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2003.11.18

読売新聞社説のIP電話の説明は大間違い

 今朝は、大きな話題がうっとおしいので、ブログにありがちな細かいネタのアラカルトにしようかなと思った、通常は軽い小ネタがブログなんだろうから。しかし、IP電話なんていう小ネタが実際長くなってしまったのでこれで1本まとめる。
 読売新聞社説「IP電話 通信の世代交代は止められぬが」は、おおっ柄にもないこと書いて墓穴掘るだろうなという期待を満足させていただきました。という点で、とりあえず、ごちそうさまです。


一般家庭でIP電話に加入するには、ソフトバンクBB、NTTコミュニケーションズ、KDDIといったサービス会社と契約する必要がある。
 通常は光ファイバーやADSL(非対称デジタル加入者線)の利用料、インターネット接続サービス料とのセットで、月四千円前後の固定料金がかかる。
 しかし、通話料は、同一グループのIP電話間では無料、国内の固定電話向けで三分七・五―八円、米国向け国際電話で一分二・五―九円という安さだ。

 この話、前提がとち狂っている。「一般家庭でIP電話に加入するには」って、話が逆。IP網が常接になっているから、ほいじゃ電話も統合すべぇという話なのだよ、読売さん。だから、さらに金がかかるってなご心配はご無用。
 爆笑は、「通話料は…」のくだり、IP電話は料金が安いといいたいのでしょうが、阿呆か。奥さん家計簿つけたことないのぉ、のしょぼい突っ込みを入れたくなる。「国内の固定電話向けで三分七・五―八円」と味噌糞にしているが、通常の家庭の電話利用は市内が大半だ。
 なんだか、むかついてきたぞぉ。庶民を騙すんじゃねぇぞ!なのだ。平成15年10月23日(木)発表のこの資料を読んで貰いたい。「【別紙】 固定電話からIP電話(050番号)への通話サービス提供料金」。俺様が間違っているっていうご指摘は大歓迎だが、どう見たって、IP電話から一般のNTT固定電話にかけるには3分10円以上かかっている。
 読売は「国内の固定電話向けで三分七・五―八円」、だから安いと言いいのだろうけど、頭を冷やせ、考えろ、読売! 逆にだね、固定電話からIP電話にかけると10円なのだよ。おまえさんら、人様に迷惑をかけるようなヤツは金輪際承知しねって教わってこなかったのか。
 それに実際の大衆の家庭で利用されている市内通話に限れば、東西NTTのマイラインプラスなら3分8.5円だし、これにエリアプラスをちと加えれば5分8.5円になるのだ。詳しい話はちゃんとデータを元にシミュレーションしなくちゃいけないが、市外通話だってマイランの各種サービスでディスカウントされるされるからその頻度で採算ラインを出せば、IP電話なんてものには魅力はないのだ。そういえば、第一、おまえさんがたマスコミはマイラインについてきちんと説明もしてこなった。
 このあたり、ちょっとルール違反だが、ビジネスマンの東山櫻を出すとだ、以上のように読売を一喝したものの、恐らく、IP電話化には、それほどデメリットはない。ビジネス感覚でいうなら、読売くらいはだませても、ビジネスマンはだませないから、現状のIP電話のコストは通常の固定電話のコストとバランスするように料金設定されているはずだし、大衆家庭ではないなら、IP電話にメリットは若干でるだろうと思う。
 だが、新聞というのは社会の公器でなくてはいけない。特に読売新聞は大衆紙ではないか。その大衆にIP電話はどういうメリットがあるのかきちんと書かなくていけない。デスクだか上部のチェックの爺にわからない話を書くなら、きちんと裏を取って書く気構えが必要だ。少なくても、IP電話は一般大衆家庭に負担を強いるシステムであることを言明しなくてはいけない。東西NTTにやつあたりしてもいいが、大衆の側に立て、新聞、特に読売新聞!
 読売新聞社説ではIP電話のありふれたデメリットにこう触れる。

 ただし、一部のサービスを除いて、110番などの緊急通報ができない。通話の安定性や音質なども、まだ固定電話に一日の長がある。

 110番ができないということは、大衆家庭にどういう意味を持つのかまるでわかっていない。コモンキャリアっていうのは、キャリアのコモン(一般性)ではなく、このコモンにはコモンウェルス(国富)の語感があるのだ。
 引用は長くなるだが、以下の結語に至る読売新聞社説の論述はサイテーだ。

 問題は、IP電話が都市部を中心に展開されており、過疎地では固定電話に依存せざるを得ない状況が続くことだ。
 NTTの東西地域会社は全国一律の電話サービスを維持する義務を負っているが、それにはIP電話は含まれない。
 IP電話と携帯電話に挟撃され、固定電話の通信量は急減している。NTT東西も設備投資の重点を、IP系のサービスに移しつつある。数年後には固定電話網の機能が大きく低下しかねない。
 どうやって固定電話からIP電話への世代交代を円滑に進めるか。官民が協力して、検討を始める時期だ。

 違うだろ。話はここでも逆だ。なんども極東ブログで扱ってきたが、今日本で問題なのは地方なのだ。日本の地方はこれからどんどん取り残されていく。IP電話なんか普及しないよという前提に立つほうがマシなのだ。少なくとも普及の予想がオンスケージュールで見えない状態でコモンキャリアを変動したら危険だ。
 最後にくどいが言う。「どうやって固定電話からIP電話への世代交代を円滑に進めるか」だとぉ、しかし、私はそれが円滑に行かないようにこうして努力しているのだ。

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