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2003.10.22

紙巻き煙草は個人的な意見だが不味い

 日経新聞の社説「“官僚統制教育”脱却の方向が見えない」を読んで、民主党が「学力低下」を懸念し学校週5日制の見直しを提言していることを知った。今回の選挙は民主党を支持たいと思うが、この提言はくだらないと思う。学校なんか学力とは関係ない。学校に拘束される時間は少なければ少ないほどいい。他、読売新聞社説「ガリレオ計画 弾みをつける欧州版GPS」が興味深かった。当然、米国GPSへの対抗になる。社説では日本もこっそり独自代替システムを開発していることへの言及がある。が、この社説は米国GPSの問題については触れていない。あんこのない鯛焼きのような社説だった。今朝の大問題としては、東電OL殺人事件の逆転無期懲役が確定したことだが、どの社説も触れていない。明日あたり扱うのだろうか。ここでさらっと扱うには重すぎる問題なので、ひとまず、パス。

 今朝の話題はまたくだらない話だ。朝日新聞社社説「たばこ判決 ― 怖さが伝わらない」に関連してだ。肺がん患者ら6名(3名死去)が、日本たばこ産業と国を相手に、煙草の有害性を認識しながら適切な喫煙規制対策を怠ったとして、損害賠償を求めていたが、昨日東京地裁で判決が出た。判決はごく常識的なもので、喫煙以外の要因がないことについて検討がなされていないとして訴えを退けた。もともとくだらないデモンストレーションの裁判なのだから、このニュースだけでももとがとれたようなものだ。民主主義というのはこの手のノイズが必然的につきまとうのだが、それはそれで悪いことでもない。
 朝日新聞がトンマなこと言ってくれるのではないかと期待して社説を読んだが、概ねつまらない。
 たしかに、有害と知られているたばこを長い間吸っていたのだから、病気になったからといって製造元を訴えることに違和感を持つ人も多いだろう。しかし、それにしても、今回の判決はたばこの害や怖さについて認識があまりにも足りない。
 早々に論点をすり替えた。でないと話にはならない。そしてこの先の話はお説教である。煙草の警告文は曖昧であり、これでは「吸い過ぎなければ害はないと言っているようなものだ」と言う。このあたりはただのお笑い。依存症という言葉を巧妙に避けて「依存性」についてはこう言う。
 だが、世界銀行の報告では、禁煙を個人的に試みても成功率は低く、成功しても大半の人が1年以内に再びたばこを手にするとされている。日本で禁煙指導に熱心な医師たちも「意思と努力で禁煙できるという思い込みは間違い」と口をそろえる。
 確かにそれは事実には違いないが、裁判で持ち出す話では毛頭無い。とはいえ、この朝日の社説に私は悪い気分はしない。煙草の害については、もっと社会に周知させなくてはいけないと考えるからだ。なぜ医者や教師が現在でも人前でぷかぷかやっているのか理解に苦しむ(こっそり吸えよ)。次の朝日の指摘は重要だ。
日本の喫煙率は全体として減少傾向にあるが、20代の男性はほとんどの世代と同じく5割を上回る。女性は20代の増加が目立ち、この年代の2割がたばこを吸う。
 高校生の調査では、男子の半数以上、女子の4割が喫煙経験ありと答えている。
 若い女性に煙草を吸うなとは私も言わない。だが、2割はさすがに目立つ。都市部ではこの倍ではないか。マクドナルドなどファーストフード店を覗けば若い女性が多数ぷかぷかやっている。電車の中で化粧をするのは恥知らずで済むことだが、このぷかぷかの光景は私には異様だ。我ながら偏見になってしまうが、総じて若い女性の多くが煙草臭い(受動も多いのだろうが)。そうでなければ、シャンプーなのか化学物質臭がきつい。笑いを取るような言い方だが、私は電車や人混みではできるだけ若い女性の近くを避けることにしている。エレベーターなどでも若い女性が乗っているなと見れば見送る。
 なんてこったと思う。もちろん、公平に見れば、社会に溢れる煙草の煙は昔に比べて数段に減った。だから私のような煙草嫌いなど社会的にどうでもいいことで、全体としてはよい方向に向かっていると言えるだろう。ただ、なにかが違うように思う。
 朝日新聞は科学に無知なことが多いので、ことさらに批判するまでもないが、医学的には煙草の害については病理学的には確立されていないし、過去の経緯を見ても、およそ確立しそうにもない。疫学的には関係は明白だし、依存性についてもほぼ立証されていると見てもよさそうだ。だが、こららについても統計的な世界として導出されるもので、我々の社会の指針としてよいのかは判断が難しい。
 私が個人的にひっかかるのは、煙草が不味いことだ。私はもともと煙草が体質に合わないようだが、それでも若い頃2、3年吸っていたことがある。やめたのは不味いからだ。まず、紙巻きが不味過ぎて、煙草の味がしない。かろうじて吸えたゲルベゾルテがディスコンになった。まさかと思ったが、そうなのだ。この煙草が市場から消えるなんて信じられない思いがした。
 オリエント種ブレンドとはいえキャメルみたいないい加減な味はいやだ。黒煙草(*1)もそれほど好きではない。ヴォネガットの小説は好きだがペルメル(*2)は口に合わない。マルボロも赤玉(*)3も合わない。米国物の紙巻きではウィンストン(*4)がかろうじていけたが、やはり紙巻きは不味い(*5)。バーレイ種なんか煙草の味がしない。こんなものなら、ビディー*6のほうがまだまし。
 国産はピースを除いて概ね不味かった(*7)。とはいえ、パイプ煙草(*8)や刻み(*9)の品質を見るに日本たばこの技術力は意外なほど高い(*10)。やる気になればいくらでもうまい煙草ができる潜在力があるとしか思えないのだが、今でもあの手の不味いものを作り続けている。いや、公平にいうなら、日本人好みカップラーメンのではないが、市場に合う味を作り出しているだけなのだ。キャビンやパーラメントみたいな煙草もマーケットをよく見ながら調整して出荷しているようだ。メインのマイルドセブン(*11)系はアジア人向けの味としてよく出来ているのかもしれない。
 さてあの頃の私はといえば、しばらく刻みを自分で巻いたり(*12)、葉巻やパイプも併用したが、大仰なのでしだいにやめた。最後まで吸っていたのは手軽なウィッフスというシガリロだった(*13)。日本には葉巻やパイプが吸える場所なんてありゃしない。若い人間が吸っても様にならない。いずれにせよ、自分が吸える煙草はなくなった。こんな煙草を吸っているやつには嗅覚も味覚もないんじゃないかと思った。が、ソムリエ世界一の田崎真也は、日本の紙巻き煙草をぷかぷかやるし、それでいて料理の鉄人も負かす味覚の持ち主でもある。だから私の言い分は暴論だ。それに、みなさん、煙草がうまいからという理由で吸っているわけでもない。病むに病まれなくて吸うなら、病むことなど気にするなって。

注記
*1:ゴーロワーズとかね。こいつのフィルター付きは論外。
*2:Pallmall。読み間違えないように。
*3:日の丸とも言う。
*4:注を付けるまでもないが、赤いソフトパッケージのやつだ。白い箱にWinstonって書いてあるやつじゃない。
*5:意外にバージニアスリムのメンソールじゃないのが悪くない。
*6:吸い方にコツが要る。
*7:缶ピがうまいという人がいるが、缶ピよりも新鮮で湿度管理のいい箱入りのほうがうまいのだ。
*8:「飛鳥」「シルクロード」「桃山」が好みだった。洋物ではイギリスのやつ。Half&Halfは論外。
*9:「小粋」は上質だが、ちと辛い。
*10:花作りもよい。
*11:こいつの香りはトンカ豆。ちなみにHopeは蜂蜜。甘ったるいよね。
*12:巻紙を選ぶと燃焼速度が調整できる。
*13:こいつはお薦めしたい(参照)。

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コメント

挙げられてらっしゃる固有名詞ひとつひとつが、僕には腑に落ちました。とはいえ外国銘柄のものの多くはわからなかったので(ビディーには同意でしたが)、試していた当時、そこまで強く納得を求める気持ちを僕は煙草に持っていなかったのだなとも感じさせられました。

そういう意味では、ある程度の趣味的な探求と総括を必要としないまま皆さんが煙草を受け入れているからこそ逆に、煙草(など)は「趣味だから」というエクスキューズだけで、他の分野の価値との相互乗り入れ評価みたいなのがないんだなあという風にも連想しました。

雑多に、感想でした。

投稿: yamaken | 2008.03.22 15:40

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