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2003.10.04

労組ではなく職業別組合の社会貢献が重要だ

 読売と毎日が、社説で連合の会長選挙を受け、日本の労働組合をテーマにしていたが、これも漠とした話だった。
 毎日新聞社説の切り出しは悪くない。


 労働運動が見えない。こう言われて久しい。組合員数は年々減り続け、雇用者の2割しか組合に入っていない。労組に加盟していない8割もの未組織労働者のために、労働運動は何をしてきたのか。企業内労組の殻に閉じこもりリストラが過ぎ去るのを待っているうちに正社員が減り、雇用不安が社会を覆っている。「労組再生」の掛け声は立派だが、改革は進んでいない。もう後がない。その危機感が浸透していない。

 だがこの先の話は迷走する。「労組に加盟していない8割もの未組織労働者」というものが日本社会という視点から見れば大きな課題であるのに、毎日新聞はそれを現在の労働組合の改革で対応しようている。耳鼻科で痔を治すようなものだ。
 結末は爆笑ものだから、という意味で引用しておこう。

 労働運動を担う若いリーダーを抜てきすべきだ。若い人の労組に対するイメージは、暗い・時代遅れ・面白くない、というものだ。今必要なことは、組合は慣れした若い層にアピールする組織に変えていくことである。若い力がどうしても欠かせない。笹森会長らトップには2年の任期中に、なんとしてもフレッシュな指導者を育ててもらいたい。燃え尽き症候群の労組幹部では改革はできない。
 女性も率先して労組を引っ張るべきだ。パート労働者が急増し、問題も起きている。女性リーダーの出番は多い。
 労働運動は変わらなければならない。

 まったくお笑い草だね。「若い力」がなにを意味しているのか、執筆者はどんな顔を思い浮かべているのだろうか。せいぜいお若い安倍晋三の世代か。実際はポンコツどもがよってたかって若い労働者を労働市場から排除しているのだ。それが労組が実際にしていることなのだ。
 読売新聞はもっと直裁に、労働組合なんて政治組織じゃないか、とわりきっている分、ましかもしれない。政治はなんと日本国民にとって迂遠な話になってしまったことだろう。国民の政治無関心がいけないというのも正論だが、日本全体から見ればメジャーとはいえない公明党のような集団が現在国政に強く関与している。アメリカのようなロビーがないだけましなのかもしれないが、民主主義というのは平時は民主でもなんでもない。
 くさしはこのくらいにする。読売新聞に指摘されるまでもなく、日本の産業構造や労働環境が変化しつつあるのに、連合は相変わらず大企業の正社員の組織のままだ。端的に言えば、こんなもの実際に働くという意味での労働者とは関係ない、公明党のような組織に過ぎない。
 では、そもそも労働団体なんてくだらないものなのだろうか。私はそうは思わない。私自身、アメリカのある職能団体に所属している。職業別組合の一つだ。日本人として参加しているのだから、アメリカ内政へのロビー活動などは期待していない。もうかれこれ20年近くも名前だけ連ねた状態だが、それでもこの組合を見ながら、いろいろ思うことが多い。今の日本に照らせば、この組合の活動の一環として学生への支援と業態の倫理の確立に重きを置いていることが重要だろう。
 詳細に語ると長くなりそうなので、ちょっと話が散漫になるが、思うことだけ書く。このブログで私はセンター試験世代を罵倒してしまいがちだが、社会で現実に幅広く若い人たちと多少なりとも話をするといえば、バイトさんたちということになる。率直に言うのだが、そのバイトの内容が実につまらなく見える。30歳までになんとか能力を積み重ねられる仕事を若い人に与えるのが大人のつとめではないかという気持ちもなる。こうしたつまらぬバイトをしている若者に職業別組合が技術教育や奨学金を出すといったことはできなものなのだろうか。ま、そう言っても人ごとみたいな響きがするが。
 どういう了見なのかわからないが、民間の職業能力試験のようなものは数多い。実態は、官僚天下りの財団とやらが、天下りのコネで省庁のお墨付きを貰った権威による試験だ。こんなものでも試験にチャレンジすることで、職業能力が身に付く面もあるだろう。だが、現場の職業人たちが自分たちの後輩をきちんと育てていくという感じではなく、結局は国に権威をもたれているだけだ。
 歯切れの悪い話になってしまったし、きれい事になってしまうのだが、いわゆる市民としてではなく、一職業人として我々がその職能によってもっと若い世代に貢献しなくてはいけないのだろうと思う。

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コメント

はじめまして。
 貴ブログへの突然の書き込みの非礼をお許しください。「運動型新党・革命21」準備会の事務局です。
 この度、私たちは「運動型新党・革命21」の準備会をスタートさせました。
 この目的は、アメリカを中心とする世界の戦争と経済崩壊、そして日本の自公政権による軍事強化政策と福祉・労働者切り捨て・人権抑圧政策などに抗し、新しい政治潮流・集団を創りだしたいと願ってのことです。私たちは、この数十年の左翼間対立の原因を検証し「運動型新党」を多様な意見・異論が共存し、さまざまなグループ・政治集団が協同できるネットワーク型の「運動型の党」として推進していきたく思っています。
(既存の中央集権主義に替わる民主自治制を組織原理とする運動型党[構成員主権・民主自治制・ラジカル民主主義・公開制]の4原則の組織原理。)
 この呼びかけは、日本の労働運動の再興・再建を願う、関西生コン・関西管理職ユニオンなどの労働者有志が軸に担っています。ぜひともこの歴史的試みにご賛同・ご参加いただきたく、お願いする次第です。なお「運動型新党準備会・呼びかけ」全文は、当サイトでご覧になれます。rev@com21.jp

投稿: 革命21事務局 | 2008.10.13 17:25

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 昨日の静岡新聞の「論壇」で、屋山太郎氏が「改革推進の新しい自民党」という文を書いています。その中で気になった箇所を抜粋します。  連合の笹森清会長は自民党で反対票を投じ、無所属で立つことになった候補者を「連合が支援する」と言明した。労働組合がここまで政治に口出しする権利があるのか。  (気になる箇所は他にもありましたが、今回はここだけ)  郵政民営化に反対する連合の主張がこれこれこういう理由でおかしい、というのならある程度納得するのですが、「労働組合がここまで政治に口出しする権利があ... [続きを読む]

受信: 2005.09.15 21:10

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