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2004.02.05

幹細胞技術とか、産経新聞の恥とか

 社説関連で散漫な余談を書く。
 まず、人間の倫理に関連して。毎日新社説「着床前診断 このルール違反は許されない」に変な感じがした。問題は着床前診断についてだ。着床前診断とはこうだ。


 女性の体から卵子を取り出し、体外で受精させる。受精卵が4~8細胞に分割したところで、1細胞を取り出し分析する。異常がないとわかった場合に、残りの細胞を子宮に戻し、妊娠・出産する。

 で、それは生まれてくる人間を選別しかねない重要な問題だ。で、結論を先に言うと、その重要な問題を私たちの社会はどう考えるかは、ちょっとわかんねーである。毎日新聞はここをかっとばして、業界団体が正しいとする。いわく。

 だからこそ、国内では日本産科婦人科学会がルールを定め、一定の歯止めをかけてきた。
 にもかかわらず、神戸市の産婦人科の医師がルールを無視し、3組の夫婦を対象に独断で実施していたことがわかった。

 それが問題だというのである。するっと読むとなんて許せない悪徳医師みたいだが、この手の問題は、ちょっと辟易としてしまう。というのは、諏訪マタニティークリニック」根津八紘院長の提起で内実をよく知るようになったからだ。ただ、与那原恵などライターがこれまでこうした問題にちょっと首を突っ込むのだが、いま一つ真実感がない。根津八紘にくらいつくジャーナリスト魂がないのだろう。ちなみに、「八紘」は「やひろ」と読む。ちょっと解説したい気がするが、しない。
 関連して幹細胞技術(参照)なのだが、これもなんだかわからない。もちろん、個々のニュースはある。というか、うんざりある(参照)。だが、米国のような議論は見かけない。というか、議論があるのはわかるが、どうもピンと来ない。文化的に生命への畏敬感が違うのだろうか。たしか、韓国では幹細胞技術でハゲの治療をといったニュースを最近見かけた。そこまでして毛生やしたいか。
 話は変わって、これも雑談だが、産経新聞社説「交ぜ書き 廃止求める提案に賛成だ」はなんか吹いてしまった。

 例えば、小学四年の国語教科書は「階段」を「階だん」、「骨折」を「こっ折」と表記している。「段」や「骨」は六年生で学ぶことになっているからだ。また、六年の教科書では、「援助」が「えん助」、「図鑑」が「図かん」となっている。「援」や「鑑」が教育漢字にないためだ。
 あまりにも杓子(しゃくし)定規で、愚かしい表記法である。これでは、古典や擬古文だけでなく、夏目漱石や森鴎外など明治を代表する作家の作品すら読めなくなってしまう。書くことが難しい漢字であっても、まず、それにルビをふって読ませる指導が必要であろう。

 なんかなぁ、である。この手の議論を書いていて、「森鴎外」である。まずいよなとは思わないのだろうか。

 漢字を正しく覚えるためには、子供のころから読書の習慣をつけ、小学校の早い段階で古典に触れさせることが大切である。

 先ず隗より始めよ。

追記1
「オチがわかんない人がいるかもよ」と言われた。そうか? ところでこれ見える? 
追記2
産経新聞ネタだが、「問題は『森鴎外』だけじゃないだろ」との声を聞く(どっから?)。えっとですね、それは極東ブログとしては、固有名詞と普通名詞の問題、だから。「池沢夏樹」か「池澤夏樹」か、と。ついでにいうと、日常の文章を全部旧字体旧かなにしろとも思ってない。こう言うとこっぱずかしいのだが、「旧字旧かなは日本人の教養」で、「森鴎外」はちょっと教養ないよね、という話。余談だが、漱石もそうだが、これは「号」である。ペンネームじゃないんだよ、っていうのがわからん人が増えてきた。こういうのも困ったものだと思う(号はペンネームであるとか言われたら、ポコペンだけどね)。

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コメント

いつも読んでます。
オチもモリオーガイも読めますよ。
(WinXP-IE6)

投稿: 通りすがりくん | 2004.02.05 12:52

あ、どもです。IEだユニコードの実体参照にちとバグがあるみたいですね、というわけで、産経をあまり馬鹿にできないかとか思いましたが。

投稿: finalvent | 2004.02.05 15:01

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