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2003.08.21

イラク混乱中の国連事務所爆破テロ

 バグダッドの国連事務所が爆弾テロを受け、国連職員が20人以上死亡、負傷者も多く出た。日本は、社会的な思惑とは裏腹に、公務員の出向以外、大国に比せず国連職員が少ない。この恥ずかしい現状を思うと、今回の死者を悼む思いが強くなる。
 事件についての朝日新聞の社説は笑いのめすには暗すぎた。悪魔的なトーンも感じられる。


恐れていた通りになった。政権の転覆をイラクの民衆の多くが歓迎したところまでは、ブッシュ政権の読み通りだったろう。だが、戦争の大義だった大量破壊兵器は見つからず、続いて起きたことを見れば、きわめて残念ではあるが、私たちの指摘は間違っていなかった。

 そうだろうか。全然違うと思う。さらに朝日新聞はこう述べる。

たとえ圧倒的な軍事力でフセイン政権を屈服させたとしても、その後、複雑な民族と宗教事情をかかえたイラクを安定させることがいかに難しいか。異教徒の一方的な占領がイスラム世界全体に屈辱感を与え、『聖戦』という名のテロを拡散させる可能性がいかに大きいか。

 イラクのような歴史性のない多民族国家をその国家の枠組みで安定させることは原理的に難しい。朝日新聞の主張が正しければ、独裁こそが解決となってしまう。また、今回の爆弾テロは「イスラム世界に屈辱を与えたゆえの聖戦なのか」というと、それは思い過ごしだろう。単に反米なのだ。
 朝日新聞は「犯人像はわからない」と言う。あたりまえすぎてくだらない。だが、その先はくだらないではすまされない。

フセイン政権の残党なのか。戦後の混乱に乗じて入り込んだアルカイダともつながる過激派集団なのか。

 ちゃんとものを考えたほうがいい。反米意識を高めることで利益を得る集団を想定したほうがいい。おそらく、イランを背景としたシーア派だろう。
 また、朝日新聞が冒頭の「とんでもない悲劇が起きた」は嘘だ。国連事務所は米軍と距離を置くために、米軍の保護が薄かった。国連の脇が甘かったのだ(参照)。今後は、日本の派兵を含め、あまりきれい事ばかり言っているわけにはいかなくなる。
 朝日新聞としては、こうした事件を梃子にして、世論を誘導したいのだ。

まずは米英両政府が、戦勝国として占領と復興を牛耳るのだという態度を改め、謙虚な姿勢で国連や欧州諸国に協力を求めることが出発点であるべきだ。

 しかし、この誘導が問題なのだ。
 ここでは詳細に論じることはできないが、イラク問題とは、フランスやロシアという偽装された国際世界のアナキズムを封じることが目的だった。これらの国は兵器商人であり、石油の国際マーケットを混乱させていた。世界はそうしたアナキズムによって根幹の不安定を抱え込めるほどの余裕はないのだ。だが、国家社会主義の亡霊はそのアナキズムこそ好機になるのだろう。

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