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2004.01.02

日米地位協定運営マニュアルの暴露

 新聞は休刊である。よって社会的なニュースはない、はずもないが、大きな社会問題のトピックはない。
 些細なことでネタにもならない話題だが、米国でこの間エフェドラ販売が禁止になった。国内のニュースでもある程度話題になっている。もとはと言えば、「メタボライフ365」というふざけたサプリメントが発端なのだが、その話はここでは書かない。気になったのは、国内ニュースを見るかぎり、どうも誤解されているのではないかとということ。例えば、共同ではこうある。


 エフェドラは漢方薬の麻黄(まおう)の成分で、せき止め薬などに使われるエフェドリンの関連成分。減量や運動能力を高める効果が期待され人気が高かった。

 間違っているわけでもないが、これだとふーん漢方薬は危険かくらいに誤解されるかもしれない。だが、FDAは今回の措置で漢方薬の規制はしていない。問題はドイツ・コミッションEのハーブ薬の扱いだが、この話は少し専門的になりすぎる。それと、日本のOTCの風邪薬にはたいてい塩酸エフェドリンが含まれているので血圧の高い人は、風邪気味だからといってのむのはあまり好ましくはない。
 もう一点、些細な点とも言えるのだが、その後の米国狂牛病の波及はやや予想外な気配がある。まず、オージーに切り替えるというのがそううまくはいかないかもしれない。これは単に昨年のオーストラリアの畜産の状況の問題だ。それと米国だが、パニックというより、オーガニックの牛肉を求めるというシフトが強い。それと関連して、牛肉のだぶつきがおきている。日本は拒否し続けるだろうが、韓国は無理のようだ。というあたりで、国力の弱い諸外国にお肉が流されることになりそうだ。みんなヒンズー教にでもなるかという不謹慎な洒落で済むことではない。
 さて、今朝の話題は…となんとなく考えていたのは、地域協定の問題だ。
 沖縄の伝統ある地方紙琉球新報が大晦日に新年特集の前フリとして発表したのだが、同社が日米地位協定に関する政府の基本解釈となる機密文書「地位協定の考え方」を入手し、一部を暴露している。詳細は次の2記事を読んでいただきたい。

  <日米地位協定>機密文書入手、条文超える米軍優先(参照
  <解説>日米地位協定の外務省機密文書(参照

 新報側ですでに根回し良く解析されているように、衝撃の事実というものはない。私の率直な印象とすれば、すでに外務省がここまで苦悩していのかという同情のような思いも若干ある。外務省などふざけた機関だとは思うが、馬鹿だけの集まりでもなければ臆病者だけの集まりでもない。くさしてもしかたがない。
 この文書がどのような経緯で入手されたのかはわからない。それほど異様なことでもないだろうとは思う。意図的にリークされたかどうかだが、その可能性もあるかもしれない。というのも、この極東ブログで地位協定が大きな問題だよと騒いでも、下手な文章ということもあるのだろうが、他の記事同様指して本土人にはなんのことやらというふうに話題にもならない。この問題は本土人には感覚の面からして理解されないものなのだ。数年前、沖縄本島内の演習の一部が本土移転になったが、その時の反対スローガンが「日本を沖縄にするな」である。お笑いじゃないんだよ。
 新報側の特集としてはまいどながらのスタンスでいいだろうし、そしてそれは本土には通じない。この問題は韓国ではもっと深刻なのだが、意外にサヨクたちは動かない。その意味で、どうせ本土側の問題にはならないという安全の読みからリークされているかもしれない。とすれば、リークの意図はなにか。政府側の癪の種という点で推測するなら、いまだにサヨクの牙城である沖縄にヒビを入れるってな田中宇ばりの読みか。ま、それはないだろう。あるとすれば、なんらかの米国への牽制だ。沖縄のサヨク運動自体、すでにマクロ的には本土政府側でコントロールされている臭い。ついでに言うが、90年代以降は沖縄問題の表出の構造だけ見れば、沖縄県民の経済状況が在沖米軍依存メリットを凌駕するポイントで発生する傾向があるので、日本政府はつねに沖縄を本土より適度な状態の劣位においている。
 産経などポチ保守系は沖縄の地の利から米軍の必然性を説くが、軍事的にテクニカルにみると、あの在沖米軍基地は、訓練+保養+ロジスティックスであって、実際のパワーではない。沖縄にいる必然性はないうえ、戦闘リソースのIT化の変化からも、米軍ではすでに韓国の基地を含め、縮小を狙っている。もともと、沖縄の基地の最大の狙いは日本本土を抑圧することだというのは国際的な常識でもあり、すでに軍事的な意味での日本の属国化が進行しているために、それほど直接的な日本への脅しも必要はなくなっている。
 話が散漫になったが、政治・外交の裏腹がなんであっても、さっさと地域協定の問題を前進させなくてはいけない。これは本土大衆には理解されないので、端的に代議員全体の課題である。

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コメント

このエントリについて沖縄でことし起きたある事件をめぐり貴殿と話したような錯覚さえ覚えています(妄想で申し訳ありません)。温度差について、感情的に踏みとどまりつつ、もう一歩ふみこんで伝えるべきを伝え対話できる一人になりたいと改めて叱咤激励される思いです。感謝をこめて、良きお年をお迎えください。

投稿: たなか | 2008.12.31 15:37

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