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2004.01.03

恥ずかしき無駄知識 トリビアの泉

 たいしたネタではないが、正月の「トリビアの泉」を録画してあったので、CMを飛ばしつつ見た。総じて面白かったが、毎度ながら食えないネタも多い。浦島太郎は老人となった後、鶴となった、については、一応万葉集にも言及していたものの、室町の物語の原形とするのはいかがなものかなどとは思う。その他、この番組を見ていると、なにかと日本人も無教養になったものだなと脱力することが多い。が、今回はちと脱力を通り越した。局に苦情はなかったのだろうか。ことは、「神を数える単位は柱」というネタだ。
 そんなことも知らないのか、今の人はと思う。文春が出した愚劣な現代語訳の古事記もけっこう売れたのだから、そんなもの「へぇ」でもあるまいにとも思う。だが、しかたないなとも思う。番組では神主だったか専門家に「柱」を確認したが、その後がいけない。おふざけなのはわかるが、七福神を、いちはしら、にはしら、さんはしらと数え始めた。馬鹿かおまえら、そんなもの神かと思う。ジーコだの長島だのも「神」にして「柱」で数えるというあたりが、「使えるネタ」のつもりなのだろう。私は、しかし、馬鹿かおまえらという思いより、やがて不快になった。
 話が靖国づいてしまうのだが、端的に言う、戦死者もまた「柱」と数えるのである。国のために命を捧げた者を柱と数える。その柱という言葉の響きに日本人は畏敬と悲憤を持っていたのではないのか。
 もちろん、そう言えば、「おまえは、戦死者が神になる」と信じているのかと問われるかもしれない。「なんだかんだ言って、おまえは靖国神社推進派か」と。そう問われても仕方ないし、そう問う人に返す言葉もない。自分の家の者であれば、馬鹿者と一括を喰らわせるところだが、私にはそこまでの愛国心はない。戦死者が神になるわけはない。そんなことはあたりまえだ。だが、戦死者への畏敬と悲憤がそれを「柱」と呼ばせるのである。その思いのない人間を日本人の同胞だと思うことは、私には難しい。
 私はこの極東ブログでサマワは比較的安全だと書いた。それを撤回する気もない。だが、イラク派兵で自衛隊に死者が出ないとも思わない。理屈を言うようだが、死者も出ない安全な地域なら民間人が行けばいいのだ。しかも、すでに週刊文春の対談で野中が諭しているように、すでに民間人は行っているのだ。なんのことはない、イラクが危険だから行くな、なのではない。自衛隊が行くなというのは、どうやらイデオロギーの問題であり、その問題をまたここで蒸し返すだけの気力もない。
 自衛官に死者のないことを祈るが、死者が出れば、私は動揺するだろう。そしてマスコミは「柱」とは言わないだろうと思う。
 戦後半世紀近くなって、いまだ故国に戻ることもできない幾柱もが外地に残されている。沖縄戦の遺骨収集も終わっていない、と、この話もやめよう。自分もなんだか爺ぃ臭くなったなと思う。

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コメント

お初に。御説いつも頷き頷きし乍ら拝見致して居ります。
自宅の位牌に名を連ねるものヽ内の二人はフイリピン沖で空中散華したと伝へられて、残されたもの等は彼等二人のものとも何とも着かぬ「遺髪」を「墓」に入れて盆に彼岸に欠かさず参拝して居ります。さうして参拝するだけだったらば場所は別に靖国である必要は無くて、参りたいものは何処へだって其の気持ちで参ります。寧ろ本当に参りたいものにだけ参って貰ひたい。参りたくも無いものに態々参列して貰って内外から兎や角云はれるのには飽き飽きしました。もう五十年の区切りも付いたことですから八月のあんな大層な式典に使ふ金があるんなら別の処へ使って貰ひたいとさへ思ひます。各県に今も尚存在する「遺族会」の資金を式典一回分でも集めたらば地雷除去用戦車の一台二台位買へるのでせうに、どうにもかうにも進歩の無い話です。
どうもお邪魔様でした。

投稿: wachthai | 2004.01.03 16:24

wachthaiさん、こんにちは。靖国神社はあまり騒がずにもそれを支援する人はいるのだろうと私も思います。遺族会の思いもさまざまだろうと察します。ただ、ある程度政治力をふるわないと消えてしまうという危機感もあるのかもしれません。難しい問題ですが、日本の心自体は絶えないと信じたいものです。

投稿: finalvent | 2004.01.03 19:33

なんか・・もしお気に触ったら申し訳ないのですが・・

周りに「日本の心」を伝えてくれる人がいない場合はどうなるんでしょうか・・?

「うちのじいさん・ばあさんに聞けばいい」ってことになっても、聞いてもあまり納得のいくようなこといってくれないし・・。

そういう場合、「調べればいい」ってことになるんでしょうけど・・
本で読むのと、生で聞くのだとビミョーに温度差があったり・・

要するに、「世代間交流の必要性」ってことになるんでしょうが・・
そういうまとめもなんか・・社説っぽくてイヤですね(笑)


投稿: m_um_u | 2004.01.03 19:54

m_um_uさん、どうも。こちらこそ、言葉足らずな点が多く、困惑させていたらすみません。

>周りに「日本の心」を伝えてくれる人がいない場合はどうなるんでしょうか・・?

はぐらかしに聞こえるかもしれないけど、いつかなんとなくわかりますよ。自分がわかったと言えるほどではないけど、私のような人間でも「日本の心」みたいなのがわかる気がしてきましたから。それに、日本の心というのは多面的で多様的なものです。

それと、こっそり言うのですが、「日本の心」を伝えているのは「女」です。もしかするとm_um_uさんは女性かもしれないので、おおぼけこくことになるかもしれませんが、そして「女」というふうにちょっと気取って括弧付けにしましたが、若いころというか20代の恋愛では女は目の前の女だし、そのエロスであり、言葉を投げかける存在なんですが、女というのはすごい歴史存在です。女と生きることで歴史を反芻するように男は学ぶのですよ。もちろん、すべての男がそういうふうに女に接するわけではないのでしょうが、それでも女とは歴史を暗喩する存在だと思うのです。むちゃくちゃ言ってるみたいですが、日本はいまだに民族学的な兆候としては女系です。女の側が日本をずっと背負い続けていると思います(そうさせたのが男なのですが)。


投稿: finalvent | 2004.01.03 21:43

(笑)ぼくは男ですよ

そして「女の文化としての日本」ですか・・・。

なんか、前にどっかで聞いた様な気がするけど・・感覚としてはなんとなく分かるような気がします。
日本文化っていうか、
ぼくは女性的感性のことは尊敬しているので・・。

調子にのるオンナは嫌いですが(笑)


では、
今回もいろいろと面倒ことを引き受けていただいて・・

ありがとうございました m(_ _)m

投稿: m_um_u | 2004.01.04 05:07

あほ~

投稿: (spam) | 2004.03.11 15:07

あほ~さん、こんにちわ。とはいえ、こういう匿名コメントはanonymousではなく、(spam)としました。

投稿: finalvent | 2004.03.11 15:41

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