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2004.01.23

それってリフレと違うのか

 日経新聞社説「『先手打つ日銀』演出した金融緩和」が奇妙だった。日銀の金融緩和の説明として間違っているわけでもない。ただ、それって、リフレとどう違うのかというのと、日経さん、おまえさんはどういうスタンスなのかね、ということだ。非難しているのではなく、日経ってなんなのだろうと単純に疑問に思うのである。
 話題はこういうことだ。


 日銀が予想外の金融緩和に踏みきった。金融調整の操作目標である日銀当座預金残高をこれまでの「27兆―32兆円」から「30兆―35兆円」に引き上げる内容だ。また、買いオペの効果を高めるなどの狙いから、資産担保証券の買い入れ基準を緩和することも決めた。
 景気回復が鮮明になる中での金融緩和は異例なことだ。日銀は、企業の過剰債務などの構造問題を背景に景気回復テンポが緩やかにとどまる公算が大きいことや、円高傾向が続く為替相場などを勘案すれば、もう一段の後押しが必要と判断したようだ。先手を打つ措置により、日銀がデフレ脱却に本気であることを印象づけようとしたものともいえる。

 予想外なのか? G7前でスケジュール通りとしか思えないのだが。それと、「景気回復が鮮明になる中での金融緩和は異例ことだ」はジョーク?
 自分がこういう問題に疎いこともあるのだが、これってリフレ? 部分的にはそうだろうとは思う。ただ、リフレとは言えないのだろうという裏がよくわからない。
 さらに、よくわかんないなと思うのは、日銀が先手を打つと日経は言っておきながら、本音の評価は以下だろう。

 今回の日銀の緩和措置がもたらす直接的な効果は限定的だろう。企業が引き続き借金返済を優先する姿勢を続ける中で、銀行貸し出しの伸びが回復するメドは立っていないからだ。

 効果は薄いよということだ。当然、銀行貸し出しが鈍って結局フローにならない、のだろう。
 率直なところ、今回の日経さんを驚かした金融緩和はそれほど問題ではないのだが、なぜこんな記事が出るのだろう。そして、どうも日銀を巡る動きがわかりづらい。
 話が別件かもしれないが、今週の日本語版ニューズウィーク「ドル安容認は恐慌の序曲」にこの数ヶ月間、日銀は米国債の購入を控えて通常ドル預金を増やしているという話がある。米国債暴落のリスクをかけているのだろうと見ればわかりやすいが、え?という感じは拭えない。
 よくわかんなでこんな話書くなよと言われそうだが、日経の話でわかった、ってことになるのか。まして、他紙はなんでこの問題に触れないのだろう。
 いや、触れている。毎日新聞社説「追加金融緩和 中央銀行の愚直さ取り戻せ」だ。こっちは、わかりやすい。というか、この数ヶ月間毎日新聞の経済関連の社説には明確なトーンがあることがわかったからだ(ようやくね)。つまり、反リフレである。

 もはや、量的緩和の拡大は市場にとってほとんど意味がないということだ。「着実に回復している」以上、景気下振れへの突っかい棒である金融緩和からの出口を探るべきである。
 ゼロ金利政策や、必要な資金はいくらでも供給するという量的緩和政策は、あくまでも緊急避難措置であった。実体経済をみると、成長率は実質で2%程度、名目でもプラスに転じている。これは経済の正常化以外の何物でもない。それにもかかわらず、追加緩和の道を歩むとすれば、国債の円滑な消化のため、低金利政策に手を貸しているなど、あらぬうわさを呼びかねない。

 「経済の正常化以外の何物でもない」ということろで、ぶふっと噴飯しまうのだが、失礼、ようは量的緩和策を是が非でも否定したいのだ。ただ、毎日のこのヒール役もそう悪くない。先のニューズウィークの指摘とも関連する。

日銀はすでに、外国為替資金特別会計が保有する米国債を売り戻し条件付きで買い取っている。介入資金を提供しているのだ。当座預金残高の目標引き上げも、介入資金調達のため発行する外国為替証券消化を円滑に進める助けになる。しかも、それを早手回しに行う。中央銀行の独立性はどこに行ったのだろうか。

 これは率直にふーんと思う。ただ、ここはリフレ派の正念場なんだろうなと思う。と、いうわけで、極東ブログはこの問題にぶれる。どうしても、これって経済の問題ではなく、政治の問題のような気がするからだ。

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