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2004.01.10

イラク派兵と日本の勘違い

 今朝の新聞各紙社説は陸上自衛隊の先遣隊及び航空自衛隊の本隊の派遣を扱っていたが、どれもなにを言いたいのか私は理解しづらかった。特に意味がありそうで意味不明な代表は朝日の社説だ。


独裁政権の打倒は民衆が歓迎したし、戦後の復興の重要性も論を待たないが、戦争の法的正当性の問題を忘れて復興を語れないのも当然のことだ。

 それとこれとは別の話だ。それを混ぜ返してもタメの議論にしかならない。総じて、日本人はイラクを一つのものと見過ぎていると思う。フセインがいたからイラクが国のように見えたのであって、それがなくなれば、あの国は本質的に解体してしまってなんの不思議もない。内発的に統合されたのではないあの国家は民衆のために存在したのでもないから、民衆は新しい国家の模索を伴うのはしかたがないだろう。
 朝日をさらに引くが、朝日と限らず自衛隊の意義を社説執筆者たちは勘違いしていると私は思う。

陸自は給水や医療活動にあたる。確かに感謝されるに違いない。だが、それが復興という大仕事のなかでどれほどの意味を持つ活動かも考えないわけにいかない。

 復興というのは、イラクがどういう形態であれ、政治経済的に自立を始めてからのことだ。それには、幸か不幸か、石油が鍵となる。そこまでの道筋に自衛隊は微々たる支援をするだけだ。本当の復興支援はその後のことだ。
 日本のマスコミはどうかしているが、日本の派兵はたかだか1000人である。韓国は日本の国家規模の1/3なのにその4倍の負担を強いられている。そういう隣国のことを忘れることを呑気というのだ。
 最近、読売新聞社説を読むのが苦痛だが、それでも「自衛隊派遣 イラク支援を政争の具にするな」という標題の主張は正しい。この問題がそれが参院選をにらんでの日本の国内事情になってしまっているのは醜悪なことだ。
 私は参院選に向けて、なお、民主党を支持する。自民党政権をリセットするために少しでも力を尽くしたいからだ。なのに、民主党も派遣団断固反対といった、トホホな主張ばかりするのはやめてほしいものだ。政権を取ってからの仕切直しのビジョンを掲げるべきだ。そうでなければ、万年野党にぬくぬくしていた社会党になってしまう。なにより、政治の争点はそんなところじゃないだろ。

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