CIAがCOVID-19の起源を発表したが…
2025年1月25日、CIAはCOVID-19の起源に関する新たな分析を発表し、研究所漏洩説を支持する立場を示した。この発表は、新たにCIA長官に就任したジョン・ラトクリフのリーダーシップの下で行われた。ラトクリフは、2025年1月15日の上院公聴会を経て正式にCIA長官に任命され、長年研究所漏洩説を支持してきた人物であり、想定された事態でもある。彼は公聴会で、「アメリカは史上最も困難な安全保障環境に直面している」と述べ、CIAがより積極的な役割を果たすべきだと強調した。この評価は、ジョー・バイデン前大統領の国家安全保障顧問ジェイク・サリバンが在任中に指示した調査に基づいている。CIAは、COVID-19の起源について「研究関連の起源」が「自然起源」よりも可能性が高いと評価したが、しかし、その信頼度は「低い」とされている。新たな証拠がなく、既存の情報を再評価した結果である。CIAは今後も、新たな情報が得られれば評価を更新するとしている。
研究所漏洩説の信頼度は低い
CIAがCOVID-19の起源に関する評価を変更し、研究所漏洩説を支持する新たな分析を発表したことは、国際社会に大きな衝撃を与えた。しかし、その評価は「低い信頼度」であり、新たな情報が得られれば変更される可能性があるというものだ。この評価は、ジョー・バイデン前政権の国家安全保障顧問ジェイク・サリバンの指示により行われたものである。CIAは長年、COVID-19の起源が研究所か武漢の野生動物市場かの結論を出すための十分な情報を持っていないとしていたが、今回の発表はその姿勢を一転させるものとなった。
CIAの内部では、どのような議論が行われていたのか? 元CIA長官のビル・バーンズは、COVID-19の起源について「不可知論的」な立場を取っていたが、新たな評価を行うよう指示していた。CIAの分析官チームは、既存の情報を再評価し、研究所漏洩説を支持する結論に至った。しかし、その信頼度が低いことから、この評価が国際社会に与える影響は限定的かもしれない。特に、新たな証拠がなく、既存の情報を再評価した結果であることが強調されている。武漢ウイルス研究所の外観や、2021年にWHO調査団が訪問した際の様子が具体的に描写されており、研究所のセキュリティ担当者が警備している様子も記載されている。研究所の厳重な管理体制が浮き彫りになっており、CIAは今後も、新たな情報が得られれば評価を更新するとしているが、現時点では「低い信頼度」の評価に留まっている。
バイデン政権の問題なのか
新たにCIA長官に就任したジョン・ラトクリフは、バイデン政権が研究所漏洩説に関する情報を意図的に抑圧したと非難している。ラトクリフは長年、研究所漏洩説を支持しており、CIAがより積極的な立場を取るべきだと主張してきた。2023年3月には、ブライトバートとのインタビューで、バイデン政権が研究所漏洩説に関する情報を隠蔽していると指摘し、CIAが十分な情報を持っているにもかかわらず、結論を出さないことを批判した。
ラトクリフのリーダーシップの下、CIAはこれまでの「傍観者」的な姿勢から一転、積極的に情報を発信する組織へと変貌を遂げつつある。彼は、CIAが「傍観者」ではなく、積極的に立場を表明すべきだと訴えており、今回の発表はその一環と見られる。しかし、ラトクリフの主張が政治的な意図を持っているのではないかとの疑念は払拭できていない。CIAの評価が「低い信頼度」であることから、この発表が単なる政治的パフォーマンスに過ぎないとの見方もある。
COVID-19起源解明の鍵は中国
COVID-19の起源解明をめぐり、WHOは中国に対してデータ共有を再度呼びかけている。CIAの新たな評価が発表された今、中国の協力が不可欠とされる中、国際社会はどのように対応するのだろうか? WHOは2021年に武漢の研究所や野生動物市場を調査したが、その際に得られた情報は限定的だった。その後も、中国はCOVID-19の起源に関するデータを十分に提供しておらず、国際社会からの批判が高まっている。
CIAの新たな評価は、研究所漏洩説を支持するものであり、中国に対する圧力を強める意図があるのかもしれない。しかし、中国がデータを公開しない背景には、国際的な批判を避けたいという思惑があり、これがCOVID-19の起源を解明するための最大の障壁である。中国からの情報提供が不可欠であるということを現実的に考えるなら、無理、という結論しか出ない。
今回のCIA発表では、2021年にWHO調査団が武漢の研究所を訪問した際、研究所のセキュリティ担当者が警備している様子も描写され、WHO調査団が得られた情報が限定的だったことが指摘されている。中国はデータを十分に提供しなかった。今後も提示することはないだろう。政治的な解明としては、ここがデッド・エンドであろう。
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