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2003.12.23

毎日新聞曰わく、溝口財務官は狂気の沙汰

 日々之社説というわけで社説を読むだけのマシンと化した極東ブログが、ふっと我に返る瞬間は少ないのだが、今朝の毎日新聞社説「溝口財務官の介入 究極の円高政策だった?」は久々のクリーンヒットで目が覚めた。素直に言うのだが、私がいかに経済に無知であるかということの告白にもなる。ちなみに基礎知識はこちら
 問題は、覆面介入こと溝口善兵衛財務官が円高阻止のため自国通貨売りを続けてきた問題だ。毎日新聞社説の言葉を借りるとまさに「狂気の沙汰」だ。先日もふっと1兆円である(参照)。しかし、そんなことに驚いていたわけではない。やられたなと思ったのは、結語だ。


 米国の「双子の赤字」に不安が高まっている状況下では、ドル買い・円売り介入を続けても、ドル安傾向に変化はない。いくらでも介入するとの決意は、ドル売りに安心感を与える。介入が膨らめば外為特会のドル資産も増える。その資産は円高では目減りする。
 何のことはない、溝口財務官の選択は究極の円高政策、海外資産目減り政策だったのではないか。

 なかなか秀逸なブラックジョークだなと微笑んだものの、顔が引きつってしまった。それってジョークじゃないのかもしれないという思いが脳裡をよぎったからだ。そんなことアリなのだろうか。なんちゅう国策なんだろう。と思うものの、それもアリかもと悪魔のささやきがこだまする。
 昔の人の言葉で来年のことを言えば鬼が笑うというのがあるが、次年度の市場介入調達枠は60兆拡大(参照)。そこまでするのか。健康のためなら死んでもいい健康マニアみたいだなとも思うが、率直に言って、国家と経済のなにか根幹が私はわからなくなってきている。

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「社会」カテゴリの記事

コメント

毎日新聞はジョークのつもりで書いたかもしれないけど、私もそれはジョークじゃない、と思う。

投稿: 傍見頼路 | 2003.12.23 15:11

毎日新聞の経済トンデモぶりは有名です。この記事もトンデモです。真に受けない方が良いです。

「自国通貨売り」なんてセンセーショナルな言葉は使わない方が良いです。要は原価14円で刷った紙切れと米国債を交換してるわけです(実際は電子化してるだろうから原価なんてゼロでしょう)。

つまりアジアの通貨危機の際と違って、日本はじゃんじゃん円を刷ってドルと交換できるんです。「いくらでも介入するとの決意は、ドル売りに安心感を与える。」なんて思うわけないじゃないですか!

むしろ問題は介入資金の上限が決められていることです。あれはデフレ下では全くナンセンスなものです。撤廃するだけで円高傾向が沈静化する可能性があるんじゃないかな。

だいたい円高になって目減りするったってドルとしての使いでは(日本製品を購入しようと思わない限り)変わらないわけですよ。危機感煽る必要がどこにあるんでしょうかね?

そもそも何で今円高傾向かっていうと、米国の双子の赤字もあるけど、日本の金融緩和が足りんからです(日本がインフレだと円安、デフレだと円高です)。金利ゼロでまだ足りない?と思われる場合は

http://bewaad.com/archives/themebased/reflationfaq.html

をご参照ください。

お邪魔しました。

投稿: svnseeds | 2003.12.23 16:19

どもです。介入資金の上限の撤廃という提案は面白いですね。URL先の若い官僚さんのHPも興味深かったです。ただ率直に言うと理論内容面の面白さでもないのですが。リフレについては、理論としてはよくわかるのですが、私はどうも腑に落ちない。歴史にそういう先例がないという感覚が足をひっぱっているようにも思います。だから、理論の上滑りはよくわかるのですが、自分をひっぱる感覚のほうがうまく処理できません。今回の毎日のジョークにしても、それはそれでいいとしても全体構図としては、ウォルフレンの言うように結果的にアメリカへの貢ぎになっている、というかそういう政策を日本が強いられているように思うのです。あと個別には、溝口がこの1年で3年間の黒田前財務官をあっさり越えているあたりに、そこまで世界は変化しているのかというのがうまく実感としてつかめません。話はそれますが、文藝春秋2004.1号の小林慶一郎「『不良債権とデフレ』十五年戦争」を私も読んだのですが、これってトンデモではと思ったあたり、先の官僚さんのHPでほほぉと思いました。日垣隆も薦めていたけど、エコノミスト・ミシュランを読んでおこう…

投稿: finalvent | 2003.12.23 18:01

どうもです。

リフレの歴史的先例ということであれば「平成大停滞と昭和恐慌」田中秀臣・安達誠司、NHKブックス、を是非お読みいただきたいです。今の状況はまさに歴史の先例に(悪い意味で)倣っているものだと僕は理解しています。この点に関して、finalventさんのご意見を伺いたいです。

それと、円高防止介入はアメリカへの貢ぎとかよく言われているんですが、これは具体的に米国が何を得して日本は何を損してるのか、僕にはさっぱりわかりません。先に書いたように、日本はただでドルを手に入れられるのだから損してるわけありません。ドルが紙切れになって一番困るのは米国だからデフォルトや極端なドル安などありえないし。ウォルフレン読めばその辺わかるんでしょうか。まともに解説している本を挙げて頂ければ助かります。

もう一点、「そこまで世界は変化しているのか」ですが、2000年以降の世界同時不況+ディスインフレ傾向で、世界的に緩和が進んだのが介入額が膨らんだ原因の1つでしょう。ご存知のように米国は無茶苦茶緩和しています。EUはスペインなど既に好況(バブル1歩手前・・・もうバブルかも)なためこれ以上緩和できず、結果ドイツ・フランスは不況に苦しみ、ドルに対してユーロ高となっています(これだけ見ても、EUは成功と言えるかどうか非常に疑わしいと僕は思ってます)。そして日本は金融緩和に関して遅れを取りすぎていて(それどころじゃないんですが)、介入で調整する必要が生じたと理解しています。

この辺のお話も上に挙げた「平成大停滞と~」に詳しいです。是非ご一読を。

投稿: svnseeds | 2003.12.23 18:30

どもです。お薦めいただいた「平成大停滞と昭和恐慌」は面白そうなので読んでみます。このあたりは、先の官僚さんのHPでも実はあまり合点がいかない部分でした。アメリカへの貢ぎは単純に、日本が「国通貨売り」で買ったドルがあとから値下げされれば、その分、アメリカは利鞘を得ているのではと思ったのです。これは買い戻してみるとはっきりしますが、と、ふと思ったのですが、買い戻さなければ、というか、ドルと融合してしまえばどってことはないのでしょうが…ちょっとこのあたり理解が足りなかったり割り切れない感じがします。基本的に米国という国はNTFAでも明かですが経済的にはアジアを必要としないし、以前調べて驚いたのですが石油においても中東を必要としない…じゃあなぜ?と。そのあたりがまさに新しい帝国なのではと考えました(これも間違っているかもですが)。ウォルフレンにつては「アメリカを幸福にし世界を不幸にする不条理な仕組み」あたりを想定していました。しかし、これもあっという間に古い本だという感じがします。論理的な言い方ではないのですが、ウォルフレンのいう「不条理な仕組み」としての世界支配には共感しますが、かといってEUはもっとひどいぞというのが私の考えです。とま、現在の国際経済など無知な領域に首を突っ込むのもなんだかと思う反面、だからこそ突っ込むかなという思いもあります。話がめちゃくちゃですが、金融緩和でいいのだろうかという不定型な危惧のような感覚は私にはありますね(以前のマハティール支持だったりするのです)。

投稿: finalvent | 2003.12.24 21:38

いつも思うのですがリフレ政策って、結局銀行救済策でしかないような気が・・・・

ま、手詰まりなのでやらないよりマシとは思いますけど

投稿: TK | 2004.01.06 19:02

TKさん、ども。今日、ようやく例の「エコノミスト・ミシュラン」を買ってきてもらって、ぱらぱらと読んでいるのですが、これなどリフレで書かれているし、私も以前からインタゲなんでそちらに傾きます。銀行救済関連は正直難しいです。もうちょっと考えて、このテーマでまた恥をさらそうと考えていますが。

投稿: finalvent | 2004.01.06 21:57

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