カネボウFor beatiful human life
大手新聞各紙が雁首並べてカネボウ問題をテーマにしていた。呆れた。読んでみた。阿呆臭かった。なんでこんなのがテーマになるのだろうと思うものの、お付き合いで駄文を書く。まさかと思うが問題を知らない人がいるかもしれないので、手短にまとめた日経新聞社説「疑問多いカネボウ再建策」の冒頭を引く。
カネボウは産業再生機構を利用する新たな経営再建策を発表した。花王に化粧品事業を売却する当初の案から乗り換える形になる。同社によると、経営者の交代や金融機関の債権放棄を伴わずに、花王より有利な条件で再生機構から出資を仰げる見込みという。
これに対し再生機構は「できる限り迅速かつ前向きに検討する」とのコメントを発表した。具体的な中身は再生委員会の判断次第だが、カネボウが発表した内容には疑問が多い。産業再生機構の支援は、もし失敗すれば国民に付けが回る仕組みだけに、安易な利用は許されない。
伊藤淳二の老害を自浄できないカネボウはふざけた態度だが、問題はむしろ産業再生機構が期待されたほどの機能をしていないことだが、各社説ともその問題には立ち入ってはいない。この問題はエコノミストたちもあまりきちんと議論していない気がするのは、つまらない領域だからだろうか。関連の話題は、ヤフーに「産業再生機構」(参照)にまとまっているともいえるのだが要領を得ない。社会問題はむしろ、ダイエーとUFJ関連だろうと思う。が、これはある日突然降って湧いたように、おやまぁ問題発生、となるのだろうか。
カネボウといえば、私が大学生のころ同級生の米人が、"For beatiful human life"って面白いなと言っていた。そういう表現は英語にないんだよ、と。どんな感じがするのか聞くと、地球生命体だと受精卵だとみたいな感じのようだ。Lifeという言葉は私も未だによくわからない。トルストイに「人生論」というのがあり、よく読まれているようなのだが、読んでみるとこれがけっこう変な本。というか、My lifeという語感はこういう変なものなのだろうかと思う。察するに、Lifeというのは、泥でできた人形に神の生気(プネウマ、ニューマ)を吹き込むような、そんな生気に形を与えたようなもののようだ。そして、そこから出来た諸生命体という感じだろうか。それの存続がLivingなのだろう。「人生」とは違い、「命」というのはやや違うようだ。
The Human Life Reviewという雑誌があるが、これは中絶問題を扱っている。と、ふとひかっかってぐぐってみると、そうだった、カネボウにOTCで見かけるエキス漢方などを作っている薬品部門があるのだが、こんな歴史を持っている(参照)。
1966 山城製薬(株)の経営権を譲り受け、薬品事業へ進出
1972 カネボウ薬品(株)設立
1976 漢方研究所設立
1978 漢方エキス錠シリーズ発売(八味地黄丸料エキス錠発売)
1999 医薬品新薬事業を日本オルガノン社に営業譲渡
で、このオルガノン社と言えば、1999年に日本でも承認された合成黄体ホルモン(デソゲストレル)を使った低容量ピル「マーベロン(marvelon)」。すでに販売されているが、普及していない。"For beatiful human life"という洒落は慎みたいし、マーベロンについてはこの文脈で論じるものでもないだろう(フェミニストの見解が聞きたいものだが)。
話がどんどん逸れそうなので、おしまい。もともと、こんな話題、社説にすんなよ、新聞屋。
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コメント
「呆れた」と言うだけのために、新聞の社説を引き合いに出すのもどうなんですかねえ。
今回に限らず、極東ブログさんほどの方が新聞の社説ごときをわざわざ批判なさるのを読むと、なんか大人が子供の作文を大まじめに批評するのを見るような馬鹿らしさを感じるのですが。
投稿: (annoymous) | 2004.02.18 18:27
ご忠言、たしかにそうですね。修辞的な罵倒は無意味ですし、今回の話はパスったほうがよかったかもしれません。以後、できるだけ失念しないようにします。
投稿: finalvent | 2004.02.18 18:34