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2003.11.05

今日は変な社説が多い一日

 今朝の各紙新聞社説は一瞬あれ?と思うものが多かった。なんか日付がずれているような感じだ。連休前に書きためていたのだろうか。ネタが古い。朝日、日経、産経が中国西安の大学で日本人の語学留学生の馬鹿騒ぎで起きたデモを扱っていた。産経は読む価値がない。朝日は日本人学生を責める内容だったという点で朝日らしい。リクルートによる接待旅行では無礼講などなかったのだろうな。日経の社説には呆れた。標題を見よ、「双方に反省迫る『西安事件』」。おいコラ! 西安事件はねーだろ。デスクが通ったのか? っていうか社説ってのはデスクなど複数の目が入らないのか。はっきり言うけど、こんな標題付けるようじゃ、「日本経済新聞のみなさん、歴史に無知過ぎ」。歴史に対する感性のかけらもない。学生の学力低下なんて問題じゃないよ。

 読売新聞社説の「マハティール 長期政権の終焉で迎える新時代」はちょっと驚いた。読売がここまでマハティールに悪意を持っていたとは。何故なんだ、どんな裏があるのかと思った。特に気になるのはれいの反ユダヤ発言とされるマハティール発言への言及だ。
 この経済危機への対処にも見られた反欧米主義が、マハティール氏のもう一つの顔だった。「ユダヤ人が代理人を使って世界を支配している」という、物議をかもした引退間際の発言にも、そうした一面がうかがわれる。
 ことは単純な話だ。この括弧でさも引用とされている発言は本物なのか? でなければ読売さん、デマゴーグだぜ、ということだ。

 今朝の社説のなかでよかったのは毎日新聞社説「火災警報機 義務化は価格引き下げの後で」だ。端的な話、こうだ。
問題は警報機の販売価格だ。米国では1個1000円から3000円で買えるのに、日本では6000円から8000円。設置工事費を含めると1個2万円にもつく。各階に1個が望ましいから、二階屋ではさらに負担が増す。
 ありがちなオチのようだが、結語も悪くない。


市民に負担を強いる施策を講じるなら、消防当局が天下りなども含めた関係業界の実情を見直すことが先決ではないか。

 それにしても、どうしてこういう問題がもっと社会問題にならないのだろうか。
 そうしたことで思い起こすのは、子供の安全ということが米国と比較すると日本ではまるでといってほど問題になっていないことだ。
 すごくわかりやすい単純な例でいうと、小学生のランドセルだ。欧米、オーストラリア、ニュージーランドではスクールバックがもたらす子供の身体骨格への影響など議論されているのに(参照)、日本では皆無だ。ランドセルの形状を見るに、安全性も疑問だ。確かにランドセルが原因の問題というのは、日本の社会にはないしこれまでもなかった、という意見もあるだろう。本当なのか? 電車のなかで通学する小学生を見ても、とうてそうだとは思えない。なのに、このランドセルは義務化されている。
 子供の教育がどうこういう以前に、あの愚劣なランドセルをなんとかしろよと思う。ついでに、公立中学の男子生徒の軍服もやめてもらいたいし、もともと海兵用が奇妙なファッションとして倒錯してできたセーラー服ってなものもだ。
 子供を見ていたら当たり前にわかりそうな問題が看過されているという日本の社会とその言論はなにかとてつもなく狂っていると思う。

追記
 マハティール発言について、英語圏のソースをあたってみたいが、実は杳としてわからない。というのも、いくつかバリエーションがある。

Mahathir reinforces Jew stance
AFP
28oct03
(中略)
The influential Simon Wiesenthal Centre last week called on investors and tourists to avoid Malaysia after Mahathir branded Jews "arrogant" and accused them of controlling the world by proxy.

 間接話法なのでいまひとつわからない。これがロイターだともう少しダイレクトに直接話法になっている。

UPDATE 2-Bush tells Mahathir his Jew remarks are "wrong"
20 Oct 2003 14:16
(Recasts with Bush comments)
By Darren Schuettler
BANGKOK, Oct 20 (Reuters) -
(中略)

"The Europeans killed six million Jews out of 12 million, but today the Jews rule the world by proxy," Mahathir said.

 ロイター通信がいうのだからとりあえず「事実」とする慣例からすれば、読売自前のソースじゃねーじゃんとは思うが、オメーさん、デマゴーグかもというほど責められるべきではないのかもしれない。それにしても、ロイターに依存するなら、ご覧の通り、前半部分をわざとらに編集的にオミットしているわけだ。
 当たり前のことをいうようだが、元の発言は英語ではないのだろう。proxyの原語の語感が気になる。英語の場合は「代理人」で悪くはないが、ネットの串、つまりプロクシと同じなので、背後に身を隠すような含みがある。
 いずれにせよ、このようなニュースが行き渡り、それをもとにブッシュが動いてもマハティールはそれに動じないので、この発言の流布に腹をくくっているとみてよさそうだ。
 私はこの問題への言及は控えよう。金玉縮み上がるものな。ちょっとでも言うためには、アメリカの政治におけるロビーについて、なげぇ~前口上でもしねーとな。

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