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2003.11.21

再考・電子メールは憲法で保護されているか」は変な議論か

 今日のブログ「電子メールは憲法で保護されているか」について、はてな内に反論があり、興味深かった。仮に「雑記さん」しておく。で、雑記さん、反論、ありがとさん、である。参照は「通信の秘密に関する疑問」(参照)だ。
 Googleなどでこのページに来られたかたは、このかたの意見も参考にして、各人が考えていただきたい。
 さて、私はその反論をどう受け止めたかというと、実は雑記さんの説明に釈然としていない。もっとも、それにさらなる反論を持っているわけでもない。「わからーん」ということを以下に書いておきたい。
 その前に、まず、ほぉなるほどなと思ったのは、雑記さんの「極東ブログの記事は憲法上の議論と法律上の議論が混乱しているように思える」ということで、その混乱は、「通常、憲法上の権利は、公権力に対する関係でのみ問題となり、私人に対する関係ではいわゆる『間接適用』が問題となるに過ぎない。」という点を私が理解していなかったという点にあるらしい。
 前回憲法前文の試訳をしたおり念頭に置いていたのが、憲法というのは、マグナカルタの歴史からもわかるように、日本国民が政府権力に歯止めをかけるためのものだ。なので、当然、憲法は公権力との関係で問題となる、というのは、わかるのだが…。
 だが、わからないなと思うのは、ブログ本文で宅配の例題問題をあげたが、雑記さんの「通信の秘密に関する疑問」で問題が解けていないのは、なぜなのだろうか。
 たぶん、「これに対して、『通信の秘密』の場合、公権力は勿論、私人であっても『通信事業者』に対しては、憲法が直接適用されるとされるのである。」という点が重要になるはずだ。ということは、結局、この問題については、実質的には憲法と諸法の区別をしたからといって、議論として有効ではない、と言えるのではないだろうか。
 加えて、この問題の解けなさかげんは、国の郵政業務の制限に関わるはずなのだが、その点への言及が、雑記さんにはない。そうではなく、私が「通信」の原義に投げかけた疑問は、雑記さんの説明では、超越的に、あたりきしゃりきの前提になっている。それでいいのだろうか。こだわるようだが、実は、今回のブログを書いていたおり、スパムメールは出版と考えられないかとも思っていたので、原義に帰らないとスパムメールなどの問題も解けなくなる。
 ちょっとくどいが、電子メールについて、雑記さんの次の解説は、そーなのかぁ?と疑問に思う。


憲法21条2項の趣旨から考えても明らかである。それこそ、明治憲法26条の「信書ノ秘密」に関する大審院判決に照らしても保護されるであろう。憲法の英文原典を持ち出すまでもない。

 私だって、「憲法21条2項の趣旨から考えても明らかである」と思いたいのだが、そうではないかもと思えたことがあったので今回書いてみたわけだ。そして、この点の理解の補助の比喩としたのが宅配の例だ。同じ事がメールサーバーになされたときどうなのか。
 話がちとくどいが、私の言う「電子メールをもし誰かが閲覧したとしても、その閲覧者は秘密を守らなくてはいけないということだ。」に対して、雑記さんは、次のように指摘される。

「誰か」というのだから、この「誰か」とは、全くの一般人を含むのであろう。そうだとすると、この議論が成り立つには、憲法21条2項が純然たる私人に適用されることを前提としなければならない。
 しかし、一般にはそのように解されていないし、そのように解するとすると、前半の宅配業者に関する議論と整合しない。やはり、この議論も、おかしいと言わざるを得ないであろう。

 素朴に疑問に思うのだが、メールサーバーの管理者と宅配業者は同位置に立たされるのではないか。とすると、この問題は、「これに対して、『通信の秘密』の場合、公権力は勿論、私人であっても『通信事業者』に対しては、憲法が直接適用されるとされるのである。」と同じ話になるのだから、やはり問題は、まるで解けてないように思える。とすれば、私の疑問は、依然、私の単なる混乱による、とも言えないのではないか。
 とま、ための反論や議論がしたいわけではまるでない。私は私で、この問題がすっきり納得できればいいなと思うだけだ。

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