。
ヨーロッパで唯一自給率の低いスイスは(それでも50%は切っていませんが)政府が国民半年分の食料を、企業にも食料をストックさせること義務ずけています。そして各家庭でさえも最低3ヵ月は食料をストックさせています。
品目によってストック量は異なりますが、日本政府を見ればせいぜいがもって1.4ヶ月。

話がそれましたが…。
これほど危険な状態にありながら、それでも”自給率なんて低くてもいい”と言っていられますが?
今のままの政府の対策は私も良くないと思います。農業に対しての考え方が甘すぎると思います。
そして一番問題視しなければならないのは消費者の概念です。別に贅沢をするなとは言いませんが、必要以上をつくり残す必要はありますか?それは贅沢とは言わずただの無駄遣いです。贅沢をしたからといって残さなければ無駄は出ません。
安全性も高い地域のものをなぜ少し高くても買わないのですか?

輸入がストップしたときに、なぜ食料が出来ないと騒いでも遅いのです。日本の畑をつぶしていったのはほかならぬ自分たちとなるのですから。


まぁ実際飢饉にでもなって人が死ねば、日本がまかなえる食料と人口がつりあってよいのかもしれませんが。


長々と長文を失礼しました。

投稿: 高校三年生 | 2008.10.26 17:17

私は最近ごはん党になりましたよ。食料自給率という言葉をよく耳にするようになって、国産品を選んで買ったりお米をたくさん食べることが日本の農業を守っていくような気がするのです。農業に関心を持って「食に感謝する気持ち」を持つことは本当に大切です。子供たちと食事をする時はいつも話題にしています。

自給率がインチキだとか数字がでたらめとかいう見出しは、読んでいても何も生み出しませんし。

大切なのは、ひとりひとりが意識を変えて生活することだと思います。食べ残しが減ったり、ご飯の消費量が増えたりしてその結果、日本の農業や環境や文化が守られていくこと。食料自給率という言葉を「プラス思考」で使っていったらいいのではないでしょうか。自給率は、むしろ後からついてくるようなものかもしれません。

それにしても、前のコメントの高校三年生ってすごいですね!読書量がスゴそう。偶然見つけたこのページですが、私も勉強になりました。

投稿: ぽんたママ | 2008.12.17 03:02

一言だけ言わせてもらいます。
あなたは知識がなさすぎです。
高校三年生さんおコメントで十分危機感はもてるはずです。

投稿: | 2009.09.27 01:32

世界のどこからも食料が輸入出来ないとはどういう状況ですか?
それは政治的に破滅的な状況です。
それでも、まだ食料が40%あるんですよ。
十分、生きられますよね。
その間に、食糧増産すればいいだけです。
でも、そのような政治状況で、工業製品の輸出、および原料の輸入は可能ですか?
単に、食料だけの問題では無い筈です。
あ、世界的な大飢饉を想定しているわけですか?
それなら、国内も40%ってことは無いですね。
でもそれは人類の存亡規模の危機ですよね。
巨大隕石が衝突するとか、氷河期になるとか。
自給率がどうたら言うてる場合ではない。
そりゃ、自給率は高いに越したことはないですが、
食料が一切入ってこないというのはありえないフィクションです。
第一、輸出している国が困る。
止めようたって止まらない。
止めることの方が難しい。
それが現実です。

投稿: ブロガーさんに賛成 | 2010.03.13 19:47

”食料が一切入ってこないというのはありえないフィクションです。”

あなたはこのありえないフィクションがつい70年前に
実際この列島で起こった現実を知らないのですか??

投稿: | 2010.09.03 16:49

食べ物だけの問題にあらず。耕作放棄地が拡大すると、雑草や害虫が増えて、地元の人々が被害を被る。古くからある日本の美しい田舎の風景が損なわれ、日本人の「精神」の崩壊にもつながる。日本人が水等の自然の恩恵を忘れる。蛇口を捻ればいくらでも出てくると勘違いするように。
問題は、色々ある。

投稿: イッシー | 2011.02.20 21:54

保険でしょ。

世界人口は増加している。
食料の価格が上昇している。
貧困で飢え死にする人々も多い。
少々コスト高でも自給率を
上げておいた方が無難でしょう。

もっとも、イザとなったら
そこいら中で穀物栽培すればよいだけですが。
耕作に適した温帯気候に感謝ですね。

投稿: むむ~ | 2011.08.30 12:40

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