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2004.01.20

日経さん、財政再建でなにが言いたいのか、その2

 今朝の新聞各紙社説を読みながら、昨日の極東ブログ「日経さん、財政再建でなにが言いたいのか」の続きを思った。不思議といえば失礼だが、「構造改革と経済財政の中期展望―2003年度改定」について、今朝の産経新聞の社説「中期展望 デフレの脱却へ一押しを」がなんぼかマシである。日経はどうしたんだ? 産経のほうがマシだぞ。なんでそういうことになるのかよくわからないし、産経のこの社説にも創見といったものもないのだが、自分の常識の確認にはなる。


 先に政府が開いた「経済政策コンファレンス」でも、内外の有識者からは一連の構造改革にスピード感が乏しいとの指摘に加え、金融政策で一段の工夫を促す意見が多かった。
 お金の流れが滞っている。市中に出回る資金量を示す昨年のマネーサプライ(通貨供給量)は、十年ぶりの低い伸びにとどまった。企業の資金需要の低迷や不良債権処理を迫られる銀行の慎重な貸し出し姿勢を映しているものの、デフレ克服には日銀の金融緩和策の質的改善が欠かせない。
 資産担保証券の買い入れ基準を緩和し企業の資金繰りを支援するほか、外債の購入やインフレ参照値の導入など新たな手立てを急ぐことだ。

 そういうことなんじゃないか。というか、この話をもう一歩掘り下げてもらいたい。
 よくわからないのは、なぜ日本はこの政策が取れないのか? 馬鹿でもわかるじゃないか、とまでは言わない。私も今ひとつわからない面があるからだ。しかし、難しく考えるほどのことではない(金の滞り)という線がなぜねじくれているのだろう。率直に思うのは、旧来の官僚・天下り主導の構造維持なのだろうか。もっと端的に、このデフレのシステムを支持しているのは誰だ? ……いや、そういう発想は違うかもしれない。
 よくわからないもう一つは昨日の日経の社説だ。なぜ日経からあんなスカが出るのだろう。ただの馬鹿というわけもないだろう。
 天王山は日銀ということなのか。とこの言い回し古過ぎてほとんどギャグ。
 読売新聞社説「月例経済報告 回復宣言に安心せず手を緩めず」は漠としている。日経ほど酷くはないが、日銀には触れていないので、読む意味はない。が、若干気になることはある。いや、どうっていう話でもないのだが。

 今回の回復が外需主導であることは明白だ。米国の本格回復や中国の高成長を受けて、輸出が増大し、それによって企業の設備投資も拡大してきた。

 馬鹿でもわかるが、景気回復というのは見せかけで、日本の米国依存が深まっている。これは、円介入から米国債買い入れというサイクルで見れば、米国の日本依存が深まっているともいえる。いずれせよ、マクロ的に見れば、日米のおふざけ劇である。
 2月のテーマになるのだが、この構造はどこへ行くのか。つまりドル安問題である。

 急激な円高・ドル安の進行は、外需主導の回復を狂わせる恐れもある。ドル安は日本ばかりでなく世界経済にとっても、悪影響を及ぼす。
 円高阻止は、日本の単独介入では限界がある。二月初めに開かれる先進七か国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で、政府はドル安阻止に向けた協調体制を、米欧の通貨当局と確立すべきだ。

 なぜEUを名指ししていないのだろう。それと、G7はどうなるのだろうか。読売のような、こんな甘っちょろいストーリーになるのだろうか。
 ならないのではないか。端的に言って、ドル安は米国策だし日本も円介入で実は賛同している。加えて、現状の構図は、EU対ドルの戦争なのではないか。
 どうにも見渡しが悪い。すぱっと切れる視座はないのだろうか。いつも道化回しにして申し訳ないのだが、田中宇から陰謀ロジックを除いて、少しマシな視点は出てこないものだろうか。

追記
関連リンク
「日銀、資産担保証券買い入れ」(参照
「日銀、資産担保証券の買い入れ基準を緩和へ(2003年12月17日)」(参照
「資産担保証券の仕組みQ&A」(参照
「外債かETFか(2003年02月06日)」(参照)より。


日銀による外債購入の可能性が上昇しているとみられる背景には2つある。1つは、当局が1月中に行った、不可解な為替市場への覆面介入である。同介入は、通常の平衡操作というよりも、為替介入を利用したベースマネー供給の色彩を帯びている。2つめは、米国財政赤字の拡大が見込まれることである。03年度、04年度と3000億ドルを超える財政赤字の発生が予想される中で、米国当局は長期金利の上昇を抑制するという観点から、従来に比べて、日銀による外債購入に前向きになる可能性がある。

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