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2003.12.20

ミサイル防衛システム自体は無駄

 今朝の社説では、朝日、読売、産経が、日本のミサイル防衛システムを取り上げていた。結論は各紙のラベルどおりで読む気も失せるような内容なのだが、特に読売がひどい。結語が自衛隊法改正になっているあたり、ナベツネ本人がボケ頭で書いているのかといぶかしく思える。朝日は、昨今の世相に押されてサヨクづらをぐっと潜め、ミサイル防衛システムはコストに見合わないよ、と大阪商人のようなことを言う。産経も、ミサイル防衛システム肯定的な立場でありながら、コスト面について疑念のトーンを出している。
 この問題について私といえば、みなさんおかど違いだ、と思う。自分の感性が間違っているのではないかとも思うので少し書いてみたい。
 まず、ミサイル防衛システムだが、読売の基本解説がわかりやすい。引用中、MDはミサイル防衛システムの略語である。こんな略語を使う意味が私にはまるで理解できない。まして社説に使うべきではないとも思う。


 MDは、米国が開発し、一部配備中のシステムだ。まず海上のイージス艦に搭載されたスタンダード・ミサイル3(SM3)が大気圏外で迎え撃つ。的を外したら、地上に配備されたパトリオット3(PAC3)が撃墜する仕組みだ。

 私は技術志向の人間なせいか、その仕組み自体は無理ではないだろうと思う。問題は、コストより時間の問題だ。その技術はいつまでに完成するのか。そのスケジュールと国策の摺り合わせが必要になるのではないか。しかし、そうした問題は基本的にテクニカルな問題に過ぎない。
 私が新聞各紙社説に違和感を持ったのは、どれもすでに露骨に北朝鮮を明記しているのだから、その状況をもっと踏まえ、先制攻撃について触れるべきだという点だ。「先制攻撃」とは、専守防衛主義の日本に合わないという政治的な見解は多いと思う。それはわからないではない。私もそれを知らないわけではない。
 私が言いたいのは、敵国の弾道ミサイルが固定式の場合は、先制攻撃を第一義に考えるべきではないかということだ。不思議だと思うのは、そんなことは軍事的な常識からすれば、当たり前のことではないのか? そのほうがコストは安いし、防衛率も高い。まして、相手は上空から裸同然の北朝鮮なのである。
 2点批判点があるだろう。先制攻撃などもってほかというわけだ。これについては、日本は堂々と「以下の政治状況下にあっては、日本は自国防衛のために、貴国の××固定ミサイルを破壊する」と通知しておけばいいのではないか。もちろん、それでも「専守防衛」への神学論争は続くだろうというのはわからないではない。だが、軍事的な問題で軍事的な常識を欠落させてどうするというのだ。平和志向が軍事の常識の欠落であってはならない。しかし、現実の日本人にはそう言うのも空しい。とすれば、こっそりとしか言えないのだが、日本国はピンポイント攻撃兵器を開発すべきだろう。最初の一撃は食らっても、その瞬間に、北朝鮮の固定基地を破壊できるようにするのが、実はもっとも平和的な解決になる。
 もう一点の批判点は、ミサイルが移動式になる可能性だろう。このあたりは、正直なところ私もよくわからない。弾道ミサイルレベルで移動式にさせる技術は中国ですらもってないのではないかと思う。GPSを含めた総合的な技術が必要になるからだ(だから中国の宇宙開発は怖いのだが)。ただ、こうした事は私の話は失笑レベルなのかもしれない。いずれにせよ、その事態であれば、まるで様相は変わる。
 ミサイル防衛システムの軍事的な問題を除いても、あと二点、別の観点から各紙社説に違和感をもった。一つ目は、各紙とも韓国との連携が触れられていないことだ。北朝鮮はソウルを攻撃せずに日本だけ攻撃するとでも思っているのだろうか。もう一点はミサイル防衛システムは純粋に米国経済との関連の経済問題なのではないか。極東ブログとしては、むしろこの点を掘り下げるべきなんだろが、今回は見送りたい。

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