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2004.01.12

凡庸な日の新聞社説

 今朝は大きなニュースもなく休日だからなのだろうか、新聞各紙社説のネタがつまらない。それぞれの話題に少しずつ思うことはあるのだが、まとまらない。いくつか気になる話だけ、ザップする。
 朝日新聞社説「米国産牛肉――全頭検査は当然の要求」では、食の安全を大義に掲げていて裏の掘り下げがない。せめて「緊急輸入制限(セーフガード)」にもう少し踏み込めばよかったのだが、このあたりの動向については私もまだよくわからない。いずれ書くかもしれない。
 読売新聞社説「京都議定書 早期発効への突破口を」についてはすでに極東ブログで言及してきた以上のことはない。大国を攪乱させる戦法以外に議定書は使い道がないのだから、国内向けには黙っていてもいいと思う。どうせ、失敗するのだ。
 産経新聞社説「イスラエル情勢 和平交渉の機会を逃すな」は「イスラエル、アラブ双方とも、この機会を逃すべきではない。」と書くあたり、朝日新聞みたいだ。つまらない。イスラエルの問題は錯綜しているが、とにかく即刻あの壁を壊せと思う。私はかなり心情的にユダヤ人に同情的だが、今回の壁には激怒した。自分でゲットーを作ってどうするのだ。
 日経新聞社説「5年半ぶり原子力白書の空白」はまさに「空白の5年半についての分析も空白なのだ。」というわけで、日経の社説まで空白。現実の問題として原子力発電は日本ではもう無理かもしれないと私は思う。であれば、どうするのか、と問えば、天然ガスだろうと思う。そういう問題にプラクティカルに取り組むべきだ。ついで言えば、無駄になった原発の補償金を国庫に戻せよと思う。
 さて、社説というのは大衆に通じる話を書かなくていけないから、あまりテクニカル踏み込むべきものではない。しかし、今日のようにまばらな帆待ちの社説を並べて読むのも変なものだ。もう少しリスクをおかして書いていいのではないか。朝日の牛肉問題は国内保護、読売の議定書問題は無理、産経のパレスチナ問題はイスラエルを非難せよ(米国が怖くて言えないのだ)、日経の原子力問題は天然ガス…といったちょっと危うい主張に出ていいのではないか。
 「どうしたらいいかみんなで考えよう」と言う時代は終わったのであり、もう少しコントラバーシャル(論争的)な言論にすべきだろう。

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