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2003.12.05

問題は診療報酬ではない薬価だ

 昨日の毎日新聞社説だが、「診療報酬改定 引き上げ理由が見当たらぬ」に奇異な感じがした。医師に支払う診療報酬を引き上げる改定はよろしくない、というのだ。あれ?という感じたのは、そういう言い分は大衆迎合として心地よいものだ。


 医療法人などの病院長の給与は2年前の報酬引き下げで下がったとはいえ、平均給与は235万円(今年6月、同省調査)だ。医療側には、医療保険制度の現状を冷静にみてもらいたい。「診療報酬の引き下げにより、医療の安全性を損ないかねない事態が懸念される」などという主張は、医道の尊厳を自ら否定するものだ。患者の健康と安全を守るのは医師の使命ではないのか。

 こういう文章を私もつい書いてしまいがちなのだが、これは悪いレトリックだと思う。まず、「患者の健康と安全を守るのは医師の使命ではないのか」という煽りは実は無意味だ。医師の使命があれば報酬はなしでいいというわけにはいかない。病院長の給与がいくら高かろうが、その病院の経営の問題にすぎない。
 「患者の健康」といったうすら寒い大義を除けば、ようは、支払い側の健康保険組合が「これ以上金は出したくないのぉ」ということだ。それは理解できる。健康保険組合がつぶれたら元も子もないということになる。
 私は端的に現行の医療費とは結局薬価ではないかと思う。8月23日の旧極東ブログ「薬剤師の社会的な重要性は市販薬についてではない(2003.8.23)に書いたように、ジェネリック薬に切り替えていけば、問題は大きく改善するはずだ。代替調剤制度(参考)を大きく進めるべきだ。
 と書きながら、毎日新聞社説でもこの問題が隠蔽されているように、実は代替調剤制度は日本の薬剤メーカーに大きな問題となる。なぜ日本の薬剤メーカーが社会問題にならないのか。問題というのは端的に資本力と開発力だ。銀行統合より先に、日本の薬剤メーカーを統合しなくてはいけなかったはずだ。識者はなぜ黙っているのか。

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