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2003.10.30

宋美齢の静かな死

 今朝は朝日と読売が裁判員制度を扱っていた。それぞれそれりなに正論といえば正論。だがつまらない。くだくだ言うまえにとにかく制度を変えたほうがいいからだ。よく議論しなければいい制度にならないという正論もあるだろうが、もうそんな正論自体うるさい。遅延の理由にしかならない。他、日経はまたまたデジタル家電の話。なんだかなだ。物作りの日本みたいな幻想をまだ抱いているのだろうか。単なる経営の問題なのに。それと年金話はもううんざりしてきた。きれい事なんでないのだから、官僚と関連団体を整備しなおしてから増税するしかないだろう。

 というわけで新聞社説関連ではネタがない。他にネタはあるといえばある。24日以降気になって、マイルドな悪夢のようになっていたネタがある。宋美齢の死だ。ところでどうでもいいがATOKだと「宋美麗」と変換する。これで日本語に強いATOKなんだそうだ。気の利いたむかつくようなブラックジョークができるのは日本語が強いからだろうか。美麗島を乗っ取ったから宋美麗か。
 死因は老衰。105歳。この女、絶対昭和天皇より生きるだろうと思ったが、ここまで生きるとは思わなかった。20世紀を代表する女だ。ああ、むかつく。私は中国人には親近感を覚えるほうだと思うが、宋美齢の名前を見ると、平常心が保てない。もちろん、私は小林よしのりのようにシンプルな愛国主義者ではないし、時代のせいあって社会主義者くずれって言われてもしかたねーかの思想の持ち主だが、こいつだけは許せねーよなと思う。ああ、ダメだ。全然、文章にならない。
 こんなブログに書くこっちゃないのかもしれない。世の中台湾も含めてたいした話題にもならなかったのだから。そもそも、センター試験以降の世代はそもそも宋美齢を知っているのだろうか? 知らないわけはないよな。蒋介石夫人であり、映画ファンなら「宋家の3姉妹」くらいわかるよな(長姉は孔祥熙夫人宋靄齢、次姉孫文夫人宋慶齢)。と書きながら、たぶん知っているのはそのくらいだろうなとも思う。西安事件については、今の学校ではどんなふうに教えているのだろう、とぐぐると面白いものがあった。「山川出版社高等学校用世界史教科書の記述の変遷」(参照)。それによると、2000年ではこうだ。


当時、西安にいた張学良はこうした状況に動かされて、共産党軍攻撃作戦を説得にきた蒋介石を幽閉して、逆に抗日・内戦停止を説いた(西安事件)。蒋はこれをうけ釈放され、こののち国共はふたたび接近した。

 味のないマシュマロウを食っているような感じだが間違いではない。そういえば、張学良も皮肉にも100歳を越える長命だった。突然、NHKのインタビューに出てきたときは驚いたものだ。
cover
新「南京大虐殺」のまぼろし
 そういえば話が続くが、鈴木明が死んだのも今年のことだった。77歳。そんな歳だったのかと思った。「南京大虐殺のまぼろし」(絶版)を著して、左翼からは叩かれまくった。が、この本は南京大虐殺の史実を描いた作品ではない、と言っていいだろう。百人切り伝説の話だ。話題の中心だった本多勝一は今でも元気で、この関連で裁判沙汰になっているとも聞くが、私にはさして関心はない。むしろ、鈴木明が事実上最後に残した「新『南京大虐殺』のまぼろし」(飛鳥新社)のほうが興味深かった。この本は歴史家からはどういう評価になったのだろうか、よくわからないが、エドガー・スノーの裏はよくわかったし、宋美齢についても生々しく浮かび上がって好著だった。
 と、書きながら、この先、自分でもうまく言葉が浮かんでこない。もうすべて終わったことだ。言うだけ無駄だ。この女に日本はひどい目にあったが、もっとひどい目にあったのは台湾の人々だし、中共が生き残ることで苦しんだのは大陸の人々だろう。敗戦史観からすれば、帝国侵略した日本が悪いことになっているから、宋美齢が善になるのだろう。つまり、思考停止だ。所詮日本などこの女ひとりに負けたのだと自嘲してしまいたくなる。

[コメント]
# shibu 『このおばん、帰国子女でしょ。おねえちゃん慶齢との会話も手紙も英語だったってな話ですもんね。お説の「美齢一人にしてやられた!」ってのも同感です。対して、野村吉三郎じゃあねぇw 聞き取りも不安だったとかじゃなぁ。なんでこんとき白洲が張り合わなかったんでしょうかね。ま、野郎じゃ相手にゃならんですか。圓山飯店って台湾神社でしたっけ。あれって宋美齢の個人名義だったんですかね。それとも国民党の息のかかった会社名義でそこから上がりをいただいていたとか。96年以降台湾のイメージは様変わりです。李登輝効果でしょう。香港からの帰り、機体交換でトランジットしただけです。一度は行ってみたいですね。高雄にはいとこが葬られているようですし。』

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