温暖化への取り組みは技術を進める以外ない
地球温暖化騒ぎはあまり気乗りしない。今朝の朝日新聞社説「異常気象――天の声に耳をすまそう」はくだらな過ぎて話にならないから他の話題をとも思ったが、株価の動向や国内政局などもっとくだらないので、先の社説を読み直すと、これは意外に念の入った作文であることに感心した。
まず感心したのは、どこにも地球温暖化の原因について言及せず、またしても反米の政治誘導をやっていることだ。こういう作文の能力っていうのはすごいものだなと思うが、ジャーナリズムじゃ全然ないね。それにしても、原因について触れないというのは狡猾なものだ。ちょっと科学がわかる人間なら、単純に原因について触れたとたんナンセンスになってしまう*1。
朝日新聞社説のこのくだりは目が点になった。
東西対立が緩和しつつあった88年の国連総会で、当時のシェワルナゼ・ソ連外相は「地球環境への脅威は、核や宇宙の脅威と変わらぬ緊急性をもってきている。軍事に基づいた国家の安全保障は今や時代遅れになった」と演説した。地球規模の生態学的な安全保障を訴えたのだ。
おいおい、時代が違うよ、それに旧ソ連の思惑の背景から外したらこの言及にはまったく意味がない。まさかと思うが、朝日新聞は旧ソ連の状況なのか。
さらにこう続く。
その後、国際的な温暖化への取り組みは進んだ。だが、米国の京都議定書からの離脱や9・11テロ、イラク戦争といった最近の激動の中で、せっかく高まった環境の安全保障という考え方は後退している。
まったく何が言いたいのやら。激動なんかどうでもいいから環境問題に取り組めというのならそれはそれであっぱれというか白装束でも着てもらいものだが、そうでもないだろう。ようは、米国非難なのだ。
米国の地球環境の取り組みがいいとは私も思わないが、京都議定書からの離脱はしかたないのではないか(参照)。他の国の対米的な政治戦略としては面白いが、当の地球環境にはまるで関係ない。およそ地球環境なんか人間がどうこうできるわけじゃない。氷河期だって来たのだ。
できることは、技術を進め、適切な技術を評価して、環境を整備していくだけのことだ。単純な話、さっさと昔のエアコンを使っている工場や事務所に環境課税をかければいい。国際的な問題でいうなら、中国政府が中央権力を維持できるうちに、最新の環境対応の工業技術を日本から導入させることだ。
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