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2004.02.11

年金法案提出と新生銀行

 今朝の新聞各紙社説を見渡して、ぼんやりとした感じがする。テーマとしては二つある。一つは年金改革の関連法案であり、もう一つは新生銀行公開価格(525円)が決まったことだ。しかし、この二点に言及すべきことが思い当たらない。ぼんやりとした感じというのは、このたるい既視感のようなものだ。
 年金改革については、このブログでもなんどか扱ってきた。私の考えは、それはテクニカルにはそんなに難しい問題じゃないだろ、が基本である。だが、社会問題はテクニカルな点にあるわけではない。問題は二つある。一つは世代間の闘争的な含みだ。毎日新社説「年金法案提出 安心のメッセージが伝わらぬ」がうまく表現している。


 年金改革にパーフェクトな案はない。給付と負担のバランスの取り方で、負担する若い世代か、年金を受給している高齢者のどちらかに不満や不公平感が出る。これまでは、右肩上がりの経済成長がその矛盾を隠してきた。しかし、現状ではそれを期待できない。

 つまり、そういうことだ。この問題についての私の意見は、若い世代を優遇せよである。関連して、新聞各紙は議論を避けているようだが、年金問題は、おそらく、日本が積極的にリフレ政策をとれば自然に解決する可能性がある。しかし、政府はじりじりと小出しにリフレ政策を応用しているものの、日本社会の解決を志向しているわけではない。端的な話、現在の日本の構造にうまみのある人間が日本の政治を握っているのだ。雑駁に言えば、公務員と地方だろう。この問題は放置しておくと危険だとは思う。
 年金についてのもう一つの問題は、このブログのコメントからも示唆されるのだが、年金族への怨嗟の問題だ。私は率直なところ、年金族をつるし上げる必要はなかろうと考える。だが、実際の歴史というのはそう進むものではない。今朝の新聞各紙の社説はこの問題についてあえて触れていない。率直に言って、新聞社と年金族とのつるみがあるように見える。広義にいえば、公務員的になりつつある新聞(宅配料は一戸建て都市民の税金ではないか)にはもはや年金を扱う資格などないのだ。
 新生銀行については、日経新聞社説「新生銀行の再上場が示す金融の課題」が大きくとりあげていたが、ちょっと薄気味悪い内容だった。しかし、こうした見解もアリかもとは思う。テクニカルな問題面では私も理解できないこともあるし、あまり言及したい気にはならない。というか、そういうリングを前提にされるとなという感じだ。
 毎日新聞社説「新生銀行再生 見事さと後味の悪さと」はよく書けていると思う。といってその論に賛成するわけでもない。評価するのは、次のようなジャーナリズム的な記述だ。

 後味の悪さの第一は、この公的資金は何に使われたかだ。債務超過の解消と不良債権の買い取りは、元本保証ではなかった金融債の元本保証と、大手ゼネコンや大手流通グループの救済などに使われた。外資系投資家の懐に入ったわけではない。この不透明さは今も解明されていない。

 公的資金=税金、その支途が見えない。そんなことがあっていいのかと思う。毎日が指摘する二点目は「瑕疵担保条項」だ。日経のほうはハゲタカファンド論否定を打ち上げているが、私は腑に落ちない。三点目の「日本の民間企業は何をしていたのか」はタメなので無視。
 毎日の結語はよくわからない。

 新生銀行の再生を嫉妬(しっと)するのはお門違いだ。むしろ不透明だった金融行政を反省し、新生銀行の再生に学ぶべきだ。

 全然方向が違うと思う。しかし、それに私が関心を持つものでもない。UFJやみずほの危機はこのままだらーっと見過ごされていくのだろうか。卑近な話だが、私は大学の育英資金のために富士銀行の口座を開いた。四半世紀にわたる顧客だが、一遍もこの銀行のメリットを感じたことはない。不快感はいくつも上げられる。身近なATMも封鎖されるようだ。セブンイレブンのIY銀行のほうがましだ。庶民感覚からして、銀行はふざけたやつらだなと思う。こんなものが温存されているかというのはあまり納得できるものでもない。
 が、だからといって目先で批判しても大局を失うだろう。大局とはと大上段に言うまでもなく、デフレ対策だろう。デフレじゃないという薄気味悪い声が聞こえるからなおそう思う。
 余談だが、今日は建国記念日だ。くだらない。産経新聞社説もさすがに内心くだらないと思っているようすが読めて、それは笑えた。あまり歴史議論には立ち入らないが、建国の神武神話というのは、天智王朝のパロディだ。百済が滅亡したので建国の神話を作り出したのだ。日本の建国は7世紀ことであり、それは昭和天皇もそう発言されていた。

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