« 山形浩生の書評から雑感 | トップページ | 仮面ライダー555、面白かったです »

2004.01.18

北朝鮮の変化は対中国策か

 北朝鮮関連の朝日新聞社説「北朝鮮――対応は慎重かつ機敏に」がいつもと違う。いつもなら、北朝鮮には困ったものだがと引っ張って同情を買うようにして結局は北朝鮮に有利に誘導する形式になる。今回も同じと言えば同じなのだが、トーンが違う。なんというか、北朝鮮の泣きが朋友朝日を通して聞こえる感じがするのだ。もちろん、そういう受け取りかたはごく主観的なものであるのだろうが。
 まず、朝日を引用する。


 核をもてあそびながら、ことを有利に運ぼうとするやり方は許されない。
 たとえば、核開発を中断するとか、拉致被害者の家族を親元に送りかえすなど、具体的な行動で示し、国際社会を納得させる必要がある。そうでなければ圧力を強めるしかなくなる。

 「核をもてあそびながら」と朝日は表面的に非難するがそれはむしろかつてのことで、今回の核関連施設公開はむしろ逆の事態だ。朝日の認識はおかしい。また、北朝鮮の問題を「核開発を中断するとか、拉致被害者の家族を親元に送りかえすなど、具体的な行動で示し」というのも、「とか」の言い回しに顕著なのだが、文章が変だ。問題を「とか」って言うなよなのだが、その程度で抑えて欲しいという北朝鮮側の代弁でしかない。
 あるいは、中国側から朝日がせっつかれたか。そう見たほうがいいかもしれない。

 北朝鮮を問題解決への道筋に乗せるためにも、6者協議の早期再開は大事だ。核をあきらめてこそ経済の再建が展望できることを、わからせなければならない。

 このあたりは、大筋で中国の困惑の代弁だとも言える。中国としても、まんまと北朝鮮というコマを米日に渡すわけにもいかない。
 冒頭、「北朝鮮の動きがこのところ活発だ。これが何を意味するのか、目をこらして見ていきたい。 」というのだが、やはり、週刊文春ネタのように、金正日は重病なのだろうか。面白いことに、この話は文春経由で中央日報のニュースになっている。ガセなのか、ある種の箝口令なのか。総じて見ると、金正日重病説というのはそう外れた線でもないように思える。
 この問題については、毎日新聞社説「6カ国協議 北は誤った選択に固執するな」は標題の脱力感に反して内容は意外に優れている。といっても米国レベルの論調をなぞっているだけともいえるのだが、妥当であるだろう。

 6カ国協議の調整が難航している理由は、日米韓が「検証可能で不可逆的な核計画の全面廃棄」を求めるのに対して、北朝鮮が実験炉などの「凍結」でかわそうとしていることだ。「大胆な譲歩」なる案も、実態はそこから一歩も踏み出していない。

 滑稽なのは、そんな姑息な手は日本人には通じても、米国には通じない。日本のサヨクマスコミは北朝鮮をかばうが、北朝鮮は嘘つき前科者である。
 むしろ気になるのは、毎日も言及してるが、対中国の関係だ。

そうした公式の場で正々堂々と提起せずに、小出しの策をろうするのは誠意ある態度とは到底言えない。日米韓や中国、ロシアの協調体制を分断する狙いと勘繰る見方すらある。

 問題はすでに中国と北朝鮮の問題に移行しているのだろう。日米にしてみれば、国内を押さえ込むためにヒール(悪役)が必要だが、これがつぶれても困る。韓国に至っては本音は統合を恐れている。
 中国ワッチがむしろ重要になるのだが、そのあたりは、見づらいなと思う。

|

« 山形浩生の書評から雑感 | トップページ | 仮面ライダー555、面白かったです »

「時事」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 北朝鮮の変化は対中国策か:

« 山形浩生の書評から雑感 | トップページ | 仮面ライダー555、面白かったです »