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2003.12.11

台湾独立、そりゃ当然の話だが

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魔法のラーメン発明物語
 先日、チキンラーメンを作った安藤百福の本(日経「私の履歴書」の書籍化)「魔法のラーメン 発明物語」を読んだ。面白いと言えば面白かった。知らなかったのだが、安藤百福をモデルにした人物がNHKの朝ドラに出ていたのだな。この百福さんが育ったのは、台南である。そっかぁ、邱と子供時代の故郷が同じなのか。あの風景を見て育ったのか、そういう思いでつながっているところがあるのか、と思った。その他、連載じゃなくて、本で通し読みしてみるといろいろ思うことがあったが、それはまた。  私は邱永漢と同世代の台南生まれのかたと一緒に台南に行ったことがある。それは思いがけない体験になった。詳しく書くと差し障りがあるかもしれないが、2.28の生き証人と本省人の内側を見る機会になった。まさに、リップンチェンシンである。今の日本人は日本精神が欠けているとなんどか言われた。そうだと思う。その後、小林よしのりの「台湾論」が出た。読んでみた。意外に悪くない。ただ、彼が台湾で得たインパクトはあれで伝わっているのだろうか。台湾について語ると長くなる。  だが、正直、本当の意味で私は台湾通ではないと思う。というのは、昨今の台湾の動向が今ひとつ理解できない。この話題は、まいどのことながら、日本のメディアではあまり取り上げられないのだが、今朝の日経の社説「台湾独立に反対した米国」が扱っていた。ことは日経を引用するほうがわかりやすいだろう。こうだ。
 ブッシュ米大統領が9日、中国の温家宝首相との会談で、「中国と台湾のいずれであれ、現状を変える一方的な決定に反対する」と述べ、中台双方の自制を求めた。同大統領は特に陳水扁台湾総統の一連の言動を批判し、台湾独立への反対姿勢を初めて明確にした。
 もちろん、米国はおもてに立って台湾独立支持はしない。もうけっこう昔のことになるのか、私がコンピュサーブを使っているとき、台湾関連で、Province of Chainaという表記を見たとき、なんとも胃が苦くなるような思いがした。中共側を考慮しているともいえるし、国民党の大法螺というジョークにもなるのかもしれない。いずれにせよ、ひどい話だ。  話がちんたらするが、その後、1996年、中共側人民解放軍がトチ狂って、与那国沖にミサイルをぶち込むことがあった。そう、あれは台湾というより、日本の国境に近かったのだが日本のメディアは馬鹿の極みだった。あのときの米軍の動きを見ると、いざというときは米軍は動くと思った。そうしたことを考えに入れると、米国が台湾を見捨てることは金輪際ないと思われるのだが、そういう原則でだけでは今回の事態はよくわからない点がある。  日経の次の指摘は、昨今の状況を手際よくまとめていて、悪くはない。
 台湾経済の低迷などで支持率を落とした陳水扁民進党政権は、一時は野党の連戦・国民党主席、宋楚瑜・親民党主席の総統、副総統候補に20%近くもリードされる苦境に陥った。そこで陳総統は、争点を中国との統一か独立かを巡る問題に集中し、人口の8割以上を占める、中国との統一を望まない本省人(台湾出身者)の台湾ナショナリズムに訴える作戦に出た。
 そのように理解してもいいのだろうとは思う。というか、その当たりで、どうも陳水扁に盧武鉉のような知恵不足というか歴史経験の甘さを感じる。とはいっても、李登輝も死力を尽くしてこれに荷担しているようでもあるので、本気かという感じもする。李登輝が動けば、まさにリップンチェンシンである。そう思うと日経の結語は、合理的ではあるのだが、なんとも苦い思いがする。
 強大化する中国にのみ込まれることを懸念する台湾住民の気持ちは十分に理解できるが、台湾独立を阻止しようとの中国の決意も固い。ブッシュ発言を機に双方が冷静さを取り戻すべきだし、日本もそのための働きかけを始めるべきである。
 リップンチェンシンとなれば、これはもう、「わかりました、大和を出しましょう」の世界になってしまうのだが、現実的にはそうも行かない。朝日新聞みたいに中共に足蹴にされて快感を覚えるほど変態にはなれない、となると、なんとか外交を動かすしかないのだが、外交かぁ。あの馬鹿どもかぁ。
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1984年
 中共側の中国人という言い方も変だが、台湾人は中国人ではない。で、中国人というのは、本音というのはない人間なのだ。常に状況と権力に最適化されているだけなのだ。ジョージ・オーウェルが「1984」で提出した秀逸なブラックジョーク、ダブルシンクのまま生きていける人々だ。とはいえ、日本人の本音のように実は利で動くという単純なモデルはない。いずれにせよ、中共側の面子を潰さないのは前提だろう。だが、面子にこだわっていると地歩は失われるばかりだ。ここは一発、中共の面子を保たせながらも、台湾と日本と米国のロビーが組んで、嫌な思いを一発かましてやるべきだと思う。どっかにそういう弱点はないか…、わからん。難しいなぁ。

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