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2004.01.14

民主党の国連待機部隊案は正しい

 民主党の国連待機部隊案に各紙社説の反応が面白い。初っ端からこう言うのも下品だが、私の率直な印象では、てめーら新聞より小沢のほうが256倍優れているぜ、である。つまり、私は、この件については、民主党支持である。ただ、その構想の実現性はどうかというと、これも率直な印象だが、望み薄だろうとは思う。
 読売社説があっぱれ外道である。


 なぜ自衛隊を派遣してはいけないのか。
 民主党の菅代表は党大会で、国連による平和協力活動に参加するため、自衛隊とは別組織の「国連待機部隊」を創設することを提唱した。
 この構想は、全く話にならない。

 この極東ブログを続けながら、それがどのように社会に影響を与えるのかよくわからない。影響などというのが幻想ではないかとも思うし、書くことには必然的な自己慰撫もあり、しかも商用の文章ではないことのバーター部分がある。余談にそれがちだが、ヒット数が高まることで実は読んでもらってもしかたない人も増えそうな気配も出てくる。そのあたりがやはりの言葉でいうビミョーなところだ。で、この読売社説に向けて、私がなにを言いたいかというと、極東ブログを続け、それなりに思索を継続してきたおかげで、それが明白に愚論であることがわかるようになった。
 自衛隊とは国民の認識、および国の現状から考えて、国防より州兵である。この話は極東ブログ「どこに日本の州兵はいるのか!」(参照)で触れた。
 次に、国防だが、憲法前文を正確に読めば、国防は国家間の信義を第一としなくてはならない。そして、この含みは国家の上位の存在を想定している。国連にはいろいろ問題はあるし、国連(つまり連合国)からその上位の機関が可能かという本質的な問題はある。しかし、日本国憲法はそういう超国家の可能性の上に成立しているし、国民の半世紀の歴史もそこを志向している。サヨクの雑音を除けば、小沢の国連主義以外に明白な政治的な見解はありえない。
 そしてこの構想が非現実ではないのは、マスコミはどうかしていると思うのだが、今回の日本のイラク派兵の規模を例にしても、たかだか1000人である。そして、英米軍を除けば、みな規模の小さい寄り合い所帯だ。この話は極東ブログ「イラク派兵はしなくてもいいのかもしれない」(参照)で触れた。そのとき気づいたことはこれだ。

小沢のいうような国連常接軍の設置というのは、このおみそクラブをかき集めることになるので、そう考えると非現実的かも……いやいや、かき集めればせいぜい5万人くらいにはなりそうだ。それだけ束ねれば、米国からも10万は引き出せるから、国連常接軍というのは夢ではないかもしれない。

 米軍から10万が引き出せるかは今時点の私の考えでは無理かもしれないと思う。だが、独仏露中を説得すれば、総勢10万にはなるし、近代戦は兵士の質が問題だ。傭兵は数ではなくプロフェッショナルだからニーズが高い。あえて酷い話をする。日本が五千人単位で強力な傭兵軍に匹敵する質の軍備を調達できれば、それは強い勢力になりうる。
 問題は、有志連合の存在だ。この問題は「新聞社説という不快」(参照)で少し触れたが、米軍は今、国連軍やNATO的な連合から離れ、完全に米国を頂点とするピラミッドの国際的な軍事組織を作ろうとしている。これに対して、独仏は表向き反対しつつ、ずる賢いヤツラのことだ反対しているわけでもない。むしろ、米国が懐柔しようとしているポーランドなどの牽制もあるのだろう。EUもやっかいなシロモノだ。
 しかし、この有志連合が現実のパワーになってしまえば、国連はお陀仏なのだ。それでいいのか日本? 外務省はすでに独仏のケツに遅れまいとして、名目的に有志連合に自衛隊を融合させている。読売は「なぜ自衛隊を派遣してはいけないのか。」と修辞的に派兵しろと言う。だが、その派兵とは有志連合なのだ。それでいいのか。ちょっと冗談を込めていうのだが、英霊に恥じないか。国土を守り、世界に平和をもたらそういうのが真の英霊の鎮魂ではないか。それが現在の米軍の犬になることなのか。ま、感情論はこのくらい。
 非常に難しいのだが、読売の考えは間違いだと私は主張する。

 「国連待機部隊」という国連の要請がなければ動けない部隊では、アフガンやイラクの現実に対応できない。

 自分の意見の一貫性に矛盾を含むかもしれないし、現実性に乏しいかもしれないのだが、ここはあえて踏み込んで言うべきだ。日本は国連の要請がなければ動いてはいけないのだ。
 関連してこの問題について他紙もザップしておく。
 朝日新聞社説「民主党――外交でも選択肢を磨け」はまるで文章の体をなしていない。単純にボツ原稿である。サヨクならサヨクで筋を通してみろよと思う。滑稽なことに、産経新聞社説「民主党大会 改憲への姿勢は買いたい」が朝日新聞とまったく同じなのだ。こいつもまるで文章の体をなしていない。ウヨならウヨ、ポチならポチで筋を通してみせい、と思うだが、なんたる体たらくだろう。朝日も産経も政党内のテクニカルな問題に持ち込みたいようだが、君たちは言ったい誰に言葉を発しているのか?仲間内じゃないのか。
 日経社説「民主党の国連待機部隊構想への疑問」は標題からわかるように、国連待機部隊構想に疑問を投げかけている。私が乱暴にまとめるとこうだ。

  1. 別部隊には金がかかりすぎ
  2. 別部隊を外務省下に置くことになるがそれでは軍に指揮が落ちる
  3. 日本の自主的な判断の放棄になる

 愚問である。そもそも日本に州兵がないのが問題だし、普通の国ならそれに加えて国防費はかかるものだ。また、外務省下というのはただ組織の問題に過ぎない。むしろ、文民統制でよい。また、国際的な軍など日本の自主的な判断で動くほうがよっぽど危険だ。
 かくして、日経の結語も卑怯なものだ。

小沢一郎氏は、安保理決議に基づく派遣であれば日本の実力組織が外国の領域で武力行使をしても憲法違反にならないと考える。憲法9条が放棄した「国権の発動たる戦争」に当たらないとの議論であり、一理あるが、国民的合意を得るには至っていない。集団的自衛権の解釈を改めたうえで自衛隊による後方支援を可能にする恒久法の制定こそ、日本が憲法の平和主義と国際社会での責任を両立させるための王道だろう。

 「一理あるが」じゃないだろ。米軍下に組み入れられる日本軍に理なんか全然ない。読売もそうだが、「国際社会」に「あめりかしはい」とルビを振らなければ意味が通じない文章を書くなよ、と思う。

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コメント

(あ・・極東さんが攻性防壁張ってる)

文中の自前リンク2つですね

アクセス・・そんなに増えたんですか?

投稿: m_um_u | 2004.01.14 16:28

ども。いや、それほど増えたわけでもないのですが、増えつつあります。先日など、ココログの紹介に載ってしまって、思わず、どうもすいません((c)林屋三平)ものでした。

それだけ読まれれば、嬉しいといえばそうなのですが、これ以上だと難しいかな、というか、ついウケとか考えてしまうわけですよ。普段に書いていてもウケとかは考えるのですが、そのウケのレンジとスタンスの影響を受けるわけです。我ながら弱いなぁとは思いますが。ま、ある程度でビューは定常化するかなと思います。

ある程度辺境にいるほうが楽ですね。なぜかというと、なんだかんだ言っても、まだ、友達ノリっていう気がします。このあたりの、言論のスタンスというのは、考えるとまだまだ難しいです。

今後もこのブログを商用ラインに載せる気はないし、現実的には無理というのもあるのですが、気構え的には商用はレンジに入れるべきか、とかですね。商用って言ったって、出版に比べれば簡素なものです。

どうも独り言モードみたいですが、日垣隆のMLのクオリティには達していない、その技量もテメーにはないというのはありますが(分野を限定すれば別というのもあるけど)、面白いのは、日垣の場合は、すでにクオリティより、彼自身の知名度依存で商用が成立している部分がありますね。

つまり、商用が成立するというのが、つまり、キャラの問題ありますね。悪口に聞こえてはいけないけど、東浩紀などは、もちろんクオリティはあるのだけど、商用のラインは彼という知名度依存にしか見えないわけです。

投稿: finalvent | 2004.01.14 17:49

あ、やっぱりウケ狙いとか気にしてたんですね(笑)

(「きぐるみインリン」とか・・)

それにしても、「商用」かぁ・・

それって「儀礼的無関心」とかとどう絡むんですかね (^^;)

(てめーがかんがえろよ、って話ですが・・)

あ・・最後のひとことが極東ちっくww

投稿: m_um_u | 2004.01.14 18:36

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» 資料:(上)小沢代表の「国連待機軍」構想(03年度) [すべてのいのちを守る為に]
===== 以下は、小沢代表が提唱する「国連待機軍」構想(通称「小沢構想」)を紐解く上での一次資料として提示するものです。小沢代表は自民党時代(1993年)から著書『日本改造計画』(講談社)で「国連待機軍」構想を提唱しており、その内容は時代や世界情勢に合わせて変化してきました。その変遷の過渡にあった2003年時点での、小沢代表の「国連待機軍」に対する考え方を示す横路孝弘議員との対談記事から、国連待機軍に関する記載のみを抜粋して、インタビュアーの質問ごとにまとめました。(※強調は当事務所で追加) ..... [続きを読む]

受信: 2007.08.06 14:58

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