米国のブロガー調査を小説風に
「ところでファイブ」彼は僕のことをそう呼ぶ、「君は、どうしてアメリカ人の僕がブログを書いているか知りたいって、パーティのときに訊いてたよね。」
「そうだったっけ。忘れたな。でも、それは確かに知りたいね。」
「模範解答みたいに答えてみよう。まず、ブログなんて日記さと思っている人が多い。毎日1度書いて終わり。でも4人に1人は1日に何度も書いている。仕事場でも書いているからね。それと、アメリカ人のブロガーっていうのはブログを複数もっている人が少なくない。君が日本語を試していたブロガー・コムだって、ブログが複数できる。MTだってTypePadだってそういう仕様だしね。」
「そこをもう少し訊きたいんだけど、アメリカのブロガーってMTなのか?」
「MTは少数派だよ。TypePadはさらに少ない。半数近くがブロガー・コムのユーザーさ。でなけりゃGoogleが買収しないよ。」
「アメリカ人ってAOLとか使っているものな」、僕が苦笑する。
「AOLもブログだ」、彼も苦笑する。
「ブログのネタはやっぱりニュースにコメントっていう形式なのか?」
「そうだとも言えるし、そうでもないとも言える。ネタのソースは一つとは限らないが、半数近くのブロガーは既存のメディアからネタを取ってくる。でも、半数はブロガーは他のブログからネタを取ってきているんだ。」
「それって循環にならないのか?」
「ファイブ、そうだよ。循環だ。ブログの話は信頼性なんて関係ない。」
「友達とのだべりみたいものか?」
「そうかもしれない。チャットの延長。ブログ仲間っていう感じがいいのかな。ブログなんて趣味というわけさ。でも、ニュース系が濃いヤツラは一種の正義感みたいなのを世界に向けて言いたいものなんだよ」、君がそうなんだろと言いたかったが、それは彼を傷つけるかもしれない。
「サカイ・タナカみたいなんだな。」
「サカイ、誰?」彼は少し驚いた。
「日本にいる国際的ジャーナリスト。」
「国際ジャーナリストってなんだ? ジョーク?」
「もちろん。彼のジョークは面白い。イラクでアメリカが苦戦している理由はなんだと思う。」
「興味ないね。もうブログの質問は終わりか?」
「失礼。ちょっと仕事がらみの質問もしていいかな?」
「かまわないよ。」
「ブログが話題になっているのは、ようするにビジネスになるかていうことだよね。企業がどう先行的な人間を囲い込むかって話だ。となるとアマゾンで始まったアソシエイトとブログの関係っていうことになるのか?」
「アソシエイトはアマゾン用語。アフィリエイト。ま、同じだけど。一般のブログではそれほど普及していない。というか、そんなの嫌だというブロガーのほうが多いのさ。」
「ブログはマーケティングにも使えるとかほざくやつがいるけど、どうよ?」
「企業側にそういう色気はあるみたいだが、まだ実態はそれほどでもない。ただ、こういう製品ができたんだけどと訊かれたら答えるというブロガーは多い。自分のテイストを主張したいのだろうね。」
Blogging Survey Results(参考)
1 更新頻度
Once a Day 28.9%
More than once in a day 23.9%
2-4 Times a Week 33.6%
Once a Week 8%
Less than Weekly 5.6%
2 ブログを書いている場所
At work 4.8%
At home or at leisure 47%
At both home and work 48.2%
3 もってるブログ数
One blog 56.2%
Two blogs 22.8%
Three blogs 11.3%
Four blogs 5.1%
Five or more 4.6%
4 ブログにアフィリエイト広告を付けているか。
Yes 13.4%
No 86.6%
5 ブログに広告を付けてないのはなぜ?
I want to, but I do not know how 15.7%
My free blog host does not allow it 10.1%
Do not want to 43.5%
Blogs and advertising do not mix 15%
Other reason 15.7%
6 商品リサーチのコメントを求められたことがあるか?
Yes 9.3%
No 90.7%
7 商品リサーチをメールで求められたらブログに書く?
Yes I would 5.2%
Yes, if the product or organization was
relevant to my blog content 26.9%
I would review their organization or product and
blog my thoughts on them, good or bad 41.8%
No, I do not blog about companies that email
or contact me 26.1%
8 使っているシステムは?
Movable Type Hosted on own domain 15.4%
WordPress hosted on own domain 4.1%
PMachine hosted on own domain 2.5%
Blogger hosted on own domain 12.8%
Blogger Blogspot hosted blog 39.5%
Blog-City hosted blog 4.4%
TBlog hosted blog 3.9%
Typepad/Blogs.com 4.9%
Other 29.3%
9 ネタはどっから?
Sites that I check regularly 68.5%
Other blogs 58.9%
Friends 54.3%
News Sites and Online News Papers 47.7%
Google News 33.8%
Online Forums 25.6%
Email News Alerts 22.8%
Weird News Sites 20.8%
Yahoo News 19%
RSS News Aggregators 17.5%
Moreover News 5.1%
MSN Newsbot 0.7%
Other 20.8%
10 ブログする理由は?
For fun 73.6%
To write 66.6%
To reach out to the world 55.9%
To cope 23.4%
For work 12.6%
For money 7%
Other 20.8%
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コメント
あ・・楽しい!この記事!!
やっぱ情況に身を置く、ってのは違いますね(笑)
ところで、
先日は・・酔っ払ったような状態でいろいろ汚いものを見せてしまって申し訳なかったです m(_ _)m
ネットで言葉を発する経験が浅いもので・・・暴走してしまうのかもしれない。。
もし気になってるとアレ・・なので言っときますが、
あの問題は当人同士の話し合いで解決しました
やっぱバランスなのかなと思います
投稿: m_um_u | 2003.12.05 21:57
あ、ども。トラックバックたどった話、面白かったです。ただ、MTベースの対話の可能性っていうのは、いよいよこれからかもと期待している面があるのです。もともと、MTっていうのは往復書簡が好きな欧米人の発想かなと。そういうフレームワークが日本で機能するとしたらどうなんだろうと。なんというか、対照的に2ちゃんねる的世界って、2ちゃんねるの掲示板のage的なフレームワークの影響もあると思うんですよ。とま、古典的な意味でのメディアはメッセージですね。ちょっと修正するとコミュニケーションのフレームワーク自体がメッセージ性を持つ、と。その点、もう一つの比較で言うと「はてな」ってリファラが見えて便利だけど、どっちかというと、こっそっと陰でものを言う、という感じがします。MTだとこそっと言えば、そのまま陰になるでも。あそこだと陽(オヴァート)な発言はできない。陽にするならトラックバックかな、と、なんか話をひっぱってしまったけど。
投稿: finalvent | 2003.12.06 18:22
やっぱ「はてな」は・・キケンそうですもんね。。
だからぼくも辞書的なもの載せる程度にしようかな、とか思ったんですが・・
あ、これは「啓蒙」とかじゃないです
なんか・・興味もってくれる人が辿ってくるとおもろいな、っていうか・・
あと、2ちゃん・・
ぼくはあれは発言したことないんですが(キケンそうなので)・・とりあえず、日本の掲示板ではポータルですしねぇ・・
あれの研究もちょっとムズイ・・でしょうね
どうもありがとうございました
投稿: m_um_u | 2003.12.07 16:34