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2004.01.31

戦争の大義について

 このところ、イラク戦争について、あの戦争は大義なき戦争ではないか、というテーマをよく見かけるようになった。端的に言えば、卑怯者の負け惜しみではある。イラク開戦は突然ではなかった。その間、日本がなにが出来たかといえば、実質何もできなかった。何かできたというなら、それはあの時の日本を支えていた大衆を愚弄する「知識人」とやらの法螺に過ぎない。
 確かに、この機に、米国を叩いておき、そして、イラク戦争のような開戦が再びないような経験を国際社会を積むことはいいことかもしれないし、なにしろ、それこそ、米国人の課題だ。若い民主党支持者がその旗を振るのは理解できるが、その旗の棒の端っこを日本人が掴むのは、私は、ちょっとなぁと思う。
 そして、結局のところ、いくら自己満足的に大義なき戦争はいかんといっても、英米のやつらはやるときはやるのだ。その「やるときにはやる」というのは現実的なパワーの問題なので、このパワーをどう制御するかが問題だ。
 具体的に言えば、有志連合をどうするかだ。有志連合について言及しないで、「あの戦争は大義なき戦争」だ批判しているヤツラは、馬鹿だと思う。わからないのだろうか。思春期のガキじゃないんだ。いくら正論こいても、そこに暴走族みたいな有志連合がいていつでも動けるのだ。こいつらをどう制御するのか。制御しないかぎり、また暴走するのだ。むしろ、この暴走を止めるための実際的な努力を、批判の満足で自己慰撫していてもしかたない。現状は、米国に批判的な見える仏独だが、こいつらのEUのなかでの強権の問題も知らんぷりして、仏独の言論に尻馬に乗っているやつらは、嗚呼、ポーランドからどう見えるだろうか。そして、実質、有志連合には仏独も事実、拒絶もしてない。
 率直のところ、あの古くさいサヨクの歌がまた流れている状況に辟易としてしまう。
 個別に大義云々にしても、ようは、実は、開戦の是非ではなく、戦後統治のミスの問題を隠蔽しているだけだ。
 米国が、もっとドライにフセイン勢力を温存しておけば、スンニ派の抵抗はなかった。適当にあいつらをおだてておきながら、実質統治の面で分割統治のようにクルド人やシーア派をバックアップして、あとはスンニ派の政権下で米軍基地を置いておけばよかったのだろう。そうしなかったし、亡命勢力を根付かせようとすらしたした米国の統治はミスだ。このミスがなければ、「あの戦争の大義は?」といった問いの出てくる隙間はなかった。
 その意味で、イラク戦争の大義を問うということは、イラク戦後統治のミスを問うことと、バランスしているはずだ。だが、後者の意見を私は見かけない。
 戦争に大義はいらないとは思わない。大義とはそれを了承する人々のパワーの問題にすぎない。大義などいくらでもできる。ようは、それを、我々の大義とするか、だ。小泉は米国のケツを舐めることを大義としたのだから、それも大義なのだ。
 今さら大義を問うても、有志連合が問われないなら無意味なように、戦後統治のミスを問うことはさらに無意味だろう。だが、現実の問題は、イラクをどう統治するかということであるはずだ。特に、日本人にとっては。
 暴論ついでにいうが、日本人はサマワ=イラクだと思っているのだろうか。偽悪的に言うが、あんなもの米国に従順でしたというシンボリックな意味以上はなにもない。イラクの復興を願うなら、そこは起点ですらない。
 も一つ暴論を加えておこう。日本人はイラク友好である心情を持てば、イラクからも親密な応答が得られると思っているのではないか。イラク人といっても単一ではないが、総じて言えば、彼らは日本人を猿か中国人か韓国人くらいにしか見ていない。トルコ人ですら、知識人で歴史を知らなければ、日本人なんか見えないのだ。日本人が日本人に見えるためには、日本を知らしめなくてはいけない。亡くなられた奥克彦参事官が、イラクの無秩序の社会にあって、なぜ「おしん」を放映しようと思ったか、そのセンスを誰も理解してねーんじゃないか、と思う。
 日本人が猿なみに差別されることを、中国人や韓国人くらいには理解しておいたほうがいいと思う。特に、若者!

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コメント

はじめてコメントさせていただきます。政教分離に関する仏留学生のメルマガから来まして、旧版の方まで夢中になって読ませていただいております。
大連在住4ヶ月目のおやぢです。

読み易い文体ですね。
チンプンカンプンのテーマでも結局終わりまで読んでしまってます。

今日の気風のいいい書き振りには、思わずこうしてコメントしたくなってしまいました。

「総じて言えば、彼らは日本人を猿か中国人か韓国人くらいにしか見えていない。」
以下。

うっし! 頑固おやぢ!

爽快な読後感でありました。毎日期待致して居ります。

投稿: shibu | 2004.01.31 19:32

shibuさん、はじめまして。ごらんのとおり、暴言吐きまくりです。大連はいちど行ってみたいです(冬は嫌だけど)。私の父親が満鉄の学校を出てます。今後ともよろしく、お願いします。

投稿: finalvent | 2004.01.31 21:00

早速のお返事ありがとうございます。大連に縁のある方多いですよね。すぐ思いつくのは岡崎久彦氏も大連生まれですね。史跡というかそのまんま手直しして使われてる施設も多いかも知れません。ヤマトホテルに満鉄本社、満鉄大連病院、満鉄倶楽部。大連外国語学院が大連神社で大連京劇団が東本願寺という具合です。しかし「大大連」計画とかで、この4ヶ月の実際見聞するだけでも凄い早さで古い建物を取り壊しております。東の開発区に西のソフトパークと外資(主に日系)誘致に躍起のようです。自営で実際ニョウボが仕切ってるんで閑持て余してたwら、日本語人材急要のため頼まれて昨年暮れから塾の老師始めてしまいました。いきなり地元大学生や日系企業に勤めるまた勤めたい社会人の生徒達ができてしまったので、格段に地元情報が入ってき出しました。日露戦争100年だなと言ったら今度旅順をディープに案内してくれるそうですw。こここそ観光禁止ですからそのまんまですね。公安でZビザ審査の時あっちいっちゃだめとか言われたので遠慮してたのですが、地元生徒に紛れて是非行ってみたいものです。

投稿: shibu | 2004.01.31 23:18

どもです。面白ろそうですね、大連。たしか、佐野洋子が大連生まれでエッセイ書いていたかと記憶しています。個人的に気になるのは、大連はやはり満人の文化なのかなと。

それにしても日本企業の進出はすごいようですね。伝聞ばかりですが、いろいろ考えてみたいことばかりです。

投稿: finalvent | 2004.02.01 08:08

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